プロローグ
「はるちゃんって、酷いよね」
そこからだと思う。私の人生が転がり始めたのは。そして今、
「ハル・レッシェルトン、座学も実技も学年1位。魔力もすごいらしいよ」
「聖女様みたい……!」
なにかとチヤホヤされるのもあの子のせいだと思う。
◇◇◇
私、西田 波瑠は、あんまり人に興味がなかった。あんまり人間関係を素敵だなんて思わなかったし、友達なんてこっちからお断り状態だった。
しかし、そんなことも気にせず……いや、そんな私に近づいて優しい子アピールをしようとした幼馴染、園田 夏織が嫌で嫌でたまらなかった。ふわっと優しい笑みには自分を優位に立たせるために誰にでも近づく腹黒い性格が隠れていたがだれもそんな彼女の素顔を知らなかった。
事が始まったのは小学4年生の学習発表会が終わったときの放課後。ホームルームが終わり、彼女はまた「一緒に帰ろう」と言ってきた。しかし、いつも通りに断った。すると、
「はるちゃんって、酷いよね」
その言葉に周りの騒音も一気に止み、静音に包まれた。
「一緒に帰ろうって言っても、帰ってくれない。遊ぼうって言っても遊んでくれない。酷いよ。はるちゃん酷い!私、はるちゃんと仲良くなりたいだけなのに……っ!」
そういって彼女は泣き出し、それを周りの女子が慰めた。男子も不器用ながらに慰め、私を思いっきり睨み付け、
「お前サイテーだな。園田、お前なんかに声かけてやったのに」
と、1言いいたい放題言った。何が悪いの?なんで仲良くなりたくもない人と仲良くしなきゃいけないの?なんであなた達はその腹黒い素に気づかないの?
園田 夏織の顔は手で顔を隠しながらもうっすら笑っていた。
それからは散々だった。クラスの女子には悪口や陰口、文句を言われ、男子には上靴を隠されたり、体操服をトイレに入れられたり。夏織のことが好きな上級生には殴られたり、蹴られたりした。
中学生になり、だれも進学しなかった中学校に行けばなにか変わると思ったが、クラスメイトと塾が一緒だったやつから普通にいじめられた。高校でも同じだ。だが、小学生と高校生のいじめなどレベルが違い、精神的にも肉体的にも追い詰められるようになった。そして……
『今日のニュースです。東高校の生徒のNさんが屋上から飛び降り、死亡しました。Nさんは小学生の頃からいじめを受けているとの証言があり、先程の記者会見で───』
こんにちは。作品の掛け持ちは破滅の原因ですがやっちゃったサクラヅキです!やはり、最初に書いていたほうを優先しますが、すこし完結させるのができなさそうで不安です……しかし!掛け持ちをしてしまった私の罪は重い!!(((殴 しっかり頑張ります!