第30話:上級大会その4
よし、もうすぐ
これで何度目だろうか、見ず知らずの人から告白されたの…正直言ってほんとにめんどくさい。俺は男に興味無いし女になった今色恋沙汰全くと言っていい程でどうでもいい。いやまぁ、男だった時は興味あったよ?それにモテたいとも思ってた。なんなら女の子に囲まれたいとも思った事あるし何度も距離を縮めたい的な考えを持ちながら接した事もある。
だけどいざ女になって俺みたいな男が言い寄ってくると中々うざい。
(うざいけど今の状況で告白してくる度胸と勇気すげぇわ)
目の前にいる男を違う意味で尊敬の眼差しで見つめてると相手は恥ずかしくなったのか顔を背けた。
(いや、可愛いなおい…告白する勇気はあっても見つめられる勇気はないのかよ!)
ギャップが凄いことに驚きながらも俺は口を開く。
「ごめんね、もう少し場所を考えて言ってほしいな」
「あ…すみません…ですよね…で、でも!貴方に一目惚れして…いてもたっても居られなくなってっ!」
「あはは…そんなにどストレートに言われると照れるなっ…」
心にも無い事を良く言えたもんだ、俺って悪女気質あるかもしれない。
「でも、ごめんね。私恋愛はしないって決めてるの」
「そ…そうなんですか」
そう言うと顔を俯いて目に涙を溜めだした、流石に気の毒に思えてきた。仕方ない……
「ねぇ君名前は?」
「え…?」
「名前。教えてよ」
「あ…僕は宮垣晴人です」
「晴人くんね。私は木崎智洋」
「!?…智洋…さん」
「名前、覚えたから。もしこれが終わった時まだ私の事覚えてたらお食事行く?付き合うことは出来ないけど友達になら私はなりたいな」
微笑んで晴人くんに告げると、晴人くんは顔を赤らめ頭から湯気を出しながら緊張した声で頷いてくれた。
「は、はぁい!ぼ、僕絶対覚えてます!」
「うん、覚えていてね」
「そ、そうだ!智洋さん!」
「ん、なに?」
「これ…あげます」
「え?…だめだよそれは晴人くんの…」
「いいんです。僕はこの大会に興味が無いし師匠に無理矢理連れて来られただけだから…それにBランク程度上げようと思えば簡単に出来ますから!」
さらっと凄いことを言ってのける晴人くんに感心しつつもホントにいいの?と再度確認し大丈夫ですと返事が来たから遠慮なくバッジを貰った。
「ほんとにありがと…でも良かったの?」
「はい!全然大丈夫です!智洋さんと出会った事が僕にとったら優勝以上の物でしたからもう満足です」
「そ、そうかな〜…えへへっ…」
今度は普通に照れ臭くなって無意識にデレるとさっきよりも顔を赤くして湯気が凄いことになった。
「っ…!ぼ、僕もう行くね!」
「うん、ありがとう」
「いいよ!じゃあね智洋さん!」
「ばいばい晴人くん」
挨拶を終えた瞬間目の前から晴人くんが消えた。
俺が反応出来るギリギリの速度で…
「確かにBランク程度簡単に上がるかも…」
そんな事を呟きながら残りの五十九人分のバッジを集める為に探索を再開した──
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side:???
「あの野郎……智さんと親しげに喋りやがって」
俺の横で佐賀が歯ぎしりしながら恨めしそうにモニターを覗き愚痴を零していた。
「颯太おめぇ…」
「颯太さん…きもい」
「放っておけ」
佐賀を無視しモニターを覗く。さっきの男…中々強い。下手すれば今の智洋より強い…軽く見積ってもBランク以上はあるだろうな。
「智洋さん今は大丈夫そうですね」
「あぁ…今は大丈夫だろうよ。ただあの男はちと危なかったけどな…ありゃ下手すればA行ってるぞ」
「へっ!俺なんかSランクっすからね!あんな奴けちょんけちょんにしてやるっすよ!」
「あまり舐めてかかると危ねぇよ、何事にも慎重に行け」
「それは分かってるっす」
「そもそもそんなに嫉妬するなら智洋さんに「他の男と喋るな」って言えばいいじゃないですか」
「それは嫌っ!出来ないっすよ!無理っす!」
「彼氏でもねぇ奴に縛る権利はねぇよ。嫌われるぞ?」
「だからしないってば!」
「落ち着け颯太。一々取り乱しすぎだ」
「菊池の言う通りだ」
「む…わかったっす…」
「そんな事より早く愛しの人の戦いを見てあげたら?」
「うるさいっす!」
「お前がうるせぇよ」
そんなこんなで賑わいながら仲間の事を見守り、勝利を願う。
どうでしょうか( -∀-)




