表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第三章 生活環境を整えよう
41/73

041.カルチャースクールとか無いのかな?

 さて、薬草の目途も付いたし、次は何をしよう。

 実は薬屋って、日中割と暇なんだよね。

 朝は子供達が採取に行く前に寄るのと、冒険者達も出掛ける前に回復薬を補充して行ったりで、ぼちぼち来客がある。

 夕方も子供達が納品に来るのと、冒険者達が慌てて毒消しを求めてとかで駆け込んで来る。

 その分日中は余り来客が無いのだ。

 普通の薬師だったら調薬に時間が掛かるから、日中はそちらに掛かり切りになっているんだけど、俺は魔力量が多いから下級回復薬とかまとめて作ってしまえるし、時間も掛からない。


 どこかに出掛けるには時間が足りないし、何もせずに過ごすには毎日だから勿体無い。

 て事で、家で出来る何か無いかな?




「なので、お勧めを教えて下さい」

 自分一人で考えていても思い付かないし、妖精達も余りそういった事に興味が無かったみたいで、額を寄せ合って話し合っても進展がみられ無さそうだったしで、それならと詳しそうな知り合いを訪ねる事にした。


「……俺は仕事中なんだが?」

 ちょっと不機嫌そうな顔をして返事をするのはジョンさん。門番やってる兵士のおっさんです。

 怒っている様に見えるけど、ポーズだけだって知ってる。ジョンさんは良い人だしね。


「まあまあ、そんなあなたにはこれを差し上げましょう」

 と、鞄を漁って持って来た物を机の上に並べる。


 門の所の受付で話し掛けるのは不味いかなと思ったから、一応ジョンさんが交代で奥の事務所みたいな所に引っ込んで来た所を狙ってみました。


「お、これって密かに噂になってる回復クリームでしょ?」

 横からひょいっと覗いてそう言ったのは、前に保証料を返却してもらう手続きをしてくれた爽やかなお兄さん。

 ノエルさんと言うそうです。


「そうですよ~。差し入れですんで、使ってください」

 おばちゃん達の取り置き分は確保出来たから、お世話になったしで五瓶程持って来ました。


「何だよ、その密かに噂って?」

 瓶を手に取って、引っ繰り返したりして眺めながらジョンさんが聞いて来る。


「これってハンドクリームに見えるけど、切り傷ぐらいなら治るらしくて、値段も半銀貨一枚とかだし手頃なんだけど、大っぴらに売り出して無いみたいで、知る人ぞ知るみたいな感じなんですよね」

 安いし使い切りじゃ無いから、宣伝すれば売れると思うんですけどね。と、ノエルさん。

 そしておばちゃん達が秘匿している情報を知っているってのは、やっぱりイケメンだからなのか……?


「そういや、俺は聞いたことないな」

 薬屋も回復薬の納品に来るけど、そんな話は一つもしてなかったぞ。と、ジョンさん。


「どうも数がそれ程揃わないらしくて、一部の女性の間で噂が回ってるぐらいだそうですよ」


「あ~……」

 多分しわ取りクリームになるからなんだろうけど。この件に付いてはバレるとやばいから黙っておこう。


「それ作るのに、乾燥していない薬草じゃ無いと出来なくてですね。そっちで薬を作ってる薬師が少ないからだと思うよ」

 乾燥した薬草の方が取り扱いが簡単だし、煮出す時間も通常だと短くて済むから。


「成る程ね。……そんな珍しい物貰っても良いのか?」

 と言いながら瓶の蓋を開けて、ジョンさんは顎にある切り傷にクリームを塗り込んだ。


「あっ、治りましたよ。ジョンさん」

 見ていたノエルさんが面白そうに目を見張る。


「ちょっと薬草臭えけど、普通のクリームだよなあ。……へ~、便利なもんだなあ」

 これなら回復薬をケチって治さなかった怪我にも使えるな。とジョンさんは嬉しそうに、ハンドクリームの瓶を手の中で転がす。


「作るの自体は割と簡単だし、その内もうちょっと出回る様になると思うけど、欲しいんだったら言ってくれれば取り置きぐらいはしとくよ」

 知り合いだし、王都を守る兵士さんだからね。贔屓するってもんです。


「おう、そん時は頼むわ」

 ぐしゃぐしゃっと頭を撫でて来るけど、一応俺成人してるって言ってあるんだけど、理解してないな?


「それはそうと、何かお勧めを!」

 髪の毛絡まるし! おっさんと違ってちゃんとセットしてるから止めて! と、ジョンさんの手を頭から払う。

 ノエルさんがささっと髪の乱れを直してくれた。優しい、イケメン! ジョンさん見習え!


「お勧めなあ……。空き時間に家か近辺で出来る暇つぶしねえ……。それよりも、勉強でもしたらどうだ? 見習い薬師殿」

 修行始めたばっかりだろ? と、デコピンして来て、怒ったララに眉間を突かれている。相変わらず懲りてないな。


「それがですねえ……、良い師匠に付く事が出来たんだけど、割とスパルタで上級回復薬とかはもう作れるようになったんですよね。それで、最近手に入りにくい素材を使う薬とかをレシピだけ教えて貰ったりとかになって来て。……研究者とかになる心算は無いんで、あんまり興味無いっていうか。作れる当てが無いのになあって思っちゃうんで。」

 それに珍しい薬は材料費が高いし需要もそうある物でも無いし。


「まあなあ、街の薬屋に上級回復薬なんて置いてあっても、売れる前に使用期限が来るわなあ」

 街の薬屋を探す前に、軍やギルドに駆け込むだろうし、そもそもそんな事をしていたら間に合わないだろうし。

 何と言っても素材が高額だし、作るのに必要な魔力が有るのは貴族とかになるから、平民の薬屋ではそもそも作れない。

 作れない物を買いに来る人も居ない訳で。

 使用期限が無ければ、色々作って備蓄しておくんだけど。


「そうなんですよねー」

 出来れば何か役に立つような暇潰しが有れば良いんだけど。

 て事でお久しぶりのジョンさんです。同僚のお兄さんはノエルさんです。

 ノエルさんは割と世話焼きです。ジョンさんがちょっとだらしないから……。

 きっと五人兄弟の長男とかに違いない。


 て訳ですが、読んで下さってありがとうございます。

 明日はクリスマスイブですね。相変わらずこの話は季節物の番外編とか有りませんが。(異世界だし……)

 皆さんケーキは食べますか?ホールですかショートですか?

 うちは22日が父の誕生日なのでそちらでまとめてケーキ食べて終わりです。


 ブクマなどもありがとうございます。年内まだ更新予定です。よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ