ふられてなくのは乙女の名折れよ
あの甘い
やわらか戦車を抱いた夜、
やわらかキッスをもらった桃の香
ゆっくりと
過ぎゆく速い飛行機の
細く流れる雲が好みよ
待っている
部屋が寒くて震えても
来ないと云うから、あなたはキライだ
目の前の
窓が吐息で曇っても
ぜったいあなたの名前は書かない
ポテチって
ふたりで食べると美味しくて
ひとりで食べると、からくて、寂しい
この恋も
忘れられないほどじゃない、
なんてつよがる、誇りは棄てない
こののちも
恋がすべてというのなら
ふられて泣くのは、《乙女》の名折れよ