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第79話:壁の破壊

ほぼ最終局面です。

side:???


ほどけ落ちたように泣き出した三人を撫で続け、数分程で泣き止んだ佐賀が一歩下がって涙を拭いた。


「ごめん、もう大丈夫」


「気にするな」


これはリーダーとしての責務なんだ。受け止めなくてはならない、だからこそ俺は今度こそリーダーらしく振る舞う。


「…すみません、私も…」


「っ…私もです…」


顔がリンゴのように赤く染った二人も一歩下がってその場でしゃがみ込んでしまった。湯気が立ち上ってるのは気のせいか?…気のせいということにしておこう。


「それでさ、リーダー。帰り方…分かるのか?」


「……」


え…っと待て。わからんぞ全く。帰るとか言っておきながら帰り方がわかんねぇとか本末転倒じゃねぇか。あほか。


「…はぁ…そういう所は抜けてんな相変わらず」


そう言いながら四人は笑い、俺も釣られて笑った。不甲斐なさから来る笑いなのに、居心地がいい。ここなら、俺も…。


途中まで出かけた考えを直ぐに改めて、帰り方について考えた。


(っ…何言ってんだ俺は、くそ、帰り方がわかんねぇんじゃ…どうやって……)


焦燥感に駆られそうになった時、頭に()()()()()()()


…ここから北に進め。この世界の終わりが見える。それを破壊すれば帰れる。


さっきまで分からなかったのに、元に帰る方法が自然と頭に浮かんだ。いや、違う…自然と浮かんだんじゃねぇ…馬鹿野郎。


「お前ら…」


「早く帰ってやれよ。待ってんだろ?()()が」


「あぁ…ありがとう」


俺はそのまま後ろを振り向かず、北を全力疾走した。アイツらとの日常は俺の中でとっくに宝物と化している、死んでも色褪せる事の無い、俺の宝だ。


--------

side:佐賀


一瞬で豆粒程度になったリーダーの背中を無言で見つめ、自然と零れる言葉に驚いた。


「行っちゃったね」


それはいつもの俺。さっきまで乱れていた俺じゃない、心が凪のように静かだった。


そっか、もう平気なのか…。と自分の心に驚いた。でも、これでいい。これが俺なんだから。


「さぁ、家に帰るぞ。最後の時まで…アイツと暮らした場所に」


いつもの声色、いつものトーン。だけど、顔はいつもより悲しげに泣いている。これぐらいは許してほしい。


「はい」「おう」「うん」


三人は静かに頷くと、俺と共に歩みを進めた。


-------

side:???


かれこれ5分ぐらいは進んでるんだが、一向に着かねぇ。もっと速度を上げるか。


『身体強化───!』


足がバネのように力強く飛ぶ。景色が凄い勢いで移り変わる。こんな森で全力疾走したら色々と危険なんだが…俺は慣れてるから上手く避けれる。


それから2〜3分ぐらいした時、目の前の景色に違和感を覚え、急停止した。


(なんだ?これは…)


違和感を感じる場所まで歩いて行き、手を伸ばす。すると、()()()()があった。


(結界…!?…これを破壊するのか)


普通に生きていれば辿り着かない場所なんだろう、依頼で迷宮都市に行っても壁のようなものがなかった。どんなに遠い場所に行っても多分…見つからなかったばだ。この空間がなければ結界を破壊することが出来なかったかもしれねぇ。


あいつにとって不測の事態だろう、()()()()()()()()


連撃墜死(クロスデモリッシュ)


二対の剣を両手で握り、結界に向けてクロスの斬撃を放つ。結界にクロス状の亀裂が入る…が瞬時に修復された。


修復速度が馬鹿みたいに速い。しかも、その奥にまだ何かがあった。二つの壁を壊さない限り外には出れないって感じか…こりゃ一筋縄じゃいかねぇな。


刹那の間にこの結界を切り刻む。


一瀉千里(いっしゃせんり)──乱撃』


無数の斬撃が視界を埋め尽くす程、結界を切り刻み、それが一つの大きな亀裂となった。


(今っ!!)


結界の外に飛び込んだその時、瞬時に修復された結界に衝突して意識が朧気になる。


(う…そだろ…なんで)


ここで一つの可能性が浮かんだ。もしかして…奥にある結界諸共破壊しなければならないんじゃ…。


もしそうならこれは骨が折れる。一瀉千里を食らっても奥の結界はビクともしていない感じだった。身体強化で威力も上がってんのに…。めんどくせぇなぁ


こうなりゃ…本気で壊す。


『神化解放───全てを焼き尽くす(レーヴァ)破滅の剣(テイン)


『───地獄嵐閃(ゲヘナスウィフト)


獄炎を纏った斬撃が吹き荒れる嵐の如く結界を切り刻んだ。


(結界の修復が…さっきよりも早くなってやがるっ!)


いくら俺と言えどこれを長くは続けられない、くそ!俺は帰らなきゃなんねぇのに!!



──俺らも手伝う。



どこからかそんな声が聞こえてきた。それと同時に自分の力が湧き上がってくる。見覚えのある感覚に戸惑いが現れる。


このバフは…。



「いつまで惚けてんだよ、殺るぞ」


佐賀の声が真後ろから聞こえた瞬間、その隣で技に当たらない様立ち回りながら技を放っている他三人の姿が目に入った。


なんで…ここに?


「虫の知らせってやつだ。仲間だろ。頼れよ」


「そうですよっ!遠慮なく頼ってください!」


「そうだぜ!水くせぇ!!」


「そーですよ!!リーダー!私たちはチームなんだから!」


揺らぐことのない確かな意志。どこまでお人好しなんだよおまえらは、この馬鹿野郎ども…。


「合わせるぞ!!」


「「「「あぁ!!」」」」


一度放っていた技を中断し、一呼吸置いて放った。


『大炎斬──獄炎傷(フルブレイズ)!!』


視界の限りを埋める巨大な斬撃が。


竜閃咆哮砲(ドラゴンブレス)!』


地形を変える咆哮が。


閃皇戦斧(デバステイション)!』


山や海を分断する究極の一撃が。


天滅ノ轟(てんめつのとどろき)!』


存在を消し去る破滅の攻撃が。


『階位解放──弎・消滅剣(エタンドル)!』


万物を消滅させる最強の一撃が。


それぞれ同じ方向に向けて放たれた。結界にヒビが入り突破される。修復をする暇がない速度に加え、()()()()も消し去る一撃が第二の結界諸共吹っ飛ばした。

どういう結末になるかな…

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