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王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第四章 ダークエルフの村へ
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064.事前準備

 村に入って良いのだろうか? と思って門の入り口の所で困って立っていると、人が近付いて来る気配がする。

 これは村の手前から隠れて見張っていた誰かさんだろう。


「やあ、済まないね。あの子も父親が心配なんだよ」

 すらりとした黒髪黒目で褐色の肌の背の高い男が、謝りながらやって来る。


「いいえ、気持ちは分かりますから」

 謝る必要など無いと首を振る仕草で答える。


「兎も角、ようこそロスティクス村へ。人の子よ、君はどうしてここへ来たのかい?」

 父親の事で惑っているヒースを騙して付いて来たというのならば、我々も対応を考えなくてはならない。と、男は笑みを浮かべ言葉では歓迎を表してくれたけれど、目だけはこちらの反応を伺う様に笑っていなかった。


「俺は薬師なので」

 他種族が来れない様にとかなり慎重に村の位置を隠している割には、やって来た相手の口を封じてしまおうとか、強硬手段に出ない辺りが本質的には善良な種族なのだろうか。

 後で聞いたら、精霊に好かれている気配のする者が、悪い筈が無いだろうとの事だったんだけど。


「済まないが、君は子供に見える」

 不思議そうに首を傾げる相手だって、十分若く見えるし年齢不詳な感じがする。


「これでも成人しているんですよ」

 自分の意識の中では平均的な身長だと思っているんだけど、どうもこちらの人は総じて背が高くて、相対的に俺が背が低く見られるから腹立たしいんだよね。


「そうか。それよりもこんな所で立ち話も何だから、ヒースの家へ案内しよう」

 付いて来てくれ。と男は歩き出した。




「まあ、まあ、まあ!」

 王都から毒消し薬を作れる薬師を連れて来たってヒースが言っていたけど、何て可愛らしい薬師さんなのかしら。と出迎えてくれた女性は感激した様に声を上げた。

 彼女はヒース君のお母さんのシルビアさん。ヒース君と同じ様に銀髪で金色の瞳の、とても子供がいる様には見えないぐらい若々しい美人さんである。

 いやもう、エルフとかダークエルフとか皆年齢より若く見えるというか、年齢不詳過ぎて何とも言えないんだけど。


「こんな遠い所まで、わざわざありがとうございます。さっそく村長さんに知らせて、歓迎の準備をしなくちゃ」

 他種族と関わらない様にしているとはいえ、それはダークエルフが呪われた魔法を使う(実際は違うけれど)という偏見から来る迫害を避けるためであって、そうではない客人を追い出す様な事はしないらしい。

 偶に訪れる珍しい訪問者は、森の奥で暮らしている彼らにとっては、又と無い娯楽なのだ。


「ええと、ちょっと待ってください。今からまた出掛けなければいけないから」

 飛び出して行こうとする彼女を捕まえて、これから森に行かなければならないから、歓迎の為に宴会など用意されても困るのだと伝える。


「今から? 暗くなると魔物の動きも活発になるから危ないわよ」

 と、シルビアさんに心配そうに止められる。


「でも、お父さんを噛んだ毒蜘蛛を倒さないといけないので」

 毒消し薬には噛んだ蜘蛛の毒が必要な事と、王都にもウィルウルマイヨールの毒は保存されていなかったから、薬が作れなかった事。ここまで来たのは現地で蜘蛛を倒して、蜘蛛から毒を採取して毒消し薬を作るためだという事を説明した。


「蜘蛛の毒の採取に、どなたが行ってくれますか?」

 勿論現物を確認しないといけないから、自分も付いて行くつもりだと伝える。


「あの毒蜘蛛を……」

 誰に頼めるかしら……。と薬師が薬を持って来たとでも思っていたのだろう、シルビアさんは一転して暗い顔になった。


 本来なら森のもっと奥に生息する毒蜘蛛は、村の周囲の魔物何かよりもずっと強くて、見かけたら戦わずに逃げろと言われているぐらいなのだそうだ。

 その蜘蛛を倒して蜘蛛の毒を持ち帰るなど、死ぬか良くて大怪我をする危険があるのだ。

 とても誰かに頼めるような事では無い。


「俺が行く!」

 父親がまだ大丈夫な事を確認して一安心して戻って来たヒース君が、意を決した様に声を上げる。


「馬鹿を言わないで。あなたに行かせるぐらいなら、私が行くわ」

 シルビアさんが手を震えさせながら、反対する。


 うん。でも王都に来る道中の魔物に追われて逃げていた子とか、怖くて手が震えているお母さんとかに蜘蛛退治をお願いするつもりは流石にないかな……。

 俺と妖精達とユースタスでフォローするつもりでいるし、正面切って戦うつもりもないから本当は安全なんだけれど。


「俺が行こう。お前達では足手まといになるだろうから」

 そもそも二人とも、件の蜘蛛が何処に居るかも分からないだろう? と案内して来てくれた男が名乗り出る。

 何と彼はヒース君のお父さんの弟さんつまり叔父さんなんだそうです。


「それから、ウィルウルマイヨールは夜に狩りをするから、日中の方が塒に籠っている分見付けやすい。夜の内に準備をして、明日の朝万全の態勢で挑もう」

 との事だったので、罠の準備とか村の薬師の人に頼んで器具を借りて来て、毒を採取したらすぐに毒消し薬を作れる様に準備したりしたので、夕ご飯も急いで食べる感じだったので、シルビアさんは外の話が聞けなくてちょっと残念そうだった。

 ヒース君はお母さん似です。

 お話中々思う様に進まないなあ……。村の描写はまた次回にでも……。(お父さんが空気過ぎるし)


 それから、作中でお米に関して探しているとか書きつつ、見付けた描写が無いままお米を食べてしまっているのですが、言及されていない所で見付けたという事でお願いします。作者の記憶力が弱くて申し訳ないです。(でも皆さん細かい所まで読んでいて下さっていて嬉しい……)

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