第58話:絶望的な戦況
(*´・ω・`)=3
side:???
ガキ…?…いや違う、見た目以上の歳を行っている、見掛け倒しもいい所だ。
そんな感想を抱いてると、菊池が何かを呟いたのが聞こえた、その時────菊池が一瞬だけくの字に曲がった。
(速いっ!?)
意識してないと見えない速さと菊池が拳の衝撃で浮かぶ程の威力に驚きながら声を発した。
「菊池!」「雅人さん!!」
「近づくんじゃねぇ!!殺られんぞ!!」
佐賀とタイミングよく声を掛けて近づこうとするも、気迫のこもった顔で止められる。
(…今すべきことを考えろ!!)
自分にそう言い聞かせて結界の解除に向けて手を進めた。早く…早く終われ!!
そう願うが…解析すら終わっておらず、このままだと一時間は超える…そうなれば菊池が死んでしまう。
そんな最悪の未来を想定した瞬間だった、結界の術式に一つだけ本来なら有り得ない欠陥があったのが見えた。だが、今はそんな事を気にする暇はないそこを突けば一気に終われる。
見つけた欠陥箇所にとあるオリジナル術式を組み込むと、結界の術式が溶けるように消えていく。
そして、菊池の方に顔を向けて大きく言う────
「────菊池!!外出ろ!!」
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side:菊池
危なかった…もしリーダーの声がなかったら今頃 殺られていた。
なぜ無意識に出来たかわかんねーけど、ひとまず助かった。しかもこの広さなら動ける…流石リーダーと峰屋だ。
さっきまで居た部屋を見据え、バケモノが歩いて近寄ってくるのをただじっと待つ。そして、いつの間にか隣に移動していたリーダーを横目でチラッと確認する。
「菊池、平気か?」
「おうよ」
「どうするっすか?」
「いつも通りにやるぞ」
「はーい、私達の底力見せましょう!」
「「「あぁ!!」」」
そう意気込んだのも束の間…何かが砕ける音が響いてきたと思っていたら、ドゴォンとけたたましい音と共に何かが吹っ飛んできた。
(あいつぁ!智洋の対戦相手じゃねぇか!?)
「峰屋!!あいつに回復魔法かけろ!!智洋にもだ!俺達には少しのバフでいい!」
「分かりました!!」
峰屋の気配が1m以内から完全に消失したのを感じ取った俺達はすぐさま戦闘態勢に入る。
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side:峰屋
吹っ飛んできた人の所まで駆け寄り、体調の具合や外傷等を解析魔法で調べる。
「大丈夫!?」
「……ぁぁ…」
(…肋骨が六本、胸骨にヒビ、脊柱に損傷…酷いよこれは…)
掲げたらキリがない程の傷の量に言葉が出なかった。普通ここまでなってたら痛みで気を失ってもいいはず……。
「待っててすぐ回復魔法かけるから!」
手をかざして魔法陣を展開させた瞬間に私の手首を握って訴えかけてくる。
「…待って…くれ…と…智洋を優先してくれ…っ!!」
「何を言ってるの!!君もやばいんだよ??!!」
「白ずくめに……殺される…だから…早くっ!!」
「───ひでぇ言い様だなぁ??」
「!?」
後ろから発せられた声に飛び上がる様に反応して身構える。私の索敵を掻い潜ったのね…気配のけ文字すら感じ取れなかった…!!
「言っとくが俺は無抵抗の雑魚を嬲る趣味はねぇよ、ほれ、返すわ」
そう言って一瞬だけ白ずくめの姿が消えるが直ぐに姿を現し、片手で持っていた智洋さんを雑に投げてくる。智洋さんを綺麗にキャッチし、即座に容態を確認する。
「おいおい…敵の目の前でなんつぅ無防備な事してんだ?馬鹿なのか??」
「さっき無抵抗の雑魚には手を出さないって言いましたよね?」
「普通…それ信じるか?」
「……気にしないでください」
「……お前やべぇのな」
「お互い様ですよ」
「ははっ…そうだ───なァァッ!!」
白ずくめの男が拳を私目掛けて繰り出した。瞬時にそれを転移で避けると、コンクリートが砕ける重い音と土煙が舞う軽い音が重なって耳に変なダメージが入るがまだ鼓膜は生きてる。
「大丈夫!?二人とも」
「あ…あぁ…」
「……」
(智洋さんは気を失ったままですか……)
「ったく…不意をついたつもりだがなぁ…妙に感がいいのなテメェ」
「くっ……」
(私の力じゃアイツに勝てない…良くて少しの時間稼ぎ程度でしょうね…)
「まぁー…標的も見つけた事だし…おい!!錬魔!二人がかりでやんぞ!!!」
白ずくめの男が急に大声で声を発すると、それに答える様に白ずくめの隣の空間が直径三m程の亀裂が入り…中からさっきの触手君が現れた。
「二人でやったら面白味ないけど早くしないとねっそろそろ…」
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side:菊池
俺たち三人を睨みながら歩み寄って来ると、怒声の様な雄叫びの様な…そんな声が轟いてきた。その時…ガキの目の前の空間に亀裂が入り、あのガキがその中に入って行った。
俺はそれを唖然とした表情で見つめながら汗だらっだらにして顔を手で覆った。
「リーダー…二人はきついぜ?」
「…持ち堪えてくれ」
「最悪っすね…」
「ほんとにそうだな(笑)」
絶望的な状況ではあるが、なぜだか武者震いが止まらない。そして……俺達三人の顔には自然と笑みがこぼれていた。
( -᷄ ω -᷅ )




