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ラストスマイル〜辛い過去持ち天才少女は幸せになる〜  作者: サクラヅキ
二部 学園生活は大忙し
15/18

変換者

ハルSide


ニッシェイルはもうそろそろ魔力切れだろうか?かなり疲労が溜まっているように見える。


「っ……はぁっはぁっ……」


ここで勝ってしまうと、かなりまずい。次は決勝……準優勝でも大分目立つ。いや、2番というのは埋もれてしまう位置?うん。よくわかんない


「ニッシェイル。もう駄目そうですか?」

「うーん……じゃあ最終手段使うかも?……っ」


最終……手段……?


「フィールド権は私が取るよ!!変換者(チェンジャー)っ!」


そう彼女がいうと、この剣から何かごっそり取られる感覚がした。そしてその代わりに来たのは重み。片手で振り回せた軽い剣はここにはなく、両手でも持てない鉛のような重さがあった。


「私の変換者(チェンジャー)は相手の何かと、私の何かを()()()()する私のスキル!今回はハルの暴食(グラトニー)と疲労から来る私の身体の重さ交換したんだ!」


……魔力を使い過ぎた気だるさを逆手にとった上手い戦略。やっぱり頭冴えてる。


(この剣は使うのやめとこう。)


そう、重たい剣を手放した。さぁ。これで勝機はあっちの物だ。さよなら連勝!


「でもこれさ、1個弱点あるんだよね」

「は?」

「めちゃくちゃ魔力吸い取られる……」


そう言い残し、彼女はバタッと倒れた。……嘘でしょ?まさか自分の残りの魔力と、変換者(チェンジャー)で取られる魔力の計算が出来てなかった……と?


『この勝負、ハル・レッシェルトンさんの勝ち!!』


1番負ける可能性があった……いや、暴食(グラトニー)無効化の生徒も可能性高かったけど。でも、そんな大チャンスで……こんな……


「あんまりだよぉ……」


◇◇◇


「凄かったよ!ハルちゃん!」


1回言ってしまったらもう苗字呼びはやめたシルヴィエースは私にそんな言葉を向けた。


「ねーやっぱハルルンは自分の手を煩わせない『手を触れぬ覇者』って感じするよねー」

「ハルちゃんにぴったり!ハーリャイルくんやるねー」

「その異名!ハーリャイルにしてはセンスいい!私のも考えて!!」


手を触れぬ覇者とは??そして、フランチェスカは、褒めなくていいよ?あとニッシェイルは回復早くないですか??


「んーニッシェイルは『大型犬』かな」

「っ笑」

「え?なに笑ってるのかな?シルヴィエース君。ちょっと1回骨折っちゃうけど……ごめんね?」

「いや、本当にごめん笑」


ギリギリ顔に出さないでいるけど、結構私も笑いそうだった。『大型犬』か……笑


「というかさ、ハルは手を下すまでもない実力もあるけどさ、やっぱり魔力量がえぐいよね。」

「あっ、それ私も思った!やっぱり人型4体呼び出す人は魔力量もすごいねー」


確かに、小さい頃からこのモヤッとした感じ……今となっては魔力と感じるが、この感覚は強いなーと思った。ちゃんと測ったことないけど……どうなんだろ?

そう思っていると、決勝戦の呼び出しがあった。アースフォード・サファリア……あれ、この人ってフランチェスカと4回戦目に戦った人だったよね?決勝戦まで残るならZクラスなんだろうか?


「あ、この人さ同じクラスだよねー僕、消しゴム貸してって言ったら無視された!」

「えー何そいつ。感じ悪」


同じクラス……?って、Ωクラスってこと?こんな人知らないけど??


「確かこの人、入学式来てなかったよね。僕も入学式来ない人が居たから覚えてるよ」

「というより、ハルちゃん1回くらいは話したことある……でしょ?」


……記憶にない。そもそも、今日までシルヴィエースとハーリャイルくらいとしか喋ってなかった。ニッシェイルもフランチェスカも赤の他人だった。


「ないですね。」

「「「「あー……」」」」


◇◇◇


さぁ。同じクラスらしい人と対決……結構気まずいね。1ヶ月経っても話したことは愚か、顔合わせることもなかったし。


「あぁ。あなたが噂の。こんにちは。アースフォード・サファリアです。」


噂の、とは?


「ハル・レッシェルトンです」


軽い自己紹介の後は沈黙が続いた。試合は始まっているが、一向に攻撃してくる気配は無い。……と思ったのだが。


ビシャッ


「!」


紫色のドロっとした液体が私に掛かる。……あぁ。沈黙の理由は魔法の召喚か。そしてこの液体は……


「っ!」


毒だ。腹の底から出てきたものを吐くと、血が出てきた。これ、かなりの猛毒じゃない?殺す気なのかしら?

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