第31話:上級大会その5
七時投稿〜です
side:智洋
「ふぅ……これで終わりかな」
百人分のバッジを集め、一息ついた時アナウンスが流れた。
〖第2フロア突破者確認しました。転送装置が作動しますご注意ください〗
声が聞こえたと同時に光に包まれ、気が付けば違う部屋に転送されていた。部屋の大きさから見るに個室。予選通過者の待機室だろうな。周りを見渡して部屋の内部を確認…異常はなし、索敵だったり気配察知、鑑定を掛けて安全性をより調べたがやはり何も無かった。
いくら大会の待機部屋とはいえ何があるか分からない、一変たりとも気を緩めちゃならねぇ…それに誤作動の可能性も考慮してたしなあの一瞬で。
我ながらと恐ろしく感じちゃうなぁ〜…ま、リーダー達の訓練のお陰なんですけど。あの人達が居なければここまで警戒心持たなかったろうし所詮は結果論だがそんな感じがする。
(それにしても、闘技場は盛り上がってんのかね〜)
椅子に座り、頬杖をついて呑気にそんな事を考えていた。
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智洋が晴人と出会う五分前……
〖おっとー!第1フロア早い!生存者がもう二十人を切っているぞー!やはり今年のダークホースはアレン選手なんでしょうか!?〗
〖ですね〜彼はCランクでありながらAランクに匹敵するとまで言われてる超新星ですからね〜〗
〖優勝候補に上がった三十余名が上手い具合にバラバラになった今大会ですが候補同士の衝突は目が離せないです!〗
〖えぇそうですね〜先程のアレン選手とミランジ選手の衝突も鳥肌ものでしたからね〜あれが低位冒険者のぶつかり合い!?と驚きを通り越して唖然としましたからね〜〗
〖ですがやはりアレン選手には及ばず散ってしまいましたが、それでもミランジ選手の実力は驚嘆しますね!魔術師でありながら近接も得意としているアレン選手とは相性が悪かったんでしょうか?〗
〖近・中・遠全てに対応していますからね〜それに対してミランジ選手は鞭使い…近・中は行けても遠距離が出来ない。機動力には優れてますがアレン選手はそれを逆手に遠距離を心掛けて常に距離を取ってましたしね〜それに、今回は森林が舞台ですからそれも原因の一つでしょうね〜〗
〖なるほど…おや?第2フロア!一気に動きが変わったぞ!?先程まで少ない脱落者だったのに急に増えていっている!これはまさか、候補の一人の仕業でしょうか!?〗
〖……いや、違いますね〜…モニターを良く見てください〗
〖どれど──!?〗
〖気づきました〜?〗
〖これは…凄いですね…優勝候補に上がってない無名の冒険者でしょうか…これだからこの大会は面白い!眠れる獅子が発掘される…っ!!〗
〖少し画面を拡大してみますね〜──え〗
〖わお!〗
画面を拡大し、無名の冒険者を鮮明に映した瞬間闘技場に静寂が訪れた。それ程までに衝撃だったのだ。時が止まったかのように錯覚し…十秒近くが経過したその時…モニター越しで無名の冒険者が信じられない程洗練された動きで次々と冒険者を仕留めバッジを集めだした。
すると、闘技場では揺れるぐらいの黄色い歓声が響き渡った。
「「「「おぉぉぉぉぉ!!!!」」」」
あちこちで人が席を立ち、雄叫びか歓声か分からない声を発しながらモニターに映る冒険者を応援しだした。
そして、いてもたっても居られなくなったのか実況の人も立ち上がり興奮気味に喋りだした。
〖ものすごい美少女冒険者が第2フロアを掻き回している!!なんという光景でしょう!?今まで発掘されたことの無い戦いの女神が今!降臨しています!私事ではありますが釘付けになってしまいました!!〗
それに便乗する様に解説の人も立ち上がった。
〖あの身のこなしに加え手数をできる限り晒さず、周りをちゃんと見極め状況に適した戦略を取っているあの女神は一体何者ですかね!やばい、ファンになります…〗
〖あ、はい…なんと!ただいま入った情報ですがあの女神様にはファンクラブというものがあるそうでその数は…えぇ!?数十万単位!?〗
素を出てしまうレベルで驚く実況の人と同じように驚いてる観客達…だがその中には驚かず鼻が高そうに頷きながら見守っている人がチラホラいる。こいつら絶対会員だろ…
〖私も今日からファンになりたいと思います先輩方待っててください。すぐ行きます!!〗
〖俺も行きます〜!!〗
それから三時間後、全フロアの突破者が決まり…いよいよやってくる本選にみな期待を寄せながら時間を経つのを待っていた。
次回本選です!いつも以上に気合を入れてやります




