第89話:背負う者
日曜日に友とカラオケ行きましたが、音域が広がってて驚いてた。
side:???
智洋が目覚めてから丸一日が経った。俺は個室の病室にひっそりと置かれたベッドに腰掛けてつい頭を抱えてため息をつく。
レオンの訃報を聞いた智洋は酷く落ち込み今も元気がない。朝に会いに行ったが心ここに在らずで俺とも積極的に会話をしようとしなかった。
───まだ、心の整理ができてなくて…ごめん、リーダー。もう少しだけ…このままにして下さい。
今朝言われた言葉がよぎる。仕方の無い事だ、なんせ師弟関係だったんだ。自分の師匠の訃報が来れば二日三日は落ち込むしな、今はそっとしておいた方が良いだろう。
だが、俺はダメだ。例え戦友が亡くなったとしても…我慢しなければならない。リーダーであるこの俺がしっかりしなければならない。こういう時こそ支えが必要だ。
重い腰を上げて首を鳴らし、佐賀達の容態を確認しに部屋を出た。
(そういや、今日はアイツらが来る日か。今日はもう立ち寄るのは止すか)
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side:智洋
レオンさんの訃報からもう何十時間と経過している。だけど、未だに信じられなかった。あの化け物じみた人がそう簡単に亡くなるなんてあるはずが無い…。はずが無いのに…現実は俺が思ってるよりも酷く残酷だった。
「レオン…さん…」
涙は昨日出し尽くした。今更出る涙なんてない。絞り枯れた声を出すだけで精一杯、もう何も考えたくない、このまま一人で────。
「なに辛気臭い顔してんだよ、智洋。折角来たってのにそんな顔で出迎えられちゃ泣くよ?」
「そうですよ!智洋さん。元気だして下さい」
顔を上げれば二人の男性が心配そうな顔をしつつも明るい表情を作っていた。そうだった、今日は来る日だったな。
「あ…うん。ごめん、ちょっと今は……」
「な、今から少し外行かない?」
「え?」
「気分直しだよ。智洋の今の状態なら外に出ても問題ないみたいだから」
「本来なら僕と二人きりが良かったけどね」
「それは俺もさ。今はお互い様」
「そうだね。不本意だけど今日は我慢」
「あぁ…今日は我慢だな、今日は!」
なんだろ…急に不穏な空気が流れだしてる?あれ。バチバチ視線が鳴ってる。
「なんだい?その強調の部分は?」
「ん?俺は変な事言ってないが?君が言った言葉を復唱しただけだ」
「喧嘩売ってる?」
「君こそ売ってるかな?こんな男は智洋から離れてくれないかな?」
「それはこっちのセリフだ、僕より弱いやつが何言ってんだよ」
「へ、へぇ!?言ったね!言ってはいけない事ついに言ったね!知らねぇよ?!マジ知らねぇよ!?」
「あぁ!良いけどぉ!?」
更に激化して遂には額を互いにぶつけて魔気を解放しそうになったところで俺は慌てて止めに入った。
「ちょ、ちょっと待って!ここはダメ!ここダメ!病院だから!!」
何とか二人を離してダァダァと息を吐きながら一旦落ち着く。何しに来たんだよ一体…喧嘩すんならよそ行けよコラ…!
「いつまでバチバチしてんだよ…分かったから一つだけ言う事聞くから喧嘩やめて…!」
「「わかったやめる」」
お前ら即答すんなよ、下心丸見えだぞこの変態共。あぁ、言わなきゃ良かった…いや言わなかったらもっと悪くなってた…と思う。もう気にしたら負けか。
「…少しは気分治った?」
「え…?」
「馬が合わない僕達だけど、唯一二人で出来る事がこのぐらいだからアレだけど…」
そうなのか…?俺の気分を少しでも和らげる為にわざと…。そっか、二人は俺の事をちゃんと心配してたのか、変な気を使わせて悪かったかな……
「ってなるか。途中本気でやってたろ!!」
「「うぐっ…」」
ほら見ろ!コイツら俺から顔を逸らしやがった!図星だぞ!てめぇら本末転倒してんじゃねぇよ。策士策に溺れんな。
「まぁ、でも…気が楽になったのはホントかな…ありがと!二人とも!」
俺が笑顔でそう告げると、二人は満更でもなさそうな顔を浮かべて「なら良かった」と頷いた。
「実はさ、ここに来た理由は別にあったんだ」
「お見舞いじゃなかったんだ」
「うん。ごめんね、だけど…早く智洋に言いたかった事があるんだ」
病室の窓から風が吹き、俺の髪が少し靡く。瞳孔が開き心臓が高鳴る。それは正しく俺が望んでいた、今最も欲しかった言葉だった。
「まだ憶測だけど…レオンは生きている可能性がある」
雰囲気ぶち壊しの会話です↓
僕「盛り上がる曲ない?」
友「えぇ…ない」
僕「…あっ!いいの思い出した。小さい子なら絶対知ってる曲!」
友「…?アンパンマン?」
僕「それは来てからのお楽しみ」
〜僕の入れた歌の番に〜
「ハッピー!ジャムジャム!いぇーいレッツダンス!」
友「ハッピージャムジャム懐かし!」
僕「これは盛り上がるっしょ!」
的な会話をしてましたね日曜日に。ちなみに点数は80何かでした。




