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第96話:因縁の敵

side:智洋


受付の人と一悶着があったが、ギルドカードを見せてからトントン拍子に話が進みやっとダンジョン内に入れた。


「さて…ターゲットは20階層だっけか?」


そんなことを呟きながら早く済ませるため、腰に携えている剣を鞘から抜き、右手に持つと、素早くダンジョン内を駆け抜ける。魔物と何度も遭遇するけど今の俺の速度にはついてこれないから憂いもなしに進むことが出来る。


ここでダンジョンについて話す事がある、本来ならもっと前に説明するはずだったけど毎度の如く忘れていたので今になった。…って、話ズレたね、簡易的に言うけど、ダンジョンは基本的に5階層ずつに中ボスと呼ばれる魔物が現れ、ボスと呼ばれる魔物が10階層ずつに現れる。ボスと中ボスの違いは実力と条件の違いだが、これに関しては後で言う。


次に、ダンジョン内の魔物を倒した場合だが、倒した魔物は時間が経つと魔力に還元されダンジョンの糧となると言われているが…実際の所は違う。ダンジョンの糧ではなく自分たちの糧となるだけで実際はなんも意味は無い。ただ空間内に充満されていくだけ。


他にも…。と補足しようとした所で考えをやめて目の前の空間を凝視する。気がつけばここは5階層…中ボスと呼ばれる魔物がこの階層の何処かに徘徊しているからだ。気配察知を使えばある程度の距離にいるか大体わかるが、俺の今の練度だと少し心もとない…だから闘気を気配察知に上乗せして発動。


単純に言うと、M極とS極の性質で魔力と闘気は互いに上手く寄せ合い、混ざり合うのだ。闘気の本質は事象の強化で魔力の本質が事象への干渉、二つとも似たような本質を持っているから互いに反発せずくっつく。


とまぁ、長い説明から一旦離れようか。俺の気配察知に中ボスらしきものがかかった。ものすごい殺気を撒き散らしているオークが奥の方から徐々にこっちに来ているのが分かる。今回は運が悪かったらしい、中ボスはだだっ広いダンジョン内を徘徊している為出くわす事はあまりないが…運が悪いと出くわすんだよな。


(ま、いいや。中ボスの素材は需要あるし、元々狙うつもりでいたしな)


柄の部分を強く握り呼吸を整え────。


『アルフェデート流剣術──零・始まりの斬撃』


呟いたと同時に袈裟斬りの要領で空を切る。すると、不可視の斬撃が音の速さで迫り、次に聞こえてきたのはオークの絹をさくような悲鳴だった。


「ブモォォォォオオ!!」


オークの叫び声を受け流しつつ、倒れ込んでいるオークを剥ぎ、必要不必要なものを即座に仕分ける。ものの数十分で解体が終わった。


「よし、マジックパックに素材入れた。後は下を目指すのみかな」


満足気に頷いた俺はすぐさま依頼の進捗を進める為にまた駆け出していく。





---------


あれから時が進み、ターゲットが居るはずの20階層にやってきた。まぁ、特に変わった点は見受けられず今の所は異常なし。と…言いたいところだが、19階層と比べて魔力濃度が異常に高いな。実力差の区切りと言われている20階層でもここまで格段に上がることはまずない。


やはり何かしらの異常があると見ていいか。って、キメラがいる時点で異常なんだけど。そもそもの話異常だから俺がいる訳だし。


(さてさて、気配察知を使って────っ!!)



少し距離があるが、奥の道を曲がった所に凄い気配を感じ、警戒をする。だがまぁ気配を探らずとも相手からご登場してくれて助かった、おかげで手間が省けたよ。しかも今回は小型…いや、()()()()()()か。


出来ればあまり対峙したくない部類だな、特に理由はないけど人を殺すみたいでなんか嫌なんだよな。こんなこと誰かに言えば甘い奴だなって笑うかもしれないが、この感情だけは捨てないようにいつも留めてる。


理由は後々話すとして、まずは目先のことを考えねーとな。敵は一体…ここのボスより遥かに格上、今の俺がどのぐらい通用するか楽しみだ。


ワクワクした気持ちを抑えつつ、脚に力を入れ、一気にキメラのいる場所まで走る。当然気配は極限まで消している為ちょっとやそっとじゃ気付かれねぇ。


(発見!体長は1m80辺りの…異形型か)


右手に持つ剣が光を放ち、目標を捉える。気配を消したまま近づき、異変を感じたキメラは俺のいる方へ顔を向くが……()()()()


「ガ……ガァガ」


キメラの背後で剣を仕舞い一息つく。キメラの隣を横切った瞬間に首を切り、数秒経った今、身体がやっと反応したのか首がずり落ちる。


「討伐完了」


そんな一言を呟き、あれ俺成長しすぎじゃね?と心の中で驚いていた。警戒した俺が馬鹿みたいじゃん…いや、警戒するのはいい事だから別にいいけど。


とっとと首をマジックパックに入れて、次いでに魔石も取り出すか…。魔石って意外に儲かるし、取っておいて損は無いしな。ちなみに魔石っていうのは魔物なら誰しも持っている魔力の結晶体の事だ。大体心臓の中に埋まっているんだがたまに例外がいるが、基本的には心臓の中だ。


(さってと、終わったしか〜えろ)


結構早く終わった為、俺はルンルン気分でダンジョンを後にした。

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