会議
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少し薄暗い会議室にスーツを着た者達が座っている。皆その時が来るのをただ待っている。
上座に座っている男が腕時計をちらりと見て、声を出す。
「では、会議を始めよう」
一人の男が立ちあがり話し始める。
「まず、私から今月の売り上げを」と言いかけたところで
「遮って申し訳ありませんが、私から緊急の案件が」と女が手を挙げながら発言を求める。
上座の男は「良いだろう。話しなさい」と許可を出す。
「ありがとうございます。実は我が組織以外の者が時計を新たに装着したことが確認されました。たぶん、公安であろうかと」
会議室にはどよめきが起こる。しかしそれは次第に笑い声に変わる。
ある男は「彼らも哀れだなあ。我々は時計を着けた者を把握できるのだから、潜入など簡単に見抜けるというのに」と嘲笑し
ある女は「どういたしましょう。面倒になる前に排除しますか」と上座の男に問う。
上座の男も少し笑って答える。
「いや、その必要はない。これまでも我々は何人もの公安を処理してきた。しかし、これ以上相手をするのも疲れてきた。だからこれを機に公安に理解してもらおうではないか。我々と戦うことが如何に無意味かということを」
上座の男が話し終えると、隣に座っていた小柄な男が
「では、イチジ会長の案に賛成ということでよろしいですね」と賛否を問う。
参加者は皆頷き賛意を示す。
イチジもまた満足そうな顔をして頷く。