武道大会
「ダークバードは攻撃型の獣魔ですからね。似合ってますよ」
「ありがと〜」
あーめんどくせぇ。早く終わんないの?
「あっ!今度の武道大会の武器作った?僕まだなんだよね〜」
「武道…大会?」
「ハルちゃ……レッシェルトンさん知らない?毎年春にある行事だよ。」
そう、教えてくれたのはシルブィエース。武道大会か……適当に負けて適当に行こう。
◇◇◇
「もうすぐ武道大会だね。1年生だから武器作らなきゃ」
家に帰った後話しかけてきたのはお義兄様……ネーデイル・レッシェルトンだった。……この人月夜寮の寮生じゃない…?なんでレッシェルトン家にいるわけ??
「ん?今度の休みに一緒に武器の注文しに行こうと思って。」
はぁ………ちなみに、私は春の終わりくらいから寮生活だ。新しい環境に変わり過ぎるとストレスが溜まるからって最初くらいは家から通えという家族の配慮だね。逆に迷惑だけども
◇◇◇
「ここは、レッシェルトン家専属鍛冶屋のアルさんだ。」
「よぉ。ご紹介頂いたアルだ。あんたの武器……この俺が完璧に仕上げてみせます」
「……ありがとうございます。」
ドワーフ……だろうか?結構生きていそうで白髪交じりのおじさんだ。いい人そう
「それでは、要望を。」
「え?あっ……えっと……」
……何も考えていなかった。どうせならいい剣を作って欲しいな……とも思ったが私は武道大会で優勝はできない。否、1勝も許さない。いい剣を作ってもらいながら負けるなんて流石にアルさんの自尊心やプライドは傷つくだろう。なら、私のぐだぐだな要望を伝え、ぐだぐだな剣を作ってもらう。そうすればなんとかなるはず……
「えっと……私が傷つくのは嫌なので柔らかいのがいいです。」
「柔らかい…??」
お、いい感じ
「あと装飾も豪華がいいですね。私も侯爵家の立場を考えなくてはなりません」
「どんな感じで?」
「すごいのを」
少し……いや、かなり気の毒だけど……本当にごめんなさい。こんな私の武器を作るなんて……
「オーケーわかった!!」
「……え?」
「ん?なんか問題あるか?」
あんな……抽象的なあれで??
「っ……w」
おい。腹黒兄貴。笑うな
◇◇◇
「あーあ。適当な剣を作って欲しいってことバレバレだったよwwでも残念ながらアルさんはそんなことも大丈夫なくらいの達人だよ」
「……ッチ」
「ははっ。僕の妹だけどこわいねw」
あー性格悪い……小さい時の面影も何も無いわ。なんで……こんなに性格捻くれたんだろう
後日、私のもとに届いた剣は他の人の目から見れば侯爵家の令嬢らしい素晴らしい剣……なんだろう。しかし……
(絶対目立つやん!!!)
金の細工、様々な宝石が散りばめられ、レッシェルトン侯爵家のモチーフであるグリフォンが彫られている。何しろ……
「と、刀身大きすぎ……」
私の身長の半分はある……こんなの腰に刺せるわけないじゃん、肩にしかできないじゃん!!
「あ、あはっ……!あはっ……あははははっ!w」
「黙れクソ兄貴」
……やっば、口が滑った……




