⭐︎⭐︎⭐︎これさえ読めば全部わかる! これまでの蜃気楼の岬から(10話〜23話編)⭐︎⭐︎⭐︎
作者です。
拙作二回目の"前回までのあらすじ"でございます。
前回と同じく一人称で進行していきますゆえ、登場人物がつけている日記を覗いている。そんなイメージでお楽しみ下さい!
ウチの名前はミサ。学校から帰る途中、気付けば異世界に飛ばされていた。わけ分かんないんだけど。早く帰りたい。
【10話前半】
帰還の鍵は東の島? にあるとかなんとかで、旅を始めたウチら。でもそこに行くにはまず、北東のメナス河ってとこを渡らないとダメなんだって。......すごくめんどいけど、家に帰るためなら歩くしかないのだ。
道のり長いわ日差しが鬱陶しいわで、気分は最悪。途中、休憩がてらナズナが魔素の使い方を教えてくれたけど......正直まだよくわかんない。でも、一応お礼は言っといた。
ウチらを気にかけてくれたことが、嬉しかった。
【10話後半〜12話】
森だ。見るからに魔獣が居そうだけど、このまま日焼けするよりはマシだと思って中に入る。それが間違いだった。
気色悪い化け物に追い回されて、終いには馬鹿みたいにデカい蛇に遭遇する。これだけでも充分エグい体験をしてるんだけど、一番ゾッとしたのはやっぱり幼体うじゃうじゃかな......。
あれは、あれだけは本当に無理。間違いなくトラウマ植え付けられたかも。
だけど、ウィルとナズナのおかげでなんとか化け物を撒くことができた。ウィルのメンタルとナズナの頼もしさが半端ない。ウチにはとても真似できないよ。
危機を脱した後は、安心感でいっぱいだった。でも......ここからだった。無慈悲な異世界に、ウチらは容赦なく追い詰められる。
走ってる途中、突然ナズナが倒れた。
みんなどうしようってあたふたしてる時に、突然ウチらのとこに足音がにじり寄ってきた。
その足音の正体は、大勢の野蛮な男たち。
ウチらはソイツらに見つかってしまったのだ。
【13話】
野蛮な男たちは盗賊だった。
リーダー的な赤髪と二人の側近が、気を失ったナズナをどこかに連れ去ってしまう。
本当に、あっという間の出来事だった。ウィルは身体を震わせて、涙を流している。なんだか、見ていられなかった。
あまりに理不尽だ。
悔しくて、やるせなくて堪らない。
やっぱり、ウチはこの世界が嫌いだ。
......この場に残っているのは、九人の盗賊。
そのうちの一人に両腕を掴まれた。
......普通に無理なんですけど。臭くて、不潔で、穢らわしい。あと目がキモい。全身を舐められてるみたいで寒気が止まらなかった。
【14話〜16話】
不思議なことに、九人の盗賊がウチらを襲うことはなかった。兄貴って慕われている盗賊、"リッキー"がそう命令してた。で、なんか勝手に自分たちの隠れ家に案内してきたの。意味わかんなくない?
でも、当の隠れ家は人ひとり見当たらないもぬけの殻。この状況は盗賊たちにとっても予想外だったみたいだから、みんなで周囲の捜索を始めた。
結果は......残念。手掛かりすらなし。そこで、リッキーがある提案をする。"森の奥を捜索する班"と、"北のローグリン公国で食糧を調達する班"に別れて行動したいとのこと。反対する理由もないし、それで決まりってことになった。
ウチら三人とリッキーは後者。
疲れてたし、ウチは明日に備えて即行で寝ることにした。夜中に襲われないことを願いながら。
【17話〜19話前半】
出かける前のこと。最低限身を守る術くらいは身に付けてほしいと、魔素を使った戦い方をリッキーに教えてもらった。意外と丁寧で分かりやすかったってのは本人には内緒にしておく。コイツ絶対調子に乗るから。
昼過ぎになって森を北に抜けたんだけど、いつのまにかウチはリッキーに背負われてた。魔獣と戦って、ウチだけやられたらしい。......まぁ、そのおかげでローグリン公国に入るまで楽できたから、結果オーライだよね。
......てか、門番に正体バレそうになってたよね。リッキー、本当に馬鹿なんじゃないの?
【21〜23話】
食糧買って早く戻ろう......って思ったけど、やっぱりみんなお腹が限界だった。そこで、リッキーが行きつけの料理屋さんに連れて行ってくれた。この男、国に通行手形が発行される前は正体を隠して色々遊んでたらしい。
リッキーのおすすめは、いわゆる高級料理。何もかもが新鮮で、その時はちょっと楽しかった。
暫くして、リッキーが席を外す。なんか「こいつめっちゃ急いで食うじゃん」とか思ってたけど、やっぱりそれなりの理由があったみたい。
一時間くらい経過して、リッキーがやっと帰ってきた......と思ったら、全然違った。
公国の騎士たちが部屋に押し掛けて、突然ウチらを拘束してきた。......嫌な予感しかしなかった。
あのあとウチらは尋問を受けたんだけど、ウィルがドジったせいで三人ともめっちゃ怪しまれることになった。本人は落ち込んでたけど......なんか、あいつには謝ってほしくなかったな。
三人仲良く牢屋行きか......と諦めたその時。"とある人物"の介入で、ウチらへの疑いは完全に晴れることになる。
彼の名前はリッキー・バロス。
平然とした顔で颯爽と現れたコイツは、一体何を考えているのやら。ウチは考えることをやめた。
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【19話後半〜20話】
そこは冷たく、暗い部屋。
金髪の少女と赤髪の盗賊。そして彼の二名の側近は、何処かに幽閉されていた。
盗賊の名は"シャヴィ・ギーク"。
彼の口から語られるは、少年時代から長きに渡って求め焦がれた夢の話。
シャヴィの目的は、治癒の魔力ーー通称"奇跡"の担い手であった。しかし、ナズナはシャヴィの探し求めたそれとは異なる、全くの見当違いだったことを突きつけられる。
赤髪の男はその事実を受け止め、受け止めたゆえに自らを見失う。だが親しき側近の声によって、自暴自棄へと完全に堕ちる直前に、目を覚ますことができたのだ。
数刻が過ぎ、シャヴィはとある決意を胸に抱く。
"最後の我儘"を、二人の側近に伝えるのであった。
【17話、20話補足】
八人の盗賊たちは、森の奥へと足を踏み入れた。
道中三人の犠牲を乗り越え、盗賊らは森の中に不気味に佇む館を発見する。
ーー敬愛なる頭領はこの中に居るに違いない。
五人の盗賊たちは、震える脚に鞭打って館への侵入を果たす。
凍えるような暗闇の中。
一人、また一人と消えてゆく盗賊。
果てに、最後に残った二人の男はそれと目を合わせてしまう。
それは、森の館の主。現世にて本来は有り得ざる筈の存在。
ーー怪奇なる異形と。
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〜得物まとめです〜(23話時点)
ウィル : 短剣
ニケ : 短剣
ミサ : 鎖鎌
ナズナ : なし(魔法のみ)
リッキー : 不明
シャヴィ : 緋色の大剣
ガトー : 不明
スノウ : 不明
※もっと短縮してほしい等の要望があれば、検討いたします。
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