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時間エネルギー

誤字脱字などあれば指摘していただけると幸いです。

 「少し長くなるが聞いてほしい。質問は適宜受け付けるから」と言って男が話し出す。

 「アカツキ君は時間について考えたことがあるかな。科学界では多くの議論が行われているが、実は時間の正体については学会に発表されていないだけで結論が出ている。ずばり正体はエネルギーなんだ。熱エネルギーとか位置エネルギーとかと同じだ。アカツキ君に分かりやすく説明すれば、太陽が熱や光エネルギーを放出するのと同じように時間エネルギーを放出する源があり、そこからすべての空間全体に時間エネルギーが満ちている状態なんだ。さて、ここまでで質問は」


 突っ込めばキリがないと思いながらもアカツキは口を開き「聞きたいことは山ほどありますけど、一番気になるのは時間がエネルギーだと証明できるかですかね」


 「それは簡単だ」男が笑顔で返す。「この後の説明を聞けばね」そう言ってまた話し出す。

 「まあ分かっているとは思うけど、これはただの腕時計じゃない。今言った時間のエネルギーを変換する変換機なんだ。Time change clockを略してTCCと呼ぶ。装着することで人体の身体的な能力を著しく高めることができる。それだけでなく超能力が発現する者もいる。そして装着者のことをクロッカーと言う。効果には個人差があるから装着してみなければ何とも言えない。ただ、少なくともこの時計はアカツキ君に適応するはずだ」


 そこまで話すと男はアカツキに目を合わせ真剣な表情になった。

 「まだ説明することはたくさんあるけど、この時計を着けてくれないと話すことはできない。もちろんアカツキ君は着けてくれるだろうけど、注意事項があってね。この時計は一度身に着けたら二度と外すことはできないんだ。それでも着けてくれるかな」


 車内に静寂が訪れた。

 公安の任務はほとんどが引き返せないものばかりだ。しかし、アカツキ自身がそんな任務に当たったのは初めてであった。

 アカツキは話し始める。「どうせここで着けないという選択肢は無いのでしょう。そうでなくともここで引き下がるのは調査官としても男としてもあり得ません。私はここまで何ものにもとらわれず、何ものをも恐れずの精神で生きてきましたから」


 男はアカツキが話し終わると笑顔になった。「やはりアカツキ君を選んで間違いなかった」と言った。そしてケースからTCCを取り出してアカツキに渡した。

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