第83話:真の戦い2
長らくお待たせしました!
side:レオン
「死ぬのは我らだと?寝言は寝て言え、雷帝」
溢れんばかりの瘴気を身に宿し、黒い紋様が更に広がる。時間が経てば経つほど瘴気の力が増すようだ、これ以上は危険…だな。
『じ──』「まぁ待て、死に急ぐな」
空間の裂け目からさっきまで戦馬鹿と呼ばれた者の隣に居た白ずくめが現れ、左掌から黒い光と共に召喚された大鎌を俺の首に薙る。
『縛染』
コンマ一秒にも満たない刹那の世界で最小限の動きだけで避けようとした俺の体に真下から生えた濃い赤紫色の鎖が巻き付き、一切の動きを制限された。
体に変な呪詛が刻まれている、これと反応して鎖が俺に巻きついているのか。…舐められたものだ。
(俺を舐めるな…っ)
『臨界突破───至竜』
白い稲妻が広範囲にわたって放たれ、二対の竜が意志を持ったように二人の敵対者に襲う。
「なに…!無理やり空間にっ!?」
「白い稲妻ははあらゆる属性に対して有利な力を持っている、無意味を痴れ」
空間を無理やりに拡張させ、侵入と同時に敵対者に白い雷を四方八方に飛ばした。あの空間内では白い稲妻で満たされているはずだ。タダでは済まない。下手すれば死んでいる可能性がある。
「よい!良いぞ!我の瘴気に怯まないとは!!」
瘴気と白き稲妻がぶつかり合い、互いに牽制し合っている。…だが、もう終わりだ。
『穿て。至竜』
白き竜が俺の言葉に反応する。轟音が響きバチバチと音を立て、光を放つ。瘴気が徐々に消滅し、白き雷に侵される。
「ゴォォォォ!!」
咆哮を轟かせて光の速度で迫る。
『英雄の一撃』
腰を低くすると、黒い瘴気が右拳に集束し、全てを飲み込むブラックホールの如くその禍々しい闇を正拳突きで放った。
闇と光が大きくぶつかり合い、周囲に爆風を響かせる。傍から見れば均衡しているようにも見えるが…すぐに分かる。
「っ…なんだこれ!何故、我の瘴気が少なくなっている…!?」
そうだ、こいつの纏う瘴気が減っている。少しづつ…着実に。白き稲妻の特性はあらゆる属性に大して有利な力を持っている、だが…正確にはあらゆる属性を消滅させる力を持っているが正しい。そして、その特性ゆえに扱いが難しく複雑だ。
「そうか…そうなのかっ!!お前もか…お前もその雷を扱う時は他の雷は扱えんのだなっ!!」
そう言いながら白い稲妻を弾き飛ばし、霧散させた。バレたようだが、そんな事はどうでもいい。どうせ奴だけだ、簡単に対処が可能だ。
すぐにもう一体白い稲妻で竜を作ったが久々に白い稲妻を使ったせいか弱いな。別にいいか…それに…奴は一つ勘違いをしている。
「一つ。…貴様は思い違いをしている…」
「なに?」
「確かに…白い稲妻の発動中は他の雷が扱えん…だが、それは属性に限った話だ。属性に組みされていない理の外の雷を使えばいい」
「は…?」
『雷霆』
右手に持つ大剣から金色の雷が迸り、包み込まれる。完全に雷と化した大剣の柄を強く握り天に掲げる。体は更に透き通り纏う電撃が激化する。
『竜天に登る』
雷霆が音を立て、けたたましく動く。体中に金色の雷が走り天まで貫いた。…その直後に雷霆を縦に振るう。
「な……ぜ…」
右肩から右脚に向けて真っ二つに裂かれている。だが、不思議なことに血が滲み出てる所か一滴も出血していない…。
「人造人間…か…」
俺の呟きが聞こえたのか、不気味な笑みを浮かべ射抜いた。
「…くは…くははは!!バレたか!」
身が裂かれた状態で大袈裟に笑い、痛みをものともしないその姿に狂気を感じる。
「さぁ!早く続きをやるぞ!レオン!」
そう言った瞬間だった。何かが砕けた音と弾ける音が響いてきたのは…。
僕「青春したい」
友「過去に戻りたいね」
僕「戻れるなら何する?」
友「…預言者になって有名になる」
僕「僕は青春を謳歌したいな…」
友「人それぞれ後悔を抱えて生きていくもんだよ」
僕「そうだねぇ…」
まだ若い筈なんですけどね…




