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第62話:あの日の言葉をもう一度

長々とすみません。内容を詰め込もうと考えてる内に……。

side:菊池


「これ以上リーダーを蔑むんじゃねぇぇ!!テメェがリーダーの何をわかる!!」


俺は感情を抑えきれず、流されるままに思いっきり、いつも以上の力で頬を殴った。だけど、俺だけじゃない…佐賀もこいつをぶん殴っていた、その顔は怒り一色に染めて。


「っぁ!!」


触手野郎は後方に吹っ飛び、壁に激突した。


「痛っつ…一体何処にキレる要素があるのかな?本当に意味がわからない。事実を告げただけなのに」


立ち上がりながら、どこか不満げに呟く。だが、不満なのは…俺たちの台詞(セリフ)だ。俺は一歩、また一歩前に出て叫ぶ。


「テメェのは単なる侮辱だ!それが例え事実だとしても俺らの絆は裂けねぇんだよ!!これ以上ダチを嗤ってみろ、ぶち殺すぞ!!」


「へぇ…本当に美しい友情だよ。けどねぇ…そんなもんあった所で邪魔なんだよ、うぜぇんだよ」


不快そうに顔を歪ませながらその場で魔力を解き放つ。


「そう。貴方には分からないんですね…でも、だからと言ってリーダーを蔑んだ事は許しません。貴方の価値観は貴方だけのもの。それを他人に、しかも傷つける形で吹き込むなんてもってのほか」


「あぁ。なら、俺も事実を告げるっすよ。テメェだけは絶対殺す。俺の相棒を侮辱した罪は重いぞ?」


俺の左に峰屋が、そして佐賀が並ぶ。リーダーを守るように。すると…後ろから弱々しくて儚い声が聞こえてくる。


「すまない…黙ってて…」


謝るな。お前が謝ることなんて何も無い。って俺達が声をかけるべきだがそんな言葉じゃダメだ。リーダーを奮い立たせるには────




「───リーダーがどんな事を抱えてたって知ったこっちゃないですよ。また、俺たちと一緒に馬鹿しましょう」


まるで、自分の母に抱擁された時の様な安心感を与えてくれる…。綺麗で透き通った声が背後から優しく包み込んでくれた。

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side:智洋


目が覚めれば、何やらリーダー達が揃っていたから気配を消して近付いてみれば、大変そうな雰囲気だったせいか咄嗟にあの言葉を言ってしまった。


なんであの言葉をかけたか分からない。でも、言わないといけない気がした。あの日、リーダーに言われた言葉をまさかリーダー本人に言う日が来るなんてね。


「とも…ひろ…?」


俺の方に顔を向けて弱々しく、枯れた声でそう尋ねてくる。


「うん。智洋だよ」


「智さんっ!!」


「嬢ちゃんっ…!」


「良がった…!」


俺は菊池さん達を一瞥し、リーダーに近づく。


「ともひろ…なのか?」


「そうだよ」


「あ…あぁ────」


リーダーが言葉を紡ぐ前に、体を抱きしめる。これ以上変なことは言わせない。だからこそ、俺の言う言葉は決めていた。


「ただいま」


俺がそう言うと、どこか呆れたように弾んだ声で言う。


「遅せぇよ…バカひろ…おかえり」


それは、今まで聞いた事も無い…優しく、少年のような声だった。




「って、何勝手に終わったような雰囲気になってんの?僕らの存在忘れてんなよ?腹立つね」


おっと、完全に忘れてた。そういや居たねお前ら。


「ごめんごめん」


あははと少し笑いつつ、抱擁をやめてリーダーの隣に立つ。


「ありがとな。智洋」


「いいですよ、リーダー」


互いに前を向いている。顔なんて見なくても、本当は言葉にしなくても伝わる。だけど、伝えるって行為は時として強い意味を持つ。今の場面だからこそ伝える事に大きな意味がある。


と、そんな事をしていると、一瞬俺らをチラ見して菊池さんが訊いてくる。


「いい雰囲気なのは結構だが、こっからは本当に本気でやらねぇと俺らでも危険だ。行けるか?二人とも」


「うん。そっちは大丈夫なの?」


「あ、あぁ…ちょっと痛むけどね」


俺の左側を一瞥すると、血を流しながらも隼也が涼し気な顔で立っていた。平静を装ってるけど、肩で息してるのを見て少しだけ心配になるが、まぁ…大丈夫かな。隼也だし。


「俺が先頭を行こう」


「作戦は?」


リーダーが前に出ると、その横に居る佐賀さんが前を向きながら尋ねる。


「ない」


その言葉を聞くと、口角を釣り上げ、拳を合わせる。


「要は…」


「「「暴れろって事か!」」」


そうだ、これが俺たちだ。あんな雰囲気は蒼牙には似合わない。明るい部活のような…目まぐるしい青春の輝きを放つチーム、それが蒼牙なんだ。暗闇を照らす光なんだよ。


「はぁ…、キモイよねぇ…見てて虫唾が走る。ねぇ?暴君。こいつら()()()()()()()()?」


首を曲げながら、白ずくめの男に訊く。が、白ずくめは威圧を放ちながら後ろを振り返った。


「その前に一つ確認だ。俺らの仕事はなんだ?」


「え?」


「もう一度言う。俺らの仕事は、なんだ?」


「えぇ…っと?急にどうしちゃった?」


少年?が困惑しながら白ずくめに訊ねる。そして、かく言う俺達も何故あんな質問をしたのか困惑していた。


「いいか?俺らの仕事は相手を嗤う事でも侮辱することでもねぇんだよ、俺らという存在を世界に知らしめる事だ。外れたことはするんじゃねぇ馬鹿野郎」


少年?に顔を向けて淡々と告げる。その声色には若干の怒気も籠っていた。


「悪ぃな。さっきの事。あんなんだが許してくれや」


後頭部を掻きながらバツ悪そうに俺たちに体を向けて謝罪を口にする。そんな光景を俺は複雑な気持ちで眺めていた。なんで…?こんな常識人が禁忌の実(ラスト・タブー)なんかに居るんだ?…疑問が尽きない。


ただの戦闘狂と思ってたのに中身は普通に常識人じゃねぇか。って絶対思ったな隼也の奴。


「まぁ、いい。それで、さっきの事だがァー…」


空を見上げ、少しの間を置くと。


「───殺す」


目線を俺たちに向け、身も毛もよだつ程、冷たく言い放った。

クライマックスってどこからどこまでクライマックスって定義すればいいんだろ。( ´︵` )

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