第74話:数々のピース4
(*´・ω・`)=3
side:???
「グラァァァ!!」
禍々しい闇のオーラを纏った巨体が刹那の如く迫る。
「峰屋!」
「はい!!」
『守護防壁結界!!』
峰屋の張った結界が俺の前に現れ、蛇の衝突を防ぐ。だが…後数秒も持たないだろう。結界が音を上げている。
「ナイスリーダー!」
佐賀が蛇の背後に回り、構えを取った。
『剛喰裂傷!!』
と同時期に。
『水面破斬!』
智洋と佐賀の技が合わさり低級の魔物なら一撃で消せる威力を誇っている。だが相手は魔王種。
「グァァ!」
多少はダメージ通った様だが致命的にはなってない。
ダメージを受けて苛立っているのか尻尾を左右に振り、佐賀と智洋を襲う。
「くっ…!」
「速い!」
『重壊遜屍會』
蛇の真上から菊池が右手に持った片手斧を振り下ろす。
「グルァァ!」
「させねーよ」
両手に持つ剣をクロスして蛇の腹に切り刻む。
「グァァっ!!」
叫び声が聞こえたと同時に菊池の一撃が蛇の頭に直撃した。
「っ…グルゥ!」
「縛ります!!」
峰屋が両手を前に出すと、地面から紫色の魔法陣が蛇を囲む様に現れる。
『呪体束縛』
黒い鎖が蛇を縛り、行動の自由を一時的に縛った。
「グゥルルル…グラァ!!」
暴れ狂い、鎖を解こうと必死に動くがビクともしていない。対象の魔力を吸って随時鎖は強化される為、術者が弱くても格上を縛る事が出来るが…術者も魔力を常に消費するから長くは発動できない欠点がある。
何故ここまで俺は魔法に詳しいんだろうか…。いや、今は目の前に集中しろ!
「今の内に畳み掛けるぞ!!」
『神化解放───全てを焼き尽くす破滅の剣──獄炎傷!』
破滅をもたらす炎が。
『斧殺し!』
山を割る一撃が。
「竜閃咆哮砲!」
海を消し去る竜の咆哮が。
『四天槍輝』
四つの天候を表す煌めく槍が。
『階位解放──弌 消滅剣!』
星をも消す可能性を秘めた斬撃が。
蒼牙の必殺が刹那の速度で鮮血の猛毒蛇を包み、等々力渓谷が光に飲み込まれる。
光が収まり蛇のシルエット…いや、上半身が消えた鮮血の猛毒蛇が力無く地面に倒れ込んでいる。
「意外にあっさり行けたな」
「まさか倒せるなんてな(笑)」
「う、うん…すごいですね…なんだか実感が湧かない…!」
「…」
三者三様の反応を見せる仲間に和んでいる場合じゃない。周りを見渡せば半径数メートルは更地になってるし、蛇の居るところは大きなクレーターが出来ていた。やばい、やりすぎたかもしれねぇ。
「あの…今更ですけどこれどうなるの?」
智洋が蛇に指をさして佐賀に訊く。
「まぁ…この、亡骸を見せれば…何とかなるんじゃね?」
「そりゃあ魔王種だしなぁ!」
「いえ…あの、実に言い難いんですが…」
峰屋が言いにくそうに言葉がごもる。しかも顔は青ざめ、俺の方をチラチラと見てくる。
「なんだ?どうした?」
「そ、その〜…実はさっき気づいたんですが…これ魔王種じゃないです…」
その瞬間、尻の穴がきゅっと締め付けられた。
「ど、どどういうことだよ!?ありゃ魔王種じゃねぇのかァ!?」
「え…えぇ…」
「は、ちょ…どゆこと?」
「あ、はい…魔王種にはなんであれ"覇気"と呼ばれる気を使うんです。これは魔王種にしか使えない力なんでそこで区別する事も出来るんですが、もっと簡単に区別する方法があって…それが…」
「…強さか?」
「はい…最初は魔王種と思ってたんですが徐々に違和感を感じて…鑑定したんです…そしたら、魔王種ではなく準魔王種でした」
「準魔王種…?なんだ?そりゃ」
「準魔王種とは魔王種になる前の…言わば繭の状態です」
「…それって一応魔王種って判定にならない?」
「無理ですね。準魔王種と魔王種とでは強さの桁が違違いますし存在の格も違います」
一気にテンションの下がる音が聞こえた気がする。無理もないか、魔王種と思って戦い勝利したのに蓋を開けてみたら準の方って。そりゃあ萎えるわ。
と、言いたいところだが。
「あのな。俺たちは準魔王種と言う厄災の元を事前に排除したんだぞ?これは誇るべきだ、強敵とは言い難かったがそれでも準魔王種って付く魔物を倒したんだ、そこまで萎える必要はないだろ?」
確かに…。とみんな納得してくれたようだ。
「じゃ、これ解体してギルドに運ぶか…」
「りょ…」「分かりました」「はい」「おう」
この後怒られるのが分かっててする作業程やる気が起きないものは無いな。
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あれから数十分ほど解体作業を行い、他に残っている蛇共を殲滅or解体の繰り返しをする事三時間。やっと終わった。
「峰屋。合計何体だった?」
「はい。通常種が21体で変異種が1体。計22体です」
「わかった。車に向かうぞ」
それから数分で車の元まで着き、ギルドへ直行した。
〜数十分後〜
ギルドに着くと、運転をしていた佐賀以外は降りてギルドの中に入る。佐賀は車を家に置いてく為そのまま一旦家に帰った。
「ギルマスに伝えたいことがある。今すぐ呼んでくれ!」
扉を開けるやいなや、受け付け嬢に聞こえるように伝える。
「え?あ、はい!少々お待ちを!!」
慌ただしく奥の方に行くと、直ぐに帰ってきた。
「もうしばらくお待ちください!すぐ来るとのことで──「よぅ!急いで来たぞ」」
急に目の前に現れたハゲのおっさん。ここのギルドマスターにして元Sランク冒険者だ。実力は全盛期と比べたら弱くなってるらしいがそれでも貫禄はある人だ。
「ぎ、ギルマスいつの間に…!?」
「ナイスだ。今すぐ言いたいことがある。ここじゃ話せねぇ」
それを聞くと重要な事だと察したらしくさっきまで笑っていたが真剣な表情に変わる。
「…わかった。着いてこい」
言われるがままにギルマスの後ろに付いて行った。
次回。お楽しみに




