紙袋
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アカツキが振り向くとTシャツにジーンズの女が立っている。
「どうやって嗅ぎつけたのか知らないが、そんな大口を叩くってことは倒される覚悟はあるんだな」
そう言ってアカツキは刀を出現させる。
「やっとアカツキにも俺の力を見せるときが来たか」
そう話すキアタの足は震えて顔も強張っている。
それを見たアカツキは「いや、キアタは彼女を安全な場所に移してくれ」と言う。
「おおそうだな。放って置けないな。うん、ここはアカツキに任せるとしよう」
ヤマワカを支えながらキアタはその場を離れる
「あらあら1対1で正々堂々と戦おうとしてくれているのかしら」
「勘違いしてもらいたくないな。俺一人で十分ていうことだ」
「女を見誤ると大変っていうことを教えてあげる」
そう言うと女の時計が光り手に紙袋が現れる。
「紙袋?」
「もちろんただの紙袋じゃないわよ」
女は紙袋を振りかぶって投げるように振り下ろす。
紙袋は遠心力に従って全長が伸びる
それは勢いをつけてアカツキに迫る。
「うおっと」
直撃する直前に刀で切ろうとするも鋼鉄のような硬さの紙袋の前にはいなすことしかできなかった。
「少し後悔し始めてるんじゃない」
「まったく。それよりも紙袋の中身が気になって俄然やる気が出てきたところだ」
「あらやっぱり気になるのねえ。いつもは冥土の土産に教えてるんだけど、あなたには教えてあげない」
「そんなことを言われると余計に見たくなってきたなあ」
長い一直線の通路はアカツキの電撃を浴びせるに適した環境であった。
アカツキが女の目の前に迫って斬り上げる。
しかし、刃先は女に触れなかった。
女は直前に体の前に構えた紙袋を巨大化させ通路自体を分断させた。
刀はそれに弾かれる。
「これじゃあ紙袋というより壁じゃないか」
「あなたの剣じゃこの紙袋は絶対に切れないわよ。後悔してる顔が見れないのは残念だけど、お仲間の顔を楽しみにしとくわ」




