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第63話:勝つか負けるか。それだけ

誤字脱字報告ほんとーにありがとうございます!!もういっその事開き直って、これからも見つけ次第よろしくお願いします…


※三日連続で投稿します。


side:佐賀


「はぁ…アイツの策に乗るのは癪に障るけど、いいよ。僕は君たちを殴り殺してあっちに行くから」


黒く変色し、赤い紋様が刻まれた右腕を上に掲げる。すると、太陽の如く燃え盛る火の玉が現れ、それを右腕に纏わせた。


「あの炎みたいな力は無いけど、僕の()()()()()()()()()()。あらゆるものを燃やす」


サファイアの瞳が強く俺たちを射抜き、金の短い髪を風に靡かせながら告げる。


「雅人さん。俺が隙を作るっす、愛奈さんは…」


「大丈夫です」


言葉の続きを言う前に愛奈さんが言う。そして、その直後に愛奈さんが囁くと体にバフが掛かる。


(火炎耐性に物理耐性…他に四つ。完璧っす)


「では、行くっす!」


「おう!」


俺たちは多く語らない。なぜなら気持ちは通じているからだ。だが…その行為が、その当たり前だった事がさっきのリーダーに繋がってしまった。


(これは仲間として恥ずべき事。俺はもう同じミスを冒さない)


そんな想いを秘めながら、駆ける最中に拳を握りしめる。そして、呟く。


拳聖(ヘラクレス)───発動』


俺の持つ最強の能力にして、傲慢な力。


「はァァ!」


青いオーラを身に纏い、俺という存在を高める。強化系の能力(スキル)としては最上級のランクに位置付けされる貴重な能力(スキル)。ただ、それはメリットしか視野に入れてなければの話。デメリットを言えばこの力は…主人に歯向かう。


「ッ!!…相変わらず反動すごっ」


反動…。いや、正確に言い換えれば拒絶が正しい。この能力は俺という存在を完全に認めていなければ本来の力を出せずにいる。俺の今の実力じゃあ拳聖(ヘラクレス)は宝の持ち腐れだ。と、そんな事を思いながら、触手野郎に向けて技を使う。


『星突き!』


瞳を光らせ、オーラが昂る。その直後に無音の衝撃波が音の速さで迫る。


『爆炎』


纏わる炎がけたたましい音を立てながら強く燃え盛ると、その拳を素早く前に突き出す。次の瞬間、無音の衝撃波とぶつかり爆発が起こった。が、その背後で雅人さんが左手で持った片手斧の刃を横にして、切る構えをしていた。


剛強無双(ごうきょうむそう)!』


ふた周り程膨れ上がった筋肉から振り下ろされる一撃は、神すらも砕くとされる最高の一撃。


と、言われていたが…


「ふぅん、そんだけ?」


燃え盛る右手を背中越しで斧の刃を受け止めていた。


「っ!?」


「はっ」


右手に力を入れると、炎が燃え盛り刃を徐々に溶かす。


「っ!!離せ!」


その場でほんの少しだけ屈み、蹴りを入れるも触手野郎は刃を一旦離して半歩下がり回転した後、雅人さんの顔面に蹴りを入れる。


「くっ!!」


何とか腕を顔の前に置いて防ぐが、威力が高く、数メートル程宙に浮く。そして、更に追い討ちをかけるように右拳を雅人さんに放つ。


が…。


相互交換(エクスチェンジ)!』


その声が響いて来た瞬間、俺と雅人さんの位置が変わる。俺はこれを予測していたから予め技を発動していた。


反面水鏡(はんめんすいきょう)!!』


両手を前に出すと、燃える右拳が当たった直後に衝撃の方向が触手野郎に跳ね返る。


反面水鏡(はんめんすいきょう)は自分に向けて放たれたものを跳ね返す単純な技だ。とは言え、智さんが使っていた反射技と比べるとなぜだか分からないけど劣る気がする。なぜだか知らないけど…。


「痛いねぇ!!」


「こっちも辛いんすよ!このチビ!!」


「んだとコラァァ!!」


触手野郎が右腕を俺の方に向けると…掌から黒い炎がチラつく。がそれを阻止するように声が聞こえてくる。


自然異常洪毒息(アンチニール)!』


薄い紫と緑を混ぜた不気味な色を持つ、猛毒の煙が触手野郎を瞬時に包み込む。だがまだまだ終わらない


状態突破ステイトブレイク──禁天禁傷(フェータル)


ステイトブレイクは自身に付与された効果のあるバフやデバフを無効化する技で、フェータルは例え状態異常無効化のバフだろうと貫通する致死的な状態異常を付与する、化け物じみた技。


(触手野郎がどんなバフを自身に付与していたとしてもステイトブレイクで無効化され、フェータルで体を侵されていく…と)


アンチニールはステイトブレイクを使う為の時間稼ぎ程度に使ってるけど…一応高位魔法だよアレ。流石にあの化け物と言えどこれを食らえばひとたまりもない。ってタカをくくっていると雅人さんの顔が険しくなる。


「…こんなけやってもダメって本当にバケモンだな」


は…?マジすか?え、ちょ、索て…き。


「これが僕達じゃなければ即死だったろうけど…こんな低位な魔法は僕達には効かない」


索敵をかけようとしたタイミングで煙の方から声が聞こえてくる。そして、煙から顔を出し、燃える右腕で煙を振り払う。


「まじっすか…」


「っ…」


()()()()()()僕を舐めるな」


そう言うと、魔力の嵐が触手野郎を中心に吹き溢れて止まない。


「ほんとにバケモンだな…っ!!」


「っ…!」


(どうする…あの化け物に対抗出来るの────)


あいつを倒す方法を探っていると、後ろで叫び声が聞こえてきた。


「二人とも!!避けて!!」


突然の出来事で避けるのにコンマのタメが出来てしまったと言う致命的なミスを冒した。


創造(アルケミスト)破壊槍(ブレイクニードル)


地面から黒い槍が生え、愛菜さんが咄嗟に張ったであろうシールドを突き破り、俺と雅人さんの胸を突き刺さす…。

まだまだ…!

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