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蜃気楼の岬から  作者: ピンギーノ
一・三章 幻想河の遺歌(下)
71/95

⭐︎⭐︎⭐︎これさえ読めば全部わかる! これまでの蜃気楼の岬から(52〜62話編)⭐︎⭐︎⭐︎

 あら? 珍しいわね。此処に人が迷い込むなんて。


 え、私は誰かって? 随分と小さなことを気にするのね、人間って。

 取り敢えずは……そうね、黒髪のお姉さんとでも呼んでくれればいいわ。うん、今はそれが良いわ。




 ……冗談よ。ループっぽく演じてみただけ。

 世界の繰り返しって、当事者の気持ちを考えたら本当に残酷な体験だと思うわ。

 日々を生きるってことは、無数の初めましての積み重ねなの。だから、余程非道い目に遭わない限り、みんな飽きずに続けられる。

 でも、それが変わり映えのない空間だったり、何一つ変わらない台詞だったり、表情だったり。

 新鮮なものが腐ってゆくように、いずれ当事者の心は内側から腐敗して、気付く間もなく潰えてしまうのだと思うわ。


 そうだ、仮に貴方が繰り返しの中に入ってしまった時のために、一つだけお姉さんがアドバイスしてあげる。もしも抜け出したかったら、その時は可能な限り多くの人間を巻き込むことね。脱出のトリガーは思わぬところに隠されているもの。きっかけは、きっと人との繋がりが与えてくれるから。




【52話〜53話】

 何処かで見た光景ね。そうそう、41話と同じだわ。ただ、明らかに違う点が一つ。ナズナの挙動がおかしいのよね。長に祭りを中止しろってせがんだり、会話がどこかぎこちなかったり。

 話が大きく脱線した結果、ナズナは予知夢を見れる能力者で、その力を証明してくれれば祭りの中止を検討するってことになったわ。まぁ、適当な嘘は吐くものじゃないわね。


【54話〜59話】

 "姉"に教わって、ニケさんが魔法を習得したわ。キノコを生やす魔法らしいけど、使い所が思い付かないわね。ナズナはどうにかして予知能力者のフリを続けてる。ウィルさんは……ずっと彼女のフォローに徹してる感じね。個人的にはもっとリードしてほしいのだけれど。


【60話〜62話】

 怒涛だわ。

 前夜祭に参加した一行だけど、その途中、人気のない場所で姉妹が突然四人を裏切るの。術師としては完全に格上の"姉"には、手も足も出なかった。結局そのまま気絶させられて、四人の意識は途絶えてしまう。

 次の日には非道い拷問の末に、ナズナは命を落とした。




 ……ここで一区切りみたいね。

 分かったことは、ナズナは集落の数日間を繰り返してるってこと。いわゆるループ状の時間軸に閉じ込められていると推測できるけど……どうしてそんな状況になったのかは、現時点では全くもって不明だわ。

 私の口から言えることは無いのだけど……そうね、貴方達にだけ、ヒントをこっそり教えてあげましょう。


 ナズナの行動や心情を特に注意して見ること。

 例えば嘘を吐いたり、罰当たりなことをしたり。……時には、思い切った行動をしたり、ね。


 集落を巡るこの記憶も、そろそろ佳境に入る頃合いでしょう。

 ナズナの身に降り掛かる不可解な怪奇。四人を騙した姉妹の思惑は? 脱出の鍵は何処にあるのかしら? 


 ともかく、無事に解決してくれることを願うわ。


 それじゃ、また何処かで。










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 〜キーワードまとめ〜


 〈淵起(エンキ)

・魔法の一種。その術者が生み出す独自の魔法。俗に言うユニークスキルだとか、その人だけが持つ能力のようなもの。

・原理的には、"自分が存在する"という儀式を経て発現する魔法。よって、魔法陣も詠唱も必要ない。




 〈緋色の剣〉

・シャヴィの形見。意志の籠った魔力を流し込めば、刀身から炎が上がる。




 〈洞穴〉

・霧に満ちている。ナズナが一瞬だけ目を覚ました場所。

・巨大な何かが蠢いていた。









※もっと短縮してほしい等の要望があれば、検討いたします。

※また、拙作の感想欄は小説家になろうユーザー以外の方にもオープンしているため、感想、ご意見、質問等遠慮なくどうぞ!

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