戦闘
誤字脱字など有れば指摘していただけると幸いです。
手にした日本刀を構えてアカツキは一気に踏み込む。
雷のような速さで刀身がイホカをかすめるが、間一髪のところで避けられてしまう。
「言っただろう。当たらなければ問題ないと。見た所、能力を使うこと自体が初めてのようだね。いくら速いといっても単純な突撃なんかじゃ意味がない」
今度はイホカが拳を構え、アカツキに連打する。
アカツキは刀で捌くが重い一撃の連続によってじりじりと後退する。
(まずい、このままだと壁に押し込まれて捌ききれなくなる。勢いには勢いで押し返すか)
それまで後退していたアカツキは、急に体を前に傾け先ほどと同じように踏み込む。だが、それも
当然のようにイホカは避ける。
「至近距離なら当たると思ったのかい。そうやって単純な突撃をするから勢い余って前傾姿勢の硬直時間が発生するんだよ。本当の突撃はこれだよ」
そう言ってイホカはアカツキに劣らぬ速さで接近し拳を振り上げる。
「おい、背後から狙うのは卑怯じゃなかったのか」
次の瞬間、前傾姿勢だったアカツキは振り返りながらイホカを下から斬り上げた。
拳を振り上げ自らも前傾姿勢になりかけていたイホカはついに避けきれずその場に倒れこむ。
アカツキが戦闘の緊張から解放されると刀も同時に光を帯びながら消滅した。
「潜入初日で組織に公安の存在がバレているとは先が思いやられる。とにかく仲間が来る前にここを立ち去るか」
そう独り言をつぶやいてアカツキは通路の先の光に向かって歩き出した。