第50話:決勝4
(*・ω・)*_ _)ペコリ
side:レオン
智洋と隼也がまだ睨み合っていた時────闘技場から少し距離を置いた場所にある開けた草原…そこに剣を突き刺して柄の上に器用に乗っていた。
「ね〜だんちょー、あの子、その…愛弟子の子って隼也の幻術に勝てるの?」
「最初は苦戦するだろうな」
「最初は?」
「あぁ…だが、アイツなら気づくはずだ。幻術のトリック…欠点にな」
「へぇ〜…すごい自信だね」
「俺が鍛えたからな」
「じゃあじゃあ隼也は死刑確定じゃん!」
「仲間を殺そうとするな」
「半殺しならいーい?」
それも対して変わらないだろ…
「…ダメだ」
「ちぇっ…分かった。だんちょーのいじわる」
ぷく顔しても無駄だ…と言いたい所だが何故かセリアのその顔を見ると許してしまう俺がいる。
「機嫌治せ」
そう言ってセリアの頭を撫でる
「私は子供ですかー?」
「あぁ、思考回路が特に」
「むぅ…ま、仕方ない。撫でてくれただまし今のは目をつぶってあげる」
「…ありがとな」
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side:智洋
なるほどね…やっと分かったよ。相手の固有能力を見るには鑑定レベルがMAXにならないとその全貌が分からない為対処のしようが無かったが、さっきの出来事で対処の仕方が分かった。
固有能力はたしかに万能だ。けど、固有能力は完璧じゃない…必ず一つは欠点がある。俺の天変地異然り、制約があるし代償っていう欠点が存在する。
そして、アイツの持つ幻術もそうだ。その欠点は─────
「なんで…?さっきまで君は…偽りの世界に居たじゃないか…」
「分かったんだよ、あんたの欠点」
「欠点…?なんだよそれ。知らないぞ、そんなもん!」
知らない…。その言葉を聞いては?と思ったがすぐに納得した。
あぁ…そうか。自身の能力値の全て…隠し要素を見るには必要だったな。その隠し要素とは、自身の能力値に隠された詳細の事で、その一つの例が固有能力のメリットデメリット情報だ。普通はその能力の詳細だけしか見えないが、鑑定を持ってるとそのメリットデメリットまでもが表示される様になる。
因みに隠し要素を知ってるのと知らないとでは大きく差が開く場合があるから知ってて損は無い。
(まぁ…それを見るッつッても鑑定は希少だからな、それにアイツは鑑定を持ってないし…そりゃ知らない訳だ)
とは思ったものの、そんなもんただの言い訳に過ぎない。鑑定なんぞ無くても自分の持つ固有能力のメリットデメリットぐらい把握してて当然の話だからだ。
「えーとっ隼也さん?貴方さ、自分の能力に驕ってその力と向き合った事ないでしょ?」
「…ッ!!」
俺が低いトーンでそう告げると、図星を突かれたのか動揺していた。案の定、自分の力を過信してたようだな。
「丁度いい、一度その能力と向き合って考えてみな───隼也さん」
そう言い残して俺は隼也に向けて魔法を放つ。
『爆鮮風刃・暴処』
火を纏った突風が不規則に動きながらも完全に隼也を捉えた。だが、放った魔法の軌道からズレる様にその場から消え失せるが、俺にははっきりと目に映っている…────隼也が俺に近寄って刀で一太刀入れようとしているのが…。
(まだチャンスがあると思ってるのか…現実が受け止めきれずヤケになってるのか…何方にしてもいい方ではないな)
剣の柄を強く握り呟く。
「何度でも来いよ、その都度貴方に現実を見せるから」
人差し指をスっと右に線を描く。すると先程放った魔法が右に移動し始めた。これは帝国式魔導戦術の一つ…魔力遠隔操作と呼ばれる技の応用だ。
本当は意識させるだけで操作ができるが…指でやった方がやり易いからそうしてるだけであって深い意味は無い。
「なんで、なんでなんで…なんでぇっ!着いて来るんだよ!!どうして分かるんだよっっ!!」
「さぁね!!」
魔法に気を取られてる間に擬似的な縮地を使い、間合いを詰める。そして、隼也の退路を阻害し魔法と俺に挟まれる形で逃げ場を無くす。
「ひっ…?!!」
「そこで止まったら食らうよ?」
そう注意するが…時すでに遅し。ほぼゼロ距離まで迫っている魔法を避けられるはずも無くソレが直撃する。
「…ぐッ!!」
火を纏った風の刃が当たると爆発を起こし、衝撃波が発生する。魔法障壁を瞬時に張ったのかそこまで黒く焼け焦げて居なかった。
「はぁ…はぁ…ごほっ…くそっ、どうして…どうし…て…」
今まで向き合わなかった奴がこんな短時間で理解するのは無理か…。
「心を強く持て。己の弱さを認め、不要なプライドは捨てろ。これが理解できないのなら貴方は一生その力と向き合えない」
「……」
なんであの言葉を投げかけたのか…隼也は真意を理解してないかもしれない…それでも俺はヒントを与えた、いや…答えを教えた。何故なら────
────…それがあの幻術の欠点だからだ。
でん!٩(〃'╰╯'〃)ว




