表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/58

潜入

誤字脱字など有れば指摘していただけると幸いです。

 アカツキは、上は白のパーカー下はジーンズにスニーカーというラフな格好で、東京駅八重洲口に立っていた。

 

 「指示書通りには来てみたものの、本当に東京駅の地下にアジトがあるのか」と独り言をつぶやきながら、駅口内のロッカーへ向かって歩き出す。

 八重洲口には多くのロッカーが設置されているが、一カ所だけ客から死角となる場所に設置されているロッカーがある。

 目的のロッカーの前に立ったアカツキは、入力パネルに「0891」と入力した。すると「18」と書かれたロッカーが開錠された。

 アカツキが恐る恐る扉を開けると、中は奥の壁がなくずっと先に続く通路となっていた。


 成人男性がかがんでやっと通れる通路を抜けると、コンクリートで打ちっぱなしの狭い空間に一人の男が立っていた。その奥にはエレベーターらしき扉もある。

 

 「君が新たなに派遣された調査官かい」と男はアカツキに歩み寄りながら問う。

 「何のことですか。私はただ招待状の通りにきただけなんですが」とアカツキは返す。

 「ああ、警戒するのも当然だ。安心してくれ。私は君より先に潜入調査を行っていたイホカだ。本部には訳あって連絡することができなかったんだが、新たな招待者が来ると知って待っていたんだ」


 信用し切れていないアカツキは「あなたが調査官だと証明できるのか」と問う。

 「シライ班長は元気かな。あの人のことを知っているのは公安の中でもT処理班に配属された人だけだ。これでも信用できないというならどうしょうもないのだけどね」と肩をすぼめる。

 

 少し考えてアカツキは「確かにシライ班長は私も配属されてから知った。分かった。信用しよう」

 「ありがとう。仲間が増えたと思うと心強い。立ち話もなんだから先に進みながら話そう」とイホカは今度はエレベーターの方へ向かって歩き出す。

 

 やって来たエレベーターに乗り込むとイホカが話し出す。

 「ここを降りるといよいよアジトのお出ましさ。と言っても僕たちの目当てのボスにすぐに会える訳じゃない。ボスに会うためには信用を積まなきゃいけない。」

 「どうやって信用を積むんだ」とアカツキは問う。

 「コレを売るのさ」とイホカはTCCを指さして言う。

 「TCCを」驚いた表情をするアカツキ。

 (シライ班長からクラブがTCCを売っていることは聞かされていたが、まさか自分が売り手になるのは想定していなかった)

 「ボスの部下達から配られるTCCを売ってノルマを達成する。そうやって信用を積むことで、ボスから認められる必要があるんだ」

 「なるほど。これからしなきゃいけないことの道筋はついた」

 

 そこまで話すと、ちょうどエレベーターが停止して扉が開いた。

 長い通路が続き、曲がり角の先から微かな光が見える

 降りた直後にイホカが思い出したようにアカツキに声をかけた。

 「そうだ君のTCCを見せてくれないか。確認したいことがあるんだ」


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ