第97話:これは難敵
初期の頃と比べると、何だか書き方変わったな…と見返してたら実感しました。
side:智洋
「Bランク昇格です!おめでとうございます!!」
キメラを瞬殺した後、軽い足取りでギルドに向かい依頼達成の報せを報告すると、一瞬?マークが浮かんで驚いてたが首と魔石を見せたら直ぐにハッとして今に至った。今は気配隠蔽を使ってないから誰でも認識できる為…はい、あとはお分かりの通り。
「おぉ!!すげぇぇ!Bランクだってよ!」
「まじかよ!しかも……おい見ろ!あの子!」
「やっぱそうだ!見たことあると思ったんだ!」
「南無阿弥陀仏…南無阿弥陀仏…」
若干一名俺の事祓おうとしてるヤツいるけど無視しよう。お祭り騒ぎのギルドを他所に事が素早く進み…遂にBランク達成を果たした。いやー自分のことだけど成長早いねぇ、たったの数ヶ月でBランク到達って凄いんじゃないだろうか。
依頼達成の報酬も貰ったし、Bランクになったし、素材も売ったし、なにこれ最高の気分っすよ。…っと、浮かれてる場合じゃねぇな。早く帰らねぇと。
踵を返してギルドから出ようとするが…周りが俺の事を放っておくはずがなく…。
「な、なぁ嬢ちゃん!!話聞かせてくれ!あの大会のこととか!」
「どうよ?!Bランクになった感想は!?」
「げへ…あ、握手を!」
「しゃ、写真を!」
群がる奴らにイラッとするが流石に顔に出す訳にはいかず…ここで一つ俺は考えた。悪い印象を与えず、相手も不愉快にならない方法を。それは…。
「ごめんね?私、今急いでるのっ…だから今日はな〜しっ♡」
拳を頭をコツンと当て、ウィンクをしつつ舌を少し見せる。その瞬間、場は大歓喜。鼻血を出して倒れる者や失神する者が現れ良い意味で阿鼻叫喚としている。
可愛いドジっ子がやりそうなポージングを決め、俺の強さを最大限に活かした方法でこの場を脱した。だがこの方法はもう二度とやりたくない、男として大事なものを捨てた気がしたから。
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「ただいまー」
「お帰り、早かったね」
「おかえりーどだった?」
顔を覗かしてる二人に笑顔でピースしてBランクになったよ!と告げ、俺のその反応を見るとたいそう喜んでくれた。
「おめでと!!流石智洋!」
「ばんざーいばんざーい!」
祝いの言葉が独特な奴がいるけど、一旦無視しよう。
「これで行けるね。やっと」
「そうだな」
「あ、そうだ。電話かけないと」
思い出したように携帯をポケットから取り出し、俺もポケットに入れてた紙切れをアレンに渡す。
「行く日は…なるべくなら明日。もし都合が悪いようならいつでもいいって感じでいいかな?」
「おう、それでいいよ」
「うん」
携帯に番号を打ち込み、耳に携帯を当てる。何秒か後のコール後にやっと繋がった。
「もしもし」
〖あ?誰だ?〗
聞こえてきたのはドスの効いた、どこか若い感じの声だった。だが…明らかに不機嫌な雰囲気が漂っている。
「突然のご電話すみません、私はアレンと申します」
〖……で?なんで俺の電話知ってんだ?〗
「実は、今禁忌の実に関して情報を集めてるんですが…蒼牙の方に貴方の電話番号が書いてある紙を貰って、行き詰まったら掛けろと言われ、かけた次第です」
数秒の間沈黙がこの場を支配し、誰もが固唾を飲んで待っていると…。
〖…そうか。悪ぃな?テメェらに教える事はなんもねぇ。じゃあな〗
ツーツー……。
「…切られちゃった」
顔をこちらに向けてどうしよう的な表情を浮かべているアレンと目が合う。え…いや気難しいとかのレベルじゃねぇだろアレ。
「ま、まだ諦めんな!今度は僕が掛けてみる」
そう言って次は晴人くんがアレンの携帯でさっきの人に掛ける…が。
「もしもし」
〖…今度は誰だ?〗
「自分は晴人と言います!二度もすみません!どうしても訊きたい事が…」
〖だからねぇって言ってんだろうが。じゃあな〗
またしても速攻で切られた。晴人くんはめちゃ悔しそうに地面に手を着いて叫んでいる。あぁ…これいける未来がないんだけど…。
「こうなれば…智洋!!お前に命運が掛かっている!…やってくれるか?」
そんな期待の眼差しで向けられても…多分収穫ゼロな気がする…けどやるしかない…か。
「わ、わかったよ(ゴクリ)」
携帯を受け取り、また同じように俺も電話をかける。また、何コールかの後…。
〖んで、つぎゃあ誰だ?〗
「私は智洋と申します。まだ正式では無いですが…蒼牙の一員です」
〖!?〗
さっきまでとは確実に雰囲気が変わった。そう確信したその時─────。
〖二度と電話掛けてくんじゃねぇ…アバズレがッ!!〗
プツンと思いっきり切られた。
「……」
「……」
二人と目線が合い…俺は自然と前に倒れ、地面に手を着いた。
「初めて言われた…まだ十代なのに…」
え、なに?酷くね?あそこまで言うか普通?あれ気難しいとかそんな話じゃねぇだろ…。
「…よし、あのクソじじいぶっ殺す」
「手伝う。ぜってー殺す…!」
殺意に満ちた二人を宥めながら、これどうするよ?と相談。宥めても未だに抑えきれてない殺意を漏洩したまま二人は口を開く。
「…どう考えても無理」
「右に同じく」
そうなんだよなぁ…あれはもう手に負えない。どう頑張っても無意味な気がする…。あー…どうしたものか。
色んな策を考えるも、多分無理だよなって思いながらふと周りを見渡す。そして、ここで一ついい案を思い付いた。しかも二人も同時に何か思ったのか俺の方を見てニヤつく。
「思い付いたんだね?そっちの二人も」
「「あぁ」」
そう、俺らが思いついた案、それは────。
「リーダーに任せよう!」「もう諦めよう!」「ぶっ殺そう!!」
お前らシバくぞ俺が。
「違ぇだろ!ここはリーダーに言うべき!」
「「ハッ、確かに!」」
こいつらの将来とか生活とか諸々が心配になってきた。いや、このぐらいなら心配する必要なんてないか…?
「ま、まぁ…兎に角。今から電話してみるから、待ってて」
そう言って自分の携帯を取り出して、リーダーに電話をかける。何コールかの後にリーダーの声が携帯から響いた。
〖どうした?何かあったのか?〗
「は、はい…実は────」
リーダーに電話をかけることになった事の顛末を話した。
「…という訳なんです」
あれ?リーダーからの反応がない。どうしたんだろ?まさか聞こえてなかった?
変に心配していると、やっとリーダーから反応が来て安堵するも直ぐに不安へと変換された。
〖悪い、ちょっと…いや、あのクソジジイだいぶ舐めてるな。おい、智洋今からクソジジイの所向かうぞ〗
……は?
〖今すぐ準備しろ、場所は後で送る〗
え、ちょ…待って。なにそれ急展開過ぎるんだけど!?
「え、え?え??」
俺が困惑していてもリーダーはなりふり構わずと言った感じで話が進み…一方的にまた通話が切られた。
「「「……」」」
「…なんか大事になっちゃった」
てへ。と気まずい空気の中お茶目な仕草をするがため息を吐かれてしまった。そして、その後俺たちは準備をしリーダー達と合流する為に指定された場所に向かった。
次回、荒れますね。これ。




