第21話:えぐいダンジョン
( ๑´ ࿀`๑)
俺達は今とあるダンジョンに来ていた。日本でも数少ないS級ダンジョンの一つ──魔人の塔。
全100階層まである巨大な塔にして、東京を代表する建物の一つとして現在まで語られる程有名かつ危険なダンジョン…過去にはS級冒険者を何人も葬ったという記録も残っている。
そう、俺達はそんな危険極まりない場所に居るのだ。なんでそんな場所に入れたかと言えば蒼牙のお陰、蒼牙ならいいですよって軽く承諾してくれたから入れたのだ…融通効きすぎてほんと怖い。
内装はダンジョンとは思えない空間が広がり、草原の中に俺達はポツンと佇んでいた。正直驚きを通り越して唖然としている、昨日リーダー達が鍛えてやるって言うから訓練所とかで組手をしてくれるんかなって期待してた所いきなり高難易度すぎダンジョンに連れてかれるって俺の命は今日で終わりかもしれない。
ため息を着く所を我慢し、空を見上げれば変な鳥が飛んでいて鑑定してみた所…鑑定不能。
「俺やバァくね?」
「大丈夫だ。俺達を信じろ。このダンジョンは世界的に見ても稀な階層がある、そこまで今日は行くつもりだ」
リーダーが先頭に立って、どこからともなく短剣二丁を取り出して構えた。すると、菊池さん達も各々の武器を持って構える。
「ワープポイントがこの先にある、行くぞ…置いてかれるなよ智洋」
リーダーがそう言った瞬間、消えた。比喩でもなんでも無く言葉通りに目の前から居なくなった。その瞬間俺の脳裏に一つの言葉が過ぎる──
・ 一人ぼっち・
え、早速置いてかれたんだけど…
「いや…今思えば数値的に置いてかれるでしょ…」
気付くのが今更すぎる。って、そんな事よりも格上しかいないダンジョンで一人ってやばい…非常にヤバすぎる、敵が居ないとはいえ流石にこんな場所で一人はほんとに嫌なんだが…
「うぅ…なんで置いていくんだよ…」
一人ぼっちになった俺は昔じゃ考えられないほど心に余裕がなかった、一人がこんなにも寂しく不安だなんて…やはり女になったせいなのかめちゃくちゃ怖い。
そんなこんなで数秒がたった時、一人の人物が現れた。
「智洋…すまん。俺が連れてってやる、ほら手を貸せ」
リーダーが手を差し伸べてきてそれを応える様に手を取り、リーダーは走り出した。
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「ガッハッハッ!!すまねぇな、嬢ちゃん」
菊池さんが悪びれる様子もなく愉快そうに謝罪をしてきた…がなんとも響かない謝罪に若干のイラつきを覚えた。
「ごめんね…置いてきちゃって…ぷッ」
「笑っちゃダメ…っすよ…ぷふっ」
二人とも…俺になにか恨みでもあったのだろうか?そんなに堪えなくても良くない?え、なに?元男がこんなにビビったら笑えると?ははっ…穴があったら入りたい。
「とにかく、ワープポイントには着いたんだ。行くぞ、98階層へ」
リーダーが石像のような物に手を置くと…俺達の下に魔法陣が出現し、その場から光とともに消えた。
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ワープポイント…それは階層内を瞬時に移動できる瞬間型エレベーター、自分が望んだ階層を指定し、触れるとその場に瞬時に移動する事が出来る。ただし、自分が一度でも足を踏み入れた所のみに限定される。だが何故かパーティーだと一人でも足を踏み入れてれば例え他の人が踏み入れてない場所でも移動できるという…原理は未だに解明されてない。
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「着いたぞ。ここが98階層…練磨の階層だ」
リーダーが言ったその先には、まるで武器庫のような空間だった。槍、剣、銃、盾…と数々の武器が保管されておりその中でも一際目立つようなレア度の高い武器まで置いてあった。
(な…なんだここは…まるで訓練をさせる為のような、誰かと戦うを想定したかのような場所は…)
「ダンジョン主である魔人が自身を超える存在を生み出すために作った階層と言われているのがここ練磨の階層だ。ここがあったお陰で先人たちは魔人の討伐を果たせた、これが無ければ今頃十二神星が駆り出される程だっただろうな」
そんなに魔人は強かったのか…てか、今まで何気なくしていたが…ダンジョンは制覇したら普通は消えるんじゃ?…改めて思うとすごい不思議な現象を無視していた…ちょっと聞いてみるか。
「そう言えば…ダンジョンは消えないんですか?」
俺の質問を鼻で笑うように答えた。
「普通は…な。イレギュラーと化して来ているからな、数百年の間で…」
「昔の文献ではクリアしたダンジョンは消えるのが常識でした。ですが、今から200年前…クリアされたはずのダンジョンが消えず、現世に残ったまま稼働をし続けたって言う初の常識破りなダンジョンが現れたんです。それから今に至るまで数千にも及ぶ残り続けるダンジョンが出現したんです」
異常が現れたのが200年前…一体世界に何があったのか…それを調べる必要も下手したらあるかもしれない。元の世界に戻る手がかりのついでに調べるのもありだな。
「ま、話はこれまでだ。行くぞ…」
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武器庫だった場所を出れば、一階層の様な開けた草原に出て、リーダーが口を開く。
「では、此奴と戦ってもらうぞ…暴王」
最後の言葉の暴王に反応したのか、急に地面から魔法陣が出現し、現れたのは赤い肌をした巨人でその顔には角を生やし隠す事の出来ないほどデカい牙を兼ね備えた人型の怪物。その右手には巨大な鉈をもっており、俺たちを見るや否や大きく威嚇した。
「オォォオォォ!!!」
身体中にビリビリとした痛みが走り、体が硬直する。俺の脳内が最大限の警報を鳴らし危険を知らせているが…脚がすくんで歩けない。
(な…なんだアイツは…)
俺の疑問に応えるように意外な人物が説明をする…
「アイツの名前は暴王っす。オーガ族の王にしてこのダンジョンボスの右腕と考えていいっす、実力は言わずともめちゃくちゃ高いっす…俺でもタイマンを張れば負けるレベルって感じっすね」
佐賀さんは俺から見ても実力のある人物だ。そんな人が負けるって宣言する程…相当な化け物なんだろうな…まぁ、見ただけでもヤバいってわかる…俺では勝てない。天変地異を使えば勝てるけど、使う前に瞬殺されるかもね。
「いきなり戦えと言っても混乱するか…なら、手本を見せる。俺の戦闘をよく見ておけ」
「なぁに…心配するな、ここは練磨の階層だ。例えこいつが死んでも蘇る…どうせ設定できるしな」
そう言い残すと、リーダーは目の前から消え…暴王の真上に出現しては左手の短剣を投擲。
一直線に向かうと短剣は暴王の頭に深く刺さり、悶絶している所を真上でもう片方の短剣を使ってその場で空を斬った。すると、次の瞬間──暴王を覆うほどの斬撃が現れ、飲み込んだ…
「どうだ?こうやって一撃で倒せば終わる」
地面に着地したリーダーが俺の方を向いて、得意げな顔をしながら告げた。
明日は…六時に投稿します…
ウーっฅ(๑•̀ω•́๑)ฅー




