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第25話:訪問者

ふぅ…なんとか間に合いました

side:智洋


「はぁ…はぁ…もうっ…だめ〜!!」


地面に大の字で寝そべり、愚痴を零す。


休憩を取ったあと何戦か暴王と戦ってたが一向に勝てなかった。あれからさらに弱体化させてたのに…やっぱり上位能力(スキル)となるとレベルが低くても性能が高いんだな……まぁ今の俺の能力(スキル)レベルじゃそもそもの話キツイから仕方がないのかもしれない。


で、今現在は何をしていたかと言うとリーダー達と地獄の組手をしていた。暴王との戦いで足りない所やちょっとした知恵とかを教えて貰いながらボコされて心身ともに疲れ果ててます。


「…あまり詰めすぎてもアレだな、とりあえず少し休め」


「はぁ〜い……」


「智さん大丈夫っすか?飲みもんいる?」


「はい。欲しい…です」


「うっす」


佐賀さんが何も無い所に魔法陣を出現させ、その魔法陣に手を突っ込んで一つの水筒を取り出す。


「はいっす」


「ありがとう」


水筒を受け取り、ちょびちょびと口に入れる。この味は…麦茶だな?美味しっ。


「ぷはぁ…っ…ん?どうした?」


佐賀さんが顔を少し赤らめて俺をじーっと見ていたから気になって尋ねると…


「な、なんでもないっす!」


そう言ってそっぽを向き、そそくさと俺から離れて空を見上げだした。


「??」


はて…?佐賀さん大丈夫だろうか?顔赤いし急にだんまりとするし…体調が優れないのかな?


そう思っていたけど、どうも違うみたい?周りを見れば菊池さんや愛奈さんがニマニマとした顔を浮かべながら暖かい目でこちらを伺っている。なんか…見覚えのある反応…だ…あ、まさか…


何故あの二人があんな反応していたのかやっと気づき、自分も少しだけ恥ずかしくなってきた。心做しか顔が熱い…なぜだ?相手は男なのに…最近変だぞ俺。


「どうだ?回復できたか?」


心の中で頭を抱え、苦悩しているとリーダーが近づき話し掛けてくる。


「あ、はい。大丈夫です!もうできます」


「わかった。後五時間程度はやるぞ」


「はい!」


立ち上がって直ぐに少しだけ距離を取り、リーダーと相対、そして構える。


「お願いします」


「あぁ」


--------------------


あの日から時か過ぎ、10月末。大会まで残り数日となったある日の事だった。いつもの様に魔人の塔で暴王と対峙してその後にリーダーと地獄の組手をやっている最中に起こった。


「智洋!右がガラ空きだ──」


「わざとしてますよっ!」


リーダーの拳が俺の右横腹に当たる寸前で体を捻って拳を避け、左拳でリーダーにアッパーを食らわせようとしたその時──


物凄い爆発音が空間内に響き、俺達の手が止まる。その直後に確実な死をイメージさせられるほどの気配を感じ取り咄嗟に身構える。


「リーダー!」


「分かっている。佐賀!峰屋!菊池!」


「来たっす!」


「はい!」


「おうよ!」


リーダーの呼びかけを即座に応じ、隣に現れた。

すると、ダンジョン内の天候が急に荒れだし雷音がゴロゴロと鳴り響き豪雨が発生し出す。今の今まで天候が荒れた事なんて一度もないのに荒れたということはダンジョン内で何かが起きたって事になる。


「ったく……あの馬鹿が」


リーダーの呟きを耳で聞き流しながら段々と近づく死のイメージ…こんなにもやばいと感じるのにリーダー達は焦りも不安も無いと言った表情を浮かべてただ前を向いているだけ…強者の余裕なのか分からないが…この気配は圧倒的にリーダーより上。


リーダー達を不思議に思いつつもある事に気が付く…この気配…今更だけど…どこかで感じ覚えがある…?


「悪い……ダンジョン内で警戒していた…不可抗力だ」


聞き覚えのある声に見覚えのある姿……レオンさんが目の前に現れ、身構えていた気持ちが緩み安堵する。


「おい、馬鹿野郎…何しに来た?」


相変わらず犬猿の仲と言える間柄につい苦笑をする俺達。


「そこの女に用があるだけだ…」


「智洋に用ってなんだ?」


「大会の事だ」


「それは俺が教えている。横から出しゃばるな」


殺気を飛ばして威圧しているつもりなんだろうけどレオンさんは微動だにせず答えた。


「……残りの三日間は…俺が鍛える」


「!?」


予想外な言葉に俺ら全員が固まった。

後数話で上級大会が来ます!


(*´꒳`*)

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