第69話:歯車が動き出す
※話数が1話飛んでいたので訂正しました。
σ(-ω-*)フム
side:???
ギルドに到着し、依頼達成の報告を受付嬢に伝え報酬を受け取る。今回の報酬はAランクにしては比較的安めの300万だったが、これとは別の追加報酬が貰える為良い方だな。
「流石ですね。三時間足らずで達成って中々ないですよ」
「そうか?普通だと思うが」
「それを言えるのは貴方ぐらいですよ」
「ま、俺は戦いしかできないからそこを伸ばさねぇと。この程度では満足してねぇぜ?」
「ふふ、貴方らしい」
小さく微笑みながら俺を見つめる。相変わらず愛嬌のある笑顔だ、これが俺じゃなかったら猛アタックしている所だぞ。
「あぁ、んじゃあ今から面接してくるわ」
「はい、お気を付けて。また来てくださいね!」
「おう」
踵を返して佐賀がいる方向に向かう。報酬は自動でお金が銀行に振り込まれるから追加報酬のアイテムが入った縮小箱をマジックパックに入れているから安心だ。
※縮小箱とはマジックパックと同様に中は異空間になっており物を詰め込むと箱が縮み、ミニチュアサイズに変わる。大体10cmぐらいで内容量は30Lが平均。
そんな説明らしい説明をしつつ、ギルドの二階にあるカフェテリアに寄ると、佐賀達が席で雑談しているのが目に入る。
「待たせた」
「おー、やっと来たか」
「お疲れ様です」
佐賀の隣に座り、二人の応募者が来る時間まで待つ。それから数分後…適当に珈琲を啜ってると二人の人物がこっちに近づいてくる気配を感じとった。なるほど、中々強いな。纏っているオーラが他の奴らより…下手すれば佐賀と同等だぞ。
先にどんな奴か見るか。と思い近づく人物に視線を移す。
「…っ!?」
「ど、どした?」
「…どうなさいました?」
二人の視線が俺に集まり、智洋に関しては少し前のめりになってこちらを心配そうに見ていた。
「い、いや何でもない。誤嚥しただけだ」
(なんだ、これは。また…この苦しみが?っ…どうなってる)
徐々に何かが解け落ちる感覚。例えるならば膨大なパズルのピースが少しづつ嵌められていく感じ…。だがそれでも分からない、この感覚が。なんなんだ一体…?
本当は考えたいが、直ぐにその思考を辞めた。二人がもうすぐそこに来ていたからだ。
「初めまして。今回応募させて頂いた峰屋愛奈です、よろしくお願い致します」
「同じく応募させて貰った菊池雅人だ。よろしく頼んだ」
綺麗にお辞儀をしている隣で堂々とした風格で佇んでいる。やはり、こいつは歴戦の戦士と言った感じだった。
「あぁ、よろしく頼んだ。あぁそうだ智洋、俺の隣に来い」
「え!?いや…私、そ、そんな…っ」
赤らめた顔を隠す様に両手で頬を覆う。明らかに動揺してる。なぜそんな反応する、違うわ馬鹿野郎。
「そこは二人が座るんだよ」
「あ…はい…」
ですよね…。と聞こえるか聞こえないかな瀬戸際な声で呟き、俺の隣に座る。なんだか残念そうな顔だがどうした?…と聞こうと思ったがやっぱ辞めとおこう。
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「さて…面接と言っても問いを二つ答えてくれればいい」
俺が前置きを話、本題に移る。
「何が出来る?君らの力で、どんな利益をもたらしてくれる?」
応募は名前さえ記入すれば誰だも出来るから先に職業を聞きたいが…この二人は合格だ。力量に関しても佐賀と同等クラスなら問う必要もない。が、自分の力をどれだけ把握してるか、どれだけ自己PRできるかを試すためにあの問いかけをした。
「私から宜しいでしょうか?」
峰屋が右手を少しだけ上げる。
「あぁ」
「私の主な力は補助と援護。補助系統の魔法は大体使えます。攻撃魔法に関しても火、水、氷、闇、土、風の最高位を取得してますね。それに…私は二重行使が出来ます」
なるほどな。最低限の情報だけだったが…これは凄い。二重行使をできるとは流石に驚いた。二重行使は一度に二つの作業を可能にする高等技術で、これを扱えれば一流の魔法使いと言っても過言じゃない。
「ほぅ…では次」
他に質問したいことがあるが、何故だろうか…聞かなくても分かっている?…まぁいい。隣の男はどんな事を言ってくれる?楽しみだな。
期待をしつつ、隣に目線を移した。
「俺はそこまで魔法は得意じゃないが、戦士としては一級品だと自負している。基本的には片手斧を主要武器として使って、戦闘能力も多数取得しているぜ、防御力はそこそこだが回避型タンクとしても俺は使える」
ふむ。これを聞いた限りでは別にだな。このぐらいではそこら辺の奴と大差ない。
「だが、一応これは言っておく。俺は天才の称号を持ってる。すぐ順応するぜ?」
それを聞いて俺は口角を上げて笑を零した。
「ふはっ、面白い。本当はあと一つあったが気に入った。二人とも採用だ」
菊池と峰屋はどこかキョトンとしていたが、智洋達が二人におめでとうと祝福の言葉を投げると、やっと情報処理が終わったのか嬉しそうにお礼を言っていた。
(俺らの自己紹介は今言おうか…いや、ここは新メン加入記念としてどっかの店で祝うか)
「さて、今日は目出度い新メン加入の日だ──いつもの店でどんちゃん騒ぎするぞ!」
「おう!」 「うん!」「お、おうよ?」「はい…?」
席を立ち、大きな声で言うとそれに乗っかる様に四人も席を立ち応える。若干二名はノリがよく分かってないから疑問形だったが。
(自己紹介はあの店でやればいいか)
胸を躍らせながら一階へ降り、ギルドを出て、そのままお馴染みの店である居酒屋に突撃した。
長い長い道のりですね。




