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第0話:英雄が帰還する

今日から2つ同時進行で行きます!やっと書けるようになった。

「──あぁ…私は…負けたのか」


ボロボロになった装束を身に纏い、その背に生えてる八対の翼に神々しく光る虹の輪…そのどれもが欠けていたり光を失っていたり、傷だらけとなっていた。


「…まだ、生きてんのか…」


俺の持ちうる全ての力を放出した一撃を食らっても尚、消滅せず仰向けになっている目の前の存在―――天神(あまのかみ)を見て若干の呆れを覚えた。


「私はもう(じき)死ぬ…あと一分足らずでな…」


「力の大盤振る舞いをかましてやったってのに…はぁ、だめだ…力が出ねぇ」


立ったまま俺は何度も意識が遠のく感覚に襲われた、

それでも平然とし続けるが…そろそろ限界が近い。


すると突然天神(あまのかみ)の体が光り始める…これは…まさか──


「さらばだ──神殺しの英雄、最後に貴様と戦えて私は満足…した」


徐々に光が膨張していき、遂に光の粒子となり天神(あまのかみ)は青空に消えていった。


俺は…勝ったのか、あの神に…やった。やったよ。みんな…。


天神(あまのかみ)が消えて始めて実感した()()の二文字、嬉しさのあまり目に涙を貯めた。


(これでアイツらに顔向けできる)


空を見上げ、噛み締める。これでこの世界は平和になった──もう俺の役目は終わったんだな


すると、それを肯定するかのように俺の真下に魔法陣が浮かぶ…


(使い道がなくなったら即送還ってか…この術の開発者は相当クソだとわかるなおい)


この魔法陣の名前は送還の陣。召喚の陣とはまた別の術にして英雄召喚の副次能力だ。


魔力の流れ、術式構築を見るに後一分で元の世界に送還されるだろう…王都で待っている仲間達に挨拶したかったな…


今更駄々を捏ねてもどうとなる訳でもない…天神(あまのかみ)と戦う前なら打つ手はあったが…いや、たらればを言ってもしょうがねぇ受け入れるしか──


「──ろ!と──ひろ!!」


心の中で無理矢理納得させようとしていると、奥の方から声が聞こえてきた。


前を向けば…そこには王都で待っているはずの()()()だった。


(なんで…アイツらが…?)


俺が疑問に思っていると、仲間達の姿が消えたと同時に俺の目の前に現れ──仲間の一人が俺に抱きついてきた。その反動で地面に尻もちを着くがそのまま体制をキープした。


「ばかっ…何も言わないで帰ろうとするなんてっ…」


「ごめん。リーヤ」


リーヤと呼ばれた少女はかつて俺に剣術や武術を教えてくれた師匠であり、恩師でもある。


「ったく…この開発者を一発ぶん殴りてぇな」


「全くだ…有無言わずに送還とか舐めてんな」


「この術無効化させます?」


何やら物騒な物言いをする三バカトリオ…やめろ。

そうしたら帰れなくなるどころかどんな事になるか想像もつかん。リスクがあるわ!


「その気持ちだけ受け取っとくよ」


「でもよ…」


「いいんだよ。俺はケイン達と冒険できた。それだけでもう満足出来てる」


ケインは顔を俯き、悲しそうな顔を浮かべていた。


(会って初期の頃はすぐ泣いたりしたり、俺より弱かったり面倒がかかっていたのに…いつの間にか天神(あまのかみ)の配下九天将(ナインズ)と渡り合える程の実力者になってんだもんな)


「んな、しけた顔すんなよお前ら。笑顔で見送ってくれよな?」


その言葉を聞いて直ぐにしんみりとしたこの空気が変わる。


「そ、そうね…わかったわ!皆…笑顔で見送りましょ」


さっきまでこの術無効化させます?とかやべぇ事言ってた張本人が言うとなんか怖い。


「おうよ!マリナ!おいケイン!いつまでへこたれてんだ。そんで、リーヤ!はよ立て!」


マグナの無理なりな引き剥がしに抵抗するが…結局力負けして立たされる。


「うぅ…」


多分リーヤを力技で引き剥がせる奴はマグナぐらいなもんだろうな。そんだけリーヤは力が強いのだ


「立てるか」


マグナが手を差し伸べてきたので俺はそれに応え握る。


「あんがとよ」


「あ!忘れてました。回復!」


俺が起き上がったと同時にマリナが雑な詠唱で回復魔法を掛けてくれた。しかも最高位の…こっわ。


「これで一安心ですね!…ってあぁ!!もう時間が!」


咄嗟に足元を見てみると、送還の陣が光り輝いていて

時間がもうなくなってきた。なんならあと数秒…


「まぁ…なんだ。楽しかったぜ。それと、回復ありがとな。みんな幸せになれよ!」


送還の陣がさらに輝きだし、俺を囲む…そして──


「じゃあね!トモヒロ!!」


リーヤの言葉を最後に元の世界へと送還された。


--------------------

side:リーヤ


トモヒロが元の世界に帰ってしまった。最後に笑顔で送れた…頑張ったよね…私…頑張ったよ…だから…


「泣いていいよ、リーヤ」


マリナの言葉で一気になにかが解けた。そして、私は声を上げながら泣いた。胸にぽっかりと空いた穴を埋めるように…紛らわすように、ただ赤子のように泣いた。


ケインやマグナ、マリナも一緒になって泣きじゃくった。ひたすら…ひたすらと…大事な人…最愛の人とはもう会えない。その事実がどの悲劇よりも辛かった。


だけど、泣いてばっかじゃトモヒロに言われちゃう…「何泣いてんだよ。泣き虫か。前を見ろ、後ろばっか見るんじゃねぇよ」って…そうだよね。泣いてても始まんないもんね。


もう…大丈夫。


私は自分の涙を拭き、後ろを振り向く。


「へへっ、みんな酷い顔」


笑顔でみんなに告げる。自分の顔は今涙でぐしゃぐしゃだと思う…けど、今作れる最高の笑顔。


「へっ…リーヤてめぇもじゃねぇか…ぐずっ…っあぁ…」


「ほんとよ…ひっどい」


「うん。酷い」


三人とも涙や鼻水で酷い有様…トモヒロに見られたら…


「このままじゃ、笑われちゃうね…そうだ!エンジン組もうよ!」


トモヒロが居た世界で勝負前に皆の士気(しき)をあげる為にやる一つの儀式と言って良くやってた。


「いい案じゃねぇか」


「賛成だ!」


「そうね!!やりましょう!」


円になり四人で肩を組み──私は大声で叫ぶ


「トモヒロ!!私たち頑張るから!!」


「「「頑張る」」わ!」


私の声に続いて三人も大きな声で言う。


四人で涙を流しながら元の世界に帰った私達の()()に高らかに宣言した




──沢山の思い出をありがとう。貴方と過ごした冒険(日々)は忘れないよ──



本当はもう一つの作品で出そうかなって思ったけど…やめて新しくしました

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