表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第三章 生活環境を整えよう
53/73

053.子供に優しいと言えばこの人です

「ジョンさあ~ん!」

 王都に着いて、門の所です。身分証を持たない者の受付に並んでいます。


 眠っちゃったヒース君が、身分証を持っているかどうかも分からなかったし、後ちょっと何かやな視線を感じるから、一番話の通じそうな所に並んでみました。

 受付に出ていなくても、ジョンさんかノエルさんを呼んで貰えば良いしね。


「おう、久しぶり……って、ちょっと奥で話そうか?」

 ジョンさんは何時もの様に、怠そうに片手を上げて挨拶してくれたのに、こっちを見た途端に眉間に大量の皺が発生しましたよ。


 門の中の小部屋みたいな所に連れて行かれました。


「何ちゅうモンを持ち込んでくれたんだ……」

 机を挟んだ向かい側の椅子に、ドカッと身体を投げ出す様に腰掛けて、ジョンさんは深い深い溜息を吐き出した。


「話が全然見えないので、説明をお願いします」

 多分ヒース君の事なんだろうけど、でもこの子が犯罪者とかそんなのには思えないんだよね。


「坊主の担いで来たソレは、ダークエルフだろ?」

 とジョンさんが後ろのベンチみたいな所に寝かせたヒース君を指差す。

 そろそろ起こそうかなと思ったんだけど、視線の意味も気になるし、事情を聞いてからにしようかなと思って寝かせたままである。


「多分?」

 本人に確認した訳じゃ無いからね。俺の思っているポイのと本物とは違うかもしれないし。


「まあ、その外見なら十中八九はダークエルフで間違いないだろうが。……ダークエルフは基本的に立ち入り禁止なんだよ」

 苦虫を噛み潰した様な顔でジョンさんはそう言う。


「ダークエフルが立ち入り禁止などと言う法は聞いた事が無かったが?」

 法が変わったとも聞いていないのだが? とユースタスが唸る。

 門なり、それよりも上の機関なりの裁量で法を捻じ曲げていたのだとしたら、問題である。


「あー……。ダークエルフは闇魔法を使うでしょう? なのでとても忌み嫌われているのです」

 このまま王都に入っても、石を投げられたり暴力を振るわれたりで、早々に揉め事を起こすだけなのです。だから法では禁止されていなくても、安全のために門で立ち入りを止めるのだと、ジョンさんは肩を竦めた。


「うわ~、びっくりするような風評被害!」

 エドワードが飛び跳ねて驚きを表す。

 最近ジョンさんの前とかユリアナさんとかエレンさんとか親しくなった人の前だと隠れる気も無いのね。


「闇魔法にそんな恐れられる様な力は有りませんのう」

 精々が眠りに誘う位ですかのう。と、オスカーも机の上で頷く。

 そうだよねえ。闇魔法使うぐらいでそんなに嫌われるって、闇竜の俺はどんだけなんだって話になるし。


「闇魔法と呪魔法を混同しているのかしらねえ?」

 呪魔法は人を病気にしたりとか不幸にしたりとか、余り気持ちの良い物ではないものねえ。とゾーイが尾鰭を揺らめかせる。


「呪魔法は世界の理とも遠く、神聖魔法の様に神様に祈る訳でも無い、人の子の間から生まれた魔法ですから。厭わしい物なのですわ」

 と、ゾーイも頷く。


「ダークエルフには忌むべき力など無い。どこで認識がすり替わったのか」

 嘆かわしいとユースタスも頷く。


「あ~。……しかし、実際に問題が起きる事が分かっていて、私は入門の許可は出せません」

 子供が石を持って追い払われるのは見たくないのだと、ジョンさんは首を振った。


 相変わらずジョンさんは子供に優しいんだよね。


「例えば、ローブを被って顔とかを見えなくしてなら駄目かな?」

 褐色の肌程度なら、それ程多くは無いけど王都みたいな人の多い都市なら居ない訳でも無いし。


 と、流石に話し声が煩くなって来たのか、ヒース君がやっと目を覚ました。


「ヒース君、見た目隠さないと王都に入れないみたいよ?」

 知ってた? と確認してみれば、こくりと頷く。


「俺達が嫌われている事は知っている。だから、森の奥で隠れて住んで居るんだ。……でも、どうしても薬を手に入れないと、父さんが死んでしまうから」

 だから万が一に賭けてここまで来たのだと言う。


「薬?」

 森の中で手に入らない物って言ってたのはその事だったのか。

 確かに王都が一番薬の種類は豊富だろう。


「うん。……最近森の奥の奥にしか居ない筈の蜘蛛が、村の近くまで出て来るようになって、父さんがそいつに噛まれたんだ。村の薬師の作る薬では解毒できなくて、今回復薬を飲ませて持たせてるけど、いつまで持つか分からないし……。だから、薬を買ったら直ぐに出て行くから、ちょっとの間だけで良いので、お願いします」

 とヒース君は頭を下げる。


「う~ん、そう言う事なら許可を出して上げたいけど、しかしなあ……」

 ジョンさんが髭を擦りながら、唸る。


「先ず、森の奥の奥の方に生息している魔物の毒の場合、王都の普通の薬屋では毒消しを取り扱っていない可能性の方が高い。それから、もし扱っている所が有るとすれば、それは王宮薬師の所しか無いと思うが、王宮薬師は基本的に貴族だから、伝手を探すのが大変になる。そして貴重な素材を使って薬を態々作ってくれるかどうかも分からないし、幾ら掛かるかも分からない」

 余り期待はしない方がいいだろう。とジョンさんは呟いた。

 風評被害です。

 精霊魔法というか属性の魔法は良いも悪いも有りません。理の力を使っているだけなので。

 とは言え、理が何か分からない只人には理解しろと言っても難しい問題です。魔法使い達でさえ殆ど理解していない世界なので。


 と言う訳ですが、久しぶりのジョンさん。お気に入りのキャラです。ノエルさん(爽やか門番さん)を出せなかったのが悔やまれる。


 読んで下さってありがとうございます。

 何か難しい事言ってますが、これはゆるふわファンタジーです。基本的に皆幸せに暮らしましためでたしめでたしで行く予定です。

 面白いな~と思ったら、評価やブックマーク、感想などお願いします。更新の原動力ですので!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ