第70話:祝、蒼牙
カラオケ行きたいですね。僕は因みにカラオケに行くと五等分の歌を必ず歌います。
side:???
「よし。そんじゃ、峰屋と菊池との出会いに乾杯!!」
「「「「乾杯!!」」」」
グラスを掲げ、俺と菊池が一気に飲み干す。
「ほぅ?最初の一杯は飲み干す派か?」
「へぇ?あんたもか」
「おっと、言うの忘れていたが俺の事はリーダーと呼んでくれ」
「お?わかったぜ、リーダー」
「分かりました。リーダー」
佐賀と智洋にも自己紹介しろよと目配せをする。
「はいはいー!俺の名前は佐賀颯太!格闘家やってまーす!ちな、リーダーの右腕だからそこんとこよろしく!」
いつも以上に呑気な口調と合わさった声で言うと、次は智洋が恥ずかしそう?に手をモジモジしながら消え入りそうな声で口を開く。
「わ…私、は木崎智洋です…一応英雄です…よ、よろしくお願いしゅましゅ!」
緊張してるのかやけに噛み噛みだな。つぅか、なんだその小動物感ある口調は。ったく、しゃあねぇな。
「ああ見えて強いぞ?レベルさえ上がれば文句ナシだな」
俺のつけ加えが幸をなした…訳じゃないが峰屋が瞳をキラキラさせながら智洋に近づき…抱きついた。
「可愛いぃ!!何この子可愛すぎるぅ!!やばぁーい!かわいいよぉかわいい!!」
理性という名の防波堤が崩れ去ったか。おかしいな、さっきまで理知的な奴だったんだが…酒を飲むと人が変わるのか。
「え、え、あのぉ…愛奈さぁ〜ん!やめてぇー」
「やだぁぁ〜!可愛いもん!私のだもん!お持ち帰りだもん!!」
智洋に頬に頬擦りしながら訴える。おいこら、やめろ。なにサービスしてんだよ。てめぇら周りも見てんじゃねぇよシバくぞ。…と心の中で言っておく。
「…おい、菊池。中々個性的過ぎねぇか?」
前に座る菊池をニヤケながら見る。
「…魔性の女だな。えらくべっぴんさんじゃねぇか!」
お前もか。いや…まぁ、確かにあの智洋は……。っと、危ねぇ危ねぇ変な思考になる所だった。
「店員ー、ビール二つくれー」
「はーい!」
ほう、中々早い。酔ったことがないが菊池なら俺の相手ができるかもしれねぇな。←酒豪の称号を持ってる。
「…良いな。俺にも頬擦りしてくれね?」
「嫌ですキモイです死んでください、セクハラで訴えますよ?」
佐賀の一言で一瞬にして真顔に変わり、えげつない罵倒を浴びさられ、佐賀は干からびた魚のように死んでいた。特に最後の訴えますよ?で死んだな。佐賀のライフはもうゼロじゃねぇか。
「ごほっ…ご、ごめんなさい…」
「ふふんっ…」
再び智洋にくっ付いて離れない。その絵面は色々とご褒美なんだろうがそれ以上はやばいだろ。離すか。
「ったく、お前らくっつきすぎだし。一旦離れろ場所を考えろ馬鹿野郎」
ヤダヤダと駄々をこねる峰屋を引き離す。
「あぅ…」
「あぁ〜!私の天使がぁ〜…」
家に帰ったら存分に抱きつけばいいだろ?と峰屋の耳元で囁くと分かりやすく元気になって席に着いた。
(単純か!)
なんだか心配だなこいつの将来。まぁ、酒さえ飲まなければ大丈夫っぽいからいいか。
「所で、そこの嬢ちゃん」
「は、はい?」
「さっき英雄とか言ってたがマジか?」
「?はい。そーですね」
「ほう…やるじゃねぇか。こりゃあ将来有望だな」
「えへへ…ありがとう」
おい。待てなんだその笑顔は。俺には見せたことない顔だぞ。…?なんで今急にこんなこと思ったんだ?…まぁ、いいか。それより。
「峰屋、こんな早めに酔って大丈夫なのか?まだ昼だぞ?夜まで何時間もあるが」
「へへ〜心配しなくて大丈夫ですよ〜、回復魔法が使えるので解毒出来ます〜」
とは言うものの、べろんべろんだった。峰屋は意外に酒に弱いらしい。
「ほう…回復魔法を扱えるのは凄いな。俺は適性がなかったから無理だったな」
「使えると言ってもレベルが低いのでまだまだですけどね(笑)」
「まぁ、俺は回復魔法が使えない代わり何故か聖魔法の適性があったが」
「えぇ!?回復魔法より貴重じゃないですか…私より全然凄いですよ!どこまで行ったんですか!?」
身を乗り出し、輝く瞳で俺に迫る。さすが魔法使い、その探究心は素晴らしいものだ。
「俺とて使う機会があまりないから把握はしてねぇが…解呪で並の術士が扱う呪いを浄化することしか出来ねぇぞ?」
「いやそれ凄いから」
「チートだチート!」
「リーダー不正はダメですよ!」
「そうだそうだ!この主人公補正横取り野郎!なんで解呪だけでそこまで行ってんだよ!」
いや知らねぇよ。怒られ方理不尽だろ。
「どうせ解呪しか使わなかったせいでそうなってんだろ?」
多分な。つか、そもそも解呪自体も使う機会ないんだけどな。効力については理由は俺にもわからん、いつの間にか解呪の効力だけが上がっていた。
「ま、どっちにしろ聖魔法なんぞ使う機会は滅多いねぇから持っててもあんま意味は無い。回復魔法の方が需要があって羨ましいけどな?」
髪の毛ほどの尊敬の念を込めて峰屋を見める。
「えへへー私が唯一自慢できるのが回復魔法ですから!」
「何言ってんだ?二重行使もあるだろ?」
「アレは鍛えれば誰でもできますし自慢にはなりません」
面接の時、切り札的な感じで言ってきたじゃねぇか。アレ自慢じゃないのか。
「お前自慢気味に言ってたじゃん」
菊池のそんな空気の読めない一言が聞こえるが、まるでそよ風程度にしか思ってないんじゃと疑うレベルの聞き流しをして違う話題を引っ張ってきた。
「所で、佐賀さんって好きな人居るんですかー?」
いたずらっ子の様な笑みを浮かべて問いただす。だが…相手は佐賀だ、そんな恋愛脳は生憎持ち合わせていない。
「あー居ないね。今の所は」
案の定だった。いや…なんか、当たってごめん。
「…つまんないですね」
「黙らっしゃい」
「じゃあ、リーダーは?」
「俺か…」
顎に手を当てて考えるが、やはり俺は恋愛とは疎遠みたいだ。俺にはわからん感覚だ。…わからん感覚なんだが…何故か智洋を見てると変な気分になる。今まで感じたことの無い、幸せな気持ちと言うべき何かが。
「………俺はないな」
だがしかし俺は言わない。これが何か知らんし言ったところでめんどくさいのは目に見えている。
「なんですかその間。心当たりあるんですか?」
「なに?」
「ほほう?」
「え!そうなんでふか!?」
近い、てめぇら近いから。そんなに身を乗り出すな、俺に近づくな。佐賀、お前息くせぇよ。
「ねぇから、一旦離れろ馬鹿野郎。ったく…」
「ちぇっ」
「つまんないですよリーダー」
「ホントだぜ」
「いつか教えろよ?」
まったく、好き勝手言いやがって。
呆れながらも俺はこの時間が心地よく、久々に感じるこの空間に幸福と言うアルコールで酔っていた。
次回〜♪お楽しみ。




