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王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第三章 生活環境を整えよう
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054.何をすれば良いのだろう

「王宮薬師に関してなら、伝手が無い訳でもないかな」

 俺の師匠はアイビンさんだしね。


「ただし、話を通して見るぐらいは出来るけど、薬を作って貰えるかって言うと難しいと思う」

 王宮薬師の研究棟といえども、王都近辺の魔物の持つ毒に対する薬か、騎士団が定期的に討伐するような魔物の毒に対する薬しか常備していない。

 珍しい魔物の毒に関する書物は有っても、毒消しを作る素材を網羅しているかと言うとそうでも無いのだ。

 何せ乾燥させればそれなりに持つとはいえ、素材には使用できる期限と言う物が有るのだし。

 後は、貴重な薬草だったりした場合、費用の面も有るけれど、王宮薬師と付くだけに、王族や高位貴族のための素材であって、平民には使ってくれないのだ。


「でもまあ、何の毒かも分からなければ、毒消し薬に必要な素材も分かって無いのに、無理かもとか言ってても解決方法も探せないし。だから、諦めるのは何が必要なのかを調べてからにしよう」

 やりもしない内から諦めようなんて、命懸けでここまでやって来たヒース君に言えないし言う気も無い。


「しょうがねえなあ。……じゃあ、先ずは魔物の特定からか」

 どかっと椅子の背凭れに寄り掛かって、ジョンさんは乗り掛かった舟だし付き合うさと頭を掻いた。


「主殿が肩入れするのならば、私の名でこの子を預かろう」

 少しは上に顔が利くのでな。何かあった時の言い訳ぐらいにはなるだろう。とユースタスが言う。


「……さて、お前の父親は蜘蛛に噛まれたと言ったな。どんな蜘蛛だったのか、分かる範囲で出来るだけ詳細に言ってくれ。……それから生息地も」

 勿論お前たち(ダークエルフ)の村の場所に関しては、口外しないと誓うからとジョンさんはとても真面目な顔をして、胸に拳を当てて宣誓した。


 ヒース君が語った事を纏めると、ヒース君は王都から南に一週間ぐらいの所にある深い森の中に住んで居るとの事。

 森の木は密集していて、足場が余り良くないから騎乗出来る様な生き物は飼育して居なくて、基本的には自分の足で移動しているらしい。(なのでヒース君は徒歩で一週間って言ってるけど、普通の人の基準だともっと掛かるかもしれない)

 件の蜘蛛は、ヒース君達の村よりももっと深い森の奥に生息していて、森の奥の方はかなり強い魔物が多く居るため、村の人は近付かない様にしているらしい。

 ただ、最近ぽつぽつと強い魔物が村の近くまで出て来る様になったから、もしかしたら森の奥の方に更に強い魔物が生まれて、外へ外へと押し出されて移動して来ているのかもしれないと、村の大人達は言っていたらしい。

 苦労して森の中で畑を開墾して、細々と生活出来ていたけれど、村を移動させなければならない時期になったのかもしれないと、話していた矢先の事故だったらしい。


「俺の知っている範囲で判断するなら、その蜘蛛はウィルウルマイヨールじゃないかと思うんだが」

 大人よりも二回り以上も大きく(大体二メートル半から三メートルぐらい)、黒くて腹部の背側に緑色の星模様が幾つもあって、樹上から飛び掛かって来て噛み付いて獲物に毒を与えて動けなくなった所を捕食するらしい。

 直ぐに死ぬわけでは無いけれど、回復薬では治らず、血を吐いてやがて死を迎えるのだとか。


「取り敢えず、今の段階で決めつけてしまうと危険だから、候補に入れつつ生息地と特徴で該当しそうな魔物を全部調べて、対応する毒消し薬の作り方も調べて来る」

 王宮図書館から該当しそうな本をアイビン先生に頼んで借りて来て貰わなければ。


「て、ああ……。もう夕方か……」

 今からお願いに行くには、時間が少し遅過ぎる。

 ヒース君のお父さんの命が掛かっているのにと、気ばかりが焦ってしまう。


「主殿。これを持って行けば、アイリーンに頼まなくとも、王宮図書館に直接入る事が出来るぞ」

 と、ユースタスが銀のプレートを渡してくれる。

 薬師の研究棟への通行許可証に似ているけど、どうやら王宮図書館の入館許可証らしい。


「王宮関係ならちょっとは無理が利くと言っただろう?」

 と、得意そうに言ってウインクをする。


「覚えてたんだ」

 ありがとう。と受け取って、失くさない様に大事に鞄の内ポケットにしまった。


「よし、じゃあ俺は王宮図書館に行って調べ物をして来るから、ヒース君は俺の店で身体を休めて置いて」

 何時でも出発出来るように、ご飯を食べてちゃんと眠って体力を回復させて置く事。と、放っておくと休まなさそうなヒース君に先に釘を刺す。

 ついでに妖精達にも見張りを頼む。

 ご飯は今日は帰り道に屋台で何かしら買って帰れば良いだろう。

 やる事が決まれば、後は動き出すだけだ。


 気合を入れていると、ジョンさんが仕方が無いな~みたいに肩を竦めて、ヒース君に顔を隠すためのちょっと古びた布切れを巻き付けてくれた。

 でもそれ、ちゃんと洗濯したほうが良いと思うよ。こっちまで埃が飛んで来たんだけど。

 ジョンさんは独身のおっさんなので、気が利く様で色々抜けています。仕方が無いよね!

 と言う訳ですが、モンスターの名前とか難しい……。毒蜘蛛じゃ駄目なんですかね……。別の種類が出た時に詰みますね……。


 ブクマ評価などありがとうございます。書いてポイント入れて頂いて嬉しくて続きを書くみたいな感じでやっています。これからもよろしくお願いします。

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