第4話:勝利か敗北か……
今回はこれでラスト投稿になります
天変地異──それは、自然界に起こる異変にして人類が対抗できない自然の暴力。
そして、俺の使う天変地異は使い方が難しく容易に使える能力ではない。そもそも、使い方以前の問題として条件を満たさないと発動すら出来ない…それほどまでにこの力は強過ぎるのだ。能力としても、代償としても…
「それでも…使わないと死ぬからね」
天変地異を発動し、体の周りに宇宙空間を彷彿させるオーラを展開させ…呟く
「──地異──」
呟いたと同時、体に火焔が走り神々しく煌めいた。そして、瞬時に手のひらを合成獣に向ける
「ばいばい──噴火」
逃げようとした合成獣の真下が突然隆起し、火山口の様な形へと変化するとその刹那、噴火した。
要した時間は二秒…たったその二秒で自然災害を生み出したのだ。
世界のバランスが崩れると言われた力…神すらも恐れたと言わしめた力…
「案外呆気なかったな…」
噴火が収まり、地面が元通りに修復されていく…そこには合成獣の姿形が消えていた。
すると、また頭に女性の声が響く
『区域首領の討伐を確認、単独撃破の特典が付与されます──称号:勇敢な者 を獲得』
おお、新たな称号!今度は肩透かしな称号じゃないことを祈るか
『レベルが9アップしました』
一気に9つも…気前いいな。って、格上だからか
「あ、やべ…もう限か──」
言葉を繋ぐ前に俺の意識が途絶えた。
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段々と意識が覚醒していき、重いまぶたを開ける。
「…うっ…あ、そっか…気絶してたんだ」
一体何時間意識を失っていたんだろうか…
気づけば辺りは真っ暗になって、昼間の様な陽気な雰囲気から一気に物静かな雰囲気になっていた。
「…未だに体痛い…くっそ…」
体の痛みを耐えながら、起き上がり状況を確認。
「カァハッ…はぁ、はぁ…あれ…こんな辛かったっけか…?」
やはり弱体化のせいなんだろうか…初期の頃、初めて使った時と比べても今回のは苦しい…
「ちょ…ふざけ…んな──」
またしても俺は気を失って倒れた。だが、すぐに目を覚ます。
「おっっ…かしぃ…こんな…辛くはなかったはず…」
体が鉛のように重く、身体中に電撃が走る…それだけじゃなく血反吐や倦怠感、重度の頭痛に目眩がホントに酷い…
まるで自分の体が朽ちていくかのような感覚…
ここまで強力な代償では無かった…確かに天変地異の代償は強い。余程の精神力と忍耐力がないと自殺するレベルで辛い…だが、今回のはそんなものとは比にならない…
(やっぱ…おかしすぎる…俺の体に…なにが)
徐々に薄れていく意識…そして数秒で闇に沈んだ。
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side:???
ったく…憂鬱だな。なんで俺が指定危険区域に行かねぇとダメなんだよ…くそが
車に揺られながら不機嫌そうに窓を見つめる。
相変わらず周りは倒壊したビルや建物が目に映るばかり…時々壊れていない状態の建物がある程度…いつ見てもひでぇな。
そんなことを思っていると、隣に座っている髭面の男…菊地が俺の肩に触れてくる。
「いい加減機嫌直せって、焼肉今度奢るからよ」
その言葉に一瞬だけピクんとなった。
「ヤキニクSEVENな」
「おう。終わったらな」
「よし。峰屋!飛ばせ!!菊地!佐賀!準備だ!!」
ヤキニクSEVENが俺を待っている…とっとと終わらせるぜ!
みんなが苦笑する中、胸が躍る気持ちで依頼先に着くのを待つ…
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「ここか。で…今回のお目当てはなんだ?菊池」
目的地へと到着し、辺りを見渡す。
「おう。今回は恐怖の騎士がそのお目当てだ」
「恐怖の騎士?なぜまたそんな奴を」
「さぁな。俺らはただ依頼をこなすだけだ。」
「そーですよ。推薦依頼なんですから仕方ないですよ」
「なんで俺たちなんすかね?恐怖の騎士はB級なんだから他にも居るのに」
「知らん。佐賀、ここら一帯に恐怖の騎士が居ないか探知してくれ」
「りょーかいっす」
佐賀が車から降り、立ちすくむ。
それを横目に俺らも車から降り、周囲を警戒…
「どうだ?佐賀」
菊池が佐賀に尋ねると…信じられない言葉が返ってきた。
「人が倒れてます」
「「「は?」」」
俺たち三人の素っ頓狂な声がハモる。
人?なぜ人だ?ここは仮にもA級に指定されている迷宮都市だぞ?そんな馬鹿な事が有り得るはずがないが…
「冗談はよせ。」
「冗談じゃないっすよ!マジっす!信じてくださいよ菊池さん」
佐賀は嘘をつくような人間じゃない…見た目はヤンキーだがメリハリは弁えてる…となると…
「生憎だが、佐賀は嘘をつかん。菊池、峰屋向かうぞ。ナビは頼んだぞ佐賀」
「!!わかったっす!」
「は、はい!」
「わかった!!」
急いで車に乗車し、人が倒れている場所に向かう。
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目的の場所に着いたので車から降り、急いで向かうと…そこには一人の少女がうつ伏せになって倒れていた。
「おい!大丈夫か!?」
少女に声をかけるが反応がない。だが、息はしている…生きていたか。良かった
「大丈夫だったすか?」
「大丈夫か?」
「大丈夫でした?」
「あぁ、問題ない。息はしている。」
「傷の方は?」
「今見る」
少女を仰向けににさせ、その容姿に驚く。
「わっ、可愛い…めっちゃ美少女ですよ!?」
「ほんとっすね…こんな可愛い子いたんすね世の中」
「ほんとだなぁ…魔性の女に育ちそうだ」
そう、めちゃくちゃ美少女だった。白い肌に柔らかそうな肌、完璧と言える程整った顔…銀髪との相性がとにかく抜群だった。一瞬だけ胸が弾み、不思議な感覚が俺を襲った。ただ、俺はそういうの全く興味がないため直ぐに冷めた。
「そんな事より俺が見る訳にはいかんだろ。峰屋見ろ」
「は、はい!」
峰屋に任して、怪我とかがないかを確認させ…
その間俺達男は後ろを向いて見ないようにした。
「問題なしです!」
「わかった。車に乗せるぞ。一人で行けるか?峰屋」
「行けないんでしたら俺も手伝うっすよ!?」
「いえ、一人で行けます」
佐賀の言葉を無視し、そのままお姫様抱っこして助手席に乗せた。全員が乗るのを確認した後、俺たちの家に向かった。
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家に着いてすぐ…
「よし、その子を空いてる部屋に運んでくれ」
峰屋に命令し、少女を運ばせる。
余った俺たちはリビングに集まって峰屋を待つ事にした。
それから数分で峰屋がリビングに来たので椅子に座るよう伝え、座った所であの子について話し合った。
今回も少し長めですいません




