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王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第三章 生活環境を整えよう
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057.出発準備

 王宮図書館の司書さんにお礼を言って本を返却して、暗くなった街中を出来る限り急いで家に帰る。


 王城の近くの貴族が住んで居る区域や、大商人何かが住んで居る様な区域は、通りを照らす様に街灯の魔道具が一定間隔で置かれている。

 こうやって明かりを灯す事で、犯罪率が下がるんだって。

 平民が住んで居る様な区域は、通り沿いの店の明かりが暗闇を照らす光源なんだけど、酒場や夜に営業している様なお店以外も、大方の店は軒先にランタンぐらいの大きさの明かりの魔道具をぶら下げている。

 勿論奥へ入れば明かりも少なくなって、破落戸に絡まれる事もあるのだけれど、定期的に衛兵さん達が巡回していたりして、思う程治安が悪い訳でも無いらしい。


 まあ、急いで帰りたいからなるべく暗い所を選んで走っている訳なんですけどね。

 破落戸が絡んで来ようとしても、呼び止める前に通り過ぎてしまうから問題ないんですよ。




 家に帰って、勝手口からそっと中に入る。


「ただいま~」

 小さ目の声で言ったんだけど、妖精達は皆台所に居たみたいで、一斉にこっちを見た。


「お疲れ様でしたのう。ヒース殿なら風呂に入れたら眠くなった様で、客間で寝かせておりますぞ」

 気になっていた事をオスカーが教えてくれる。


「大分疲れてたみたいで、ご飯食べてる時点で半分寝ていたよ~」

 エドワードも控えめに跳ねながら教えてくれる。


「そかそか、皆ヒース君のお守りありがとうね」

 魔道具の焜炉でお湯を沸かしたりと、お茶の準備をしながら妖精達から報告を受ける。

 適当に残り物をユースタスと分け合いながらお腹に収めて、残り物と言えば家にある食材で日持ちし無さそうなのを処分しないとだなあとつらつら考える。


 食後にお茶を飲んで一息……といきたいところだけど、留守にする間の事も有るから、エレンさん宛にお店の事とか在庫の事とかを記した手紙を用意する。

 ついでにデニス達薬草採取を頼んでいる子供達が来た時の、買い取りもお願いしなければ。

 薬草も勿体ないから、根元を括ってその辺にぶら下げて乾燥させておいて貰うよう頼んでおこう。

 子供達にも留守にする間の事を手紙に書いて。これもエレンさんに渡して貰う様に頼まなければ。

 色々頼んじゃうから、エレンさんには特別手当を弾まなければと思うけれど、まあそれは後で考えよう。


 ストックしてあった材料全部使って、下級回復薬と中級回復薬と需要の多い毒消し薬を一気に作る。

 一気に作ってしまいたかったから、調合用の過熱の魔道具と、この前作ったホットプレート用の魔道具と、オスカーに頼んで並行して煮出す。

 手が足りない……! けど、魔力は別に途切れても失敗する訳じゃ無いから大丈夫の筈。

 ちょっと料理用の鍋とか使ったけど、回復薬だから多分問題無い筈……!


 出来上がったら漉して冷まして瓶詰して封紙を貼って。仕切りをしてある木箱に並べる。

 薬を作るの自体は一気に出来るしそれ程時間が掛からなくなったんだけど、瓶詰したりとかはちゃんと量を揃えないといけなかったりで、何だかんだと時間が掛かってしまった。


 回復薬を入れた木箱は、店から家の方へ入って直ぐの所に積み上げて置く。店の方に全部置ければ良かったんだけど、結構有るからカウンターの内側に置いたら居場所が無くなっちゃいそうだったし。


 留守にする間の薬を作り終えたら、自分の分の簡単な荷作りをして、お風呂に入って、短時間だけど朝まで寝る事にする。

 妖精達は荷物は必要無いし、後は野営が出来る装備と、食料をどれだけ持って行くかかなあ。

 どちらにせよ買い物は朝にならないと出来ないから、少しでも寝て体力を回復させておかないと。

 起きたらヒース君に毒消し薬の事を説明して、調薬に使う器具で足りない物を梱包して、ユースタスには悪いけどアイビン先生の所に再生薬の材料を貰いに行ってもらって。

 造血剤の素材は多分南の森に行く道中で採取出来る筈。それ程珍しい物じゃ無いから。

 エレンさんが来たら、留守をお願いして手紙を渡して。

 それから必要な物を買って出掛けよう。

 お昼までには王都を出られると良いな。


 布団に入ってから、明日起きてからの段取りを頭の中で確認する。




「で、結局坊主が付いて行く事にするのか?」

 南門の所で、ヒース君の仮の身分証を返却して保証金を返して貰う。

 付いて行ったら、旅装を見咎めたジョンさんに、呆れた様に確認された。


「うん。乗り掛かった舟だしね。見捨てちゃったらずっと気になると思うんだよね」

 お父さんが死んじゃうなんて可哀そうだ、絶対助けなきゃとかそういうんじゃ多分無いんだと思う。

 ここで手を貸さなかったから、ふとした折に思い出して、そう言えばどうなったんだろうかとか、あの時手助けしていれば良かったとか、抜けない棘の様にチクチクと引っ掛かるんじゃないかと思うんだよね。

 そんな風にずっと煩わされるぐらいなら、長くても一月も必要無いぐらいの時間だし、特に目的とかやらなければならない事とかが有る訳でも無いから、思う様に動いてみても良いんじゃないかなって。


 それにこんな事でもない限り、ダークエルフ達の村に訪れる事なんて出来ないんじゃないだろうか。

 だからこれも、楽しく好きな様に暮らすっていう目標に合っているんだよ。多分。


「そうか、くれぐれも気を付けてな」

 と、ジョンさんは苦笑して俺の頭をぐしゃぐしゃと掻き回した。

 一応俺も成人してるんだけどなあ。

 という事で第三章が終わって次話から第四章になります。

 まあ何時もの通り別に間など空けずに三日後になる筈です。


 読んで下さってありがとうございます。次話からちょっと遠出します。王都~じゃなくなっちゃう!


 ブックマークなど何時もありがとうございます。むっちゃモチベの源になっております。

 続きが気になるな~とちょっとでも思われたら、評価や感想などもお願いいたします。

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