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王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第四章 ダークエルフの村へ
63/73

063.後もう少し

 焚火をぼーっと眺めながら火が小さく爆ぜる音を聞いていたら眠くなって、大きくなって横たわったユースタスに寄り掛かって寝てしまいました。

 テントには入らなかった。折角買ったのに。……まあ一晩だけじゃ無いから良いんだけど。

 毛皮プラス体温の心地良さってヤバイんですよ。そうでなくても妖精達が俺の周りを適温に調節してくれているんだけど。


 木々の間から差し込む朝日で目が覚める。

 ゾーイに水を出して貰って、歯を磨いて顔を洗ってと身支度を済ませ、朝食の準備に取り掛かる。


 乾燥玉ねぎとチーズを削って入れたリゾットに、粗挽きの黒胡椒をパラパラっと掛ける。

 燻製した腸詰肉は蒸し焼きに。後は小ぶりのネーブルみたいなのを一人半分ずつ。それからハーブティ。

 今日も一日しっかり歩かないといけないから、朝からちゃんと食べるのですよ。


 調理中にヒース君も目を覚ましてテントから出て来る。

 昨日スープを食べながら寝ちゃったから、お腹が空いたのかもね。


「おはよう」

 リゾットを掻き混ぜながら、まだ目が覚め切ってい無さそうなヒース君に挨拶をする。


「おはようございます」

 と言いながら焚火の側に近寄って来たので、ゾーイに頼んで水を出して上げて貰う。

 ふよふよと浮いている水にびっくりして、それから恐る恐る突いてみたりしてる。


「使い終わったら適当にポイッとすると、ちゃんと捨てれるから、歯を磨いたり顔を洗ったりすると良いよ」

 何のために出された水なのか理解してい無さそうな感じだったので、一応そうアドバイスをする。


 ヒース君が身支度をしている間に、出来たご飯を注ぎ分ける。

 ヒース君に頼まれて(こっちが押し掛けてる感じがしないでもないけど)移動している訳なんだから、旅の準備とか食事の支度とかヒース君がすべきなのかもしれないけど、現在荷物も無くして薬代だけを大事に身に着けている子にそんな事を要求するつもりも無いし、道中の食事を固くて酸っぱい黒パンとしょっぱい干し肉を齧るだけで済ませようとしている相手に、食事の主導権を譲るつもりはこれっぽっちも無いのです。


 朝食を食べて後片付けをしたら、また道に戻ってヒース君の村へと歩く。

 途中でララに頼んで探して貰っていた薬草を採取したりしながらも、進むペースは落とさない。


 張り出した木の根や膝ぐらいまである下草何かで歩きにくいのに、ヒース君は必死になって歩いている。

 森の中はちょっと湿度が高目だし、ここら辺は気候も温暖な訳で、汗だくになってかなり辛いんじゃないかと心配になる。


 休憩も本当は取りたくないんだろう。定期的に休憩しようと声を掛けると、大丈夫とか必要無いとか言ってから、はっとして俺を見て渋々と同意する。

 村に近付いてきて焦るのは分かるけど、倒れてしまうのも困るから、立ったまま立ち止まって水筒に入れた水と黒砂糖を固めた欠片を口に入れさせる。


 お昼も後ちょっとだから食べずに進みたいと言うから、それこそ干し肉や携帯用のビスケットを食べながら歩き続ける。


 我武者羅に急いでも、どうせ毒を持っている魔物自体を倒して毒を手に入れなければならないから、今ほんの少しの時間を急ぐ事にそんなに意味は無いんだけれど、居ても立っても居られない気持ちは十分分かるから、何も言わずに好きにさせる。

 いやまあ、俺の身体が丈夫で付いて行くのが余裕だから(と言うか、ヒース君よりも余裕が有る)っていうのもある。


 こんなに急いで音だって立てているし、魔物避けの香も炊いて居ないけれど、魔物の気配が近付くとユースタスが遠吠えをしてくれて、そうすると大体魔物は遠ざかって行ってしまう。

 ここら辺はまだ森の奥じゃ無いから、これぐらいの脅しで大丈夫なんだって。


 そんな感じで、正午を回ってから更に鐘一つ分ぐらいの時間を歩いて、漸くヒース君の、ダークエルフ達の隠れ里に到着した。

 村のちょっと手前から、誰かに見張られている感じがしたけれど、ヒース君と一緒に居るからなのか特に誰何もされず、陰から付いて来るだけだった。


 辿り着いた村は、周囲を木の柵で囲われていて、鬱蒼と木々が生い茂る森の中では、侵入者を防ぐというよりも、森と村とを分ける役割を担っているようだった。


「着いたっ……!」

 柵の途中に作られた入り口を通り抜けると、ヒース君はそう言って駆け出して行ってしまった。


「所で、俺達村の中に勝手に入っても良いと思う?」

 何と言っても他の種族と関わらない様に、こんな森の中に隠れて住んで居るような人達なのだ。

 下手に刺激して揉め事になっても困るしなあ……。と、入り口の所で途方に暮れるのだった。

 ヒース君が気が付いて戻って来てくれれば良いけど、多分お父さんの事で頭の中が一杯になってるだろうから、戻って来ない気がするんだよね。

 やっと村に着きました。そして置いてけぼりに……。

 携帯用ビスケットと言えば、私はカロリーメイトのフルーツ味が好きです。デイライト君が食べてるのはもっと固くてドライフルーツとかナッツがゴロゴロ入ってる奴ですが。

 カロリーメイトをおやつ代わりにもぐもぐすると太るんですよね……。たまーに食べたくなるんだけどなあ……。

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