第86話:動く物語
(* ´ ꒳ `* )
※すみません…木曜日投稿のつもりだったんですが…間違えて水曜日に…。まだ投稿するので…お許しを
side:レオン
歪んだ闘争心を纏わせた一言を発したその時、上空から何かが弾け、地下から何かが砕ける音が響く。
セリカ達が結界を破壊したようだ。後で…褒めてやらねばな…。
「…結界が崩れたか。まぁ、良い良い…どうせここで皆殺しにするからなぁ!!」
「…させんぞ」
「止めれるもんなら止めてみよ!レオン!!」
一歩前に出ると、地面は陥没し、足を起点とした上昇気流が発生して周りに衝撃を与えながら俺から半径ほどの距離まで近づく。易々と俺の守備範囲に忍び込ませるほど俺は優しくはない。
周囲に金色の雷の玉を出現させ、その中に白い稲妻を混入。二つの雷が合わさった事により、玉の中では互いに雷同士が融合し一つの雷として形成された。時間にして一秒にも満たない早業だ。
「…!?」
何かを察した白ずくめは後方に大きく飛び上がり俺との距離…いや、雷との距離を取った。
「ほう?察しがいいな」
「くはは…くはははは!!厄介極まりないなその雷玉!」
よく笑う敵だな…と心で思いつつ脚に力を入れ、地面を一歩踏み込む。すると、身に纏っている電撃が地面に流れ、体に流れる電撃と反発し合い、その反発で応じた衝撃を利用して敵まで一気に駆ける。
(…時間を掛けすぎた。ここで仕留める)
『神速一閃』
何人も見る事が出来ない神の速度で放たれる一撃はどんなものでも破壊することが出来る。例え世界だろうと…。神速の一撃の前ではほぼ全てが紙同然の存在だ。
「かはっ…」
「…」
ふぅ…。と口の中に溜まった空気を小さく吐きながら大剣を背中の鞘に収める。金属の擦れる音とカチンと収まる音が辺りに儚く鳴る。
「やはり…死ぬのはお前たちだ」
後ろで上半身を亡くし、力無く倒れ込む亡骸にそう告げた。だが、俺は振り返って亡骸に掌を向けて呟く。
『雷炎』
掌からバチバチと音を立てて現れた雷が倒れ込んでいる敵に直撃する。死体は燃え盛り塵一つ残さず消え失せた。
これで一安心出来る。何故なら相手は人造人間、その命は不死身と言っても過言ではない。たとえ上半身を亡くしたとしても気を抜いては命取りとなる…だから完全に消し去る必要があった。
死体が有った場所から顔を背け、アイツらの戦況を確認しよとしたその時────。
「役割は終えた。返させてもらう」
突如として空間に亀裂が入り、亀裂から一人の人物が姿を現した。死神を思わせるその見た目と右手に持つ大鎌…そして左手に異空間内で白い稲妻を食らい致命傷を被った白ずくめが掴まれていた。
「…何者だ?」
(この俺が姿を現すまで気付かなかった…だと?)
警戒をしつつ、得体の知れない存在に問う。が…相手は答えず無言を貫く。ただ俺を見つめ、感情の籠っていない瞳で俺を制する。そこから動くな…。と。
本来なら俺に威圧は無意味だが、コイツから発せられる威圧は…どこか異質。この世の存在とはまるで違う…理の外にいる存在の感覚だった。
動けば確実に殺される。息をするのもままならない、呼吸が乱れる、動悸が激しい、冷や汗が止まらない。俺の体が…俺の本能が酷く言っている。…今すぐ逃げろ──────。
「…」
俺も何も発さず…無言で大剣を抜き、思いっきり刃を振り下ろした。金色の雷を纏った神速の一撃に反応すること無く刃が死神の体に触れる…直前に死神が目の前から消えた。
「!?」
「我には通じん。まだ遅いぞ、雷霆」
「っ…」
「程度が知れる」
その言葉と共に俺の体に痛みが走る。視線を落とせば、俺の胸に黒い手の様な物が貫ぬいていた。
「ば…かな…」
「言ったはずだ、程度が知れる。と」
死神…恐ろしく強いな…。




