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日はまた昇る

作者: 丸太

 短いようで長かった日々から解放され早くも一年がたった。

 この一年ひたすら惨めさと後悔に付きまとわれていた。

 つまり以前と何も変わっていない。

 肉体が解放されても精神はまだ閉じ込められたままだ。

 罪を犯したとき人は芯の強さを試される。

 罪を認め、自分を認め、現実と向き合って未来に踏み出せる人間は芯の強い人間だ。

 僕はそうじゃなかった。

 一時の快楽のために僕は全てを失った。

 ただの八つ当たりだった。

 当時はそれすらも認められなったがもう意地を張るのは疲れた。

 朝9時から現場で怒鳴られながら必死で夕方まで働き7500円の日当を貰いコンビニで酒とタバコを買ってボロアパートに帰る。

 7500円の内3500円はその日のうちに使ってしまい残りの4000円の内3000円は家賃や光熱費で消えていく。

 月に25日働いても25000円しか貯金できず、そのわずかなお金も健康保険やらで無くなる。

 未来に希望なんてなく親も頼れず兄弟には居なかったことにされ友達とは連絡がつかない。

 まるで過去が無い人間みたいに誰とも繋がりが無い。

 一日に何度も頭をよぎるのは後悔と、もしもあの幸せだった頃に戻れたらなんてくらだらない妄想だけ。

 僕の指先は何度も切れて傷口に小さな泥が入ったまま癒着したため、いくら洗っても黒いままだ。

 こんな指で触られたらどんな女性も嫌がる。

 もう一生誰からも愛されない。誰を愛することもない。

 いっそ眠ったまま目が覚めなければいいのにとすら思う。

 気持ちとは裏腹に寿命にはまだほど遠く、肉体労働で鍛えた体はデスクワーク勤めだった昔よりずっと身軽だ。

 健全な精神は健全な肉体に宿るとは嘘だ。

 毎日、日が落ち眠るまで自分を責めながら心のどこかで許しを求めている。

 僕を許してくれる人がどこにいるんだ。

 もういっそ日が昇らなければいい。

 それでもまた日は昇る。

 罰はずっと続く。

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