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第65話:それは幻かはたまた過去か

あと数話は続きますねこれ。

side:菊池


「が…っ!!」


(なんだこりゃっ!?っ…痛てぇ…っ)


思いっきり胸を貫かれてるせいで、下手に動けない。血も大量に減ってるし、兎に角痛みが尋常じゃない…胸を中心に鉄板で焼かれながら電気の通ったバットでぶん殴られる感覚に近い。いや知らねぇけど。


「図に乗った罰だ。さぁて…終盤と行こう」


わざとらしく両手を広げて、告げる。そして、片膝をついている俺に徐々に近づくと…


終穿豪風震(フォールン)!』


背後から束になった豪風が触手野郎に放たれ、それに気がついた触手野郎がまた詠唱を始めた。


創造(アルケミスト)神聖剣(ルーンソドム)空虚(ヴェイン)


変色した右手が光を放ち、光を放ったまま束になった風を両断した。見た目はただ掌が発光しているだけにしか見えねぇのに…一体なんなんだ?


「キミ邪魔」


そう言って左手を口の前に移し、口笛を吹く。


『呪王の笛──魔力崩壊(マジックカラプス)


聴く人を魅了する程、口笛とは思えない技量の音が奏でられる。だが…俺は…いや()()()()()()()()()()()()


--------------------

side:???


触手馬鹿の口笛を聴いた瞬間、俺達三人は地面に力無く落ちた。


「っ…!?」


「んだっ…これ!」


「っ!!」


(あの野郎っ!俺たちの全魔力を消しやがったな…)


魔力を消す能力(スキル)や魔法は聞いた事あるが…まさかこの目で見れるとは思わなかったな。…って違ぇよ。


クソ、体に全く力が入らねぇ。だんだん力が戻ってきてはいるが生まれたての子鹿みたく、ガクブルでしか立てないだろう。


「おいおい、これからやろうと思ったのによォ〜」


空から白ずくめが降りて、ダルそうに文句を言う。


「ごめんごめん、でも、もう終盤だよ」


白ずくめが隣に来たタイミングで触手馬鹿が光る右手を天に掲げる。


原子崩壊(アトムディケイ)───黒霊(イレギュラー)


その瞬間。()()()()()()()()()。いや、夜になったわけじゃない、この空間が崩壊し時空が歪んだせいだ。その影響でこの空間内では超重力が生まれ反発し合い、俺たちを苦しめる。


「っっ!!」


息することすらままならない。俺でこれなら他の奴らはもっとやべぇはず…。下手すればもう…死んでいるかもしれねぇ…と最悪な想像をしてしまう。だが、そんな考えを止めさせるように終わりの声が響く。


「終わりだ───」


左手を高く掲げ、指を鳴らす。


『───夢幻ノ彼方(パーフェクト)


パチンと耳に聴こえた時…空間が轟音を立てて破裂した──。


-------------


どこだ?ここは…?どうなった?俺達は…?周りを確認したいのに、なにも聴こえない、なにも見えない、体の感覚がない。あぁ…そうか…もしやここは──


「おーい、目を覚ませって」


ふと、誰かの声で意識が覚醒する。目を開ければ俺が寝ているベッドの横で座りながら呆れ顔をしている()()()()()


「……?」


「どうした?」


「いや…佐賀。お前いつから口調元に戻ったんだ?」


いつもなら起きてくださいっす!とかカタコトの敬語を使うのに何故か今日は違った。


俺がそんなに問いかけをすると、不思議そうに首を傾げる。


「は?何言ってんだよ(笑)、俺は元々この口調しかないよ?」


頭ボケすぎだろ。と笑いながら言う。あれ?そうだったか?…そんなはずは…ああ、クソ。なんだか頭が冴えねぇな。寝ぼけてんだなきっと。


「悪いな。んで…今日は何の用だ?」


「おいおい…今日から俺らはチームになるんだよ。忘れたのか?」


「は?何を言ってる?俺達はもうチームだったろ?」


「あのなぁ…寝ぼけてんの?俺らはまだチームを組んでなければ俺ら二人はソロだったろ今まで」


今日おかしいぞ?と心配そうに俺の体を見つめる。確か…俺は、チームをもう組んでて、それで…あれ?記憶が…出てこない。


「それってさ、もしかしたら夢の中の話なんじゃないのか?」


目覚めたばかりの脳をフル回転させている途中で佐賀が告げる。


「え?」


「偶に現実と夢の区別がつかなくなる時があるらしくて、多分それになってんだよきっと」


そう言ってベッドから立ち上がり俺の方を見つめ直す。


「まぁ、すぐ下に降りて来いよ。今日は色々忙しいから」


そう言い残すと、扉に手をかけ部屋を出ていった。俺は未だベッドから降りず、さっきから感じる違和感に悩む。


(本当に俺が言った事は夢の中の出来事なのか?…くそ、断片的な記憶しかねぇ…)


ここから数十秒程考えていたが、答えは出ず思考をやめた。


(佐賀の言う通り夢だったんだろう。気にする事はないな)


そう結論づけて、部屋の扉に手をかけて佐賀のいる所に向かう。

一応、ここからどう行くかもう決まってる為、もう2話ぐらいはすぐ書けそう

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