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王都ドラゴン魔法薬店~妖精達と一緒にスローライフ~  作者: 三和土
第三章 生活環境を整えよう
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039.気分は引率の先生

 出掛ける前に持ち物の確認をする。


 鞄は必須。こっちでは余り背負い袋を使っている人を見かけない。旅をする人なんかは使うらしいんだけど、王都みたいな人の多い所だと、背負っていると中身を盗まれたりする事が有るからだそうだ。なので体の前に回せる肩掛け鞄が主流。

 本当は革製の方が丈夫だし、ちょっとした雨なんかにも中身が濡れないから良いんだけど、革鞄は子供達が手にするにはちょっとお高い。そんな訳で丈夫な布を買って来て、針子志望のニーナちゃんがそれっぽい物を人数分縫ってくれたらしい。


 それからナイフ。薬草を採取するにも必要だし、何か有った時のための護身にも必要だ。

 これは俺から貸すという事で、採取に行く前に取りに来て、納品の時に返して貰う事になっている。

 自分の物が欲しいと思えば、その内お金を貯めて買えばいいだけだし、上げるというのは彼等の望む所ではないからだ。


 後は携帯食料と水。片道鐘半分(一時間半)ぐらい(子供の足だから多分ちょっと多目に掛かる)とは言え。何が有るか分からないから、備えはちゃんとしておかなければならない。


 それから採取した薬草を持って帰ってくるための袋。それから布に水を含ませて持って帰って来る事になったから、それを包むための皮の切れ端。これも俺から貸す事に。


 そして回復薬それぞれに一本ずつと、回復効果のあるハンドクリーム一瓶。

 これも使った時に原価分差し引くという事で、何もなければ納品時に返却すれば良いからと、無理やり持たせた。


「兄ちゃんはちょっと過保護過ぎるんじゃねーの?」

 鞄に詰められた携帯食料とか回復薬を見ながら、デニスが溜息を付いた。

 同じぐらいの年の子供達だって、薬草採取に行っている子も居るけれど、皆身軽な状態で行って帰って来るのにと。


「備えあれば憂い無しって言うんだよ」

 万が一が有った時に、自分を助けるのは自分しか居ないのだ。




 準備が整ったら、日を改めて朝から森へ採取へ出掛ける。

 門の所でそういえば……と思ったけど、俺と違って子供達は王都生まれの住民の子だから、ちゃんと身分証明証は持っていた。


 歩くペースはデニスに任せる。

 最初に片道鐘半分は歩ける事っていう条件を付けておいたから、誰も疲れたとかの泣き言は口にしなかった。


 森に着いたら、薬草の見分け方とか採取の仕方を教える。

 採取する時は、必ず一人は見張りに立つ様にさせる。


 それから、もし魔物が出た時にどうするかを、あらかじめ決めさせる。

 小鬼(ゴブリン)が出たら、戦うのか逃げるのか。戦うなら、何匹までなら相手にするのか。

 小鬼はそれ程足が速い訳でも無いし、隠れて近付いて来るような知能も無いから見付けやすい。だから逃げようと思えば、見張り役がちゃんと仕事をしていれば容易だけれど、そうやって一匹出る度に逃げていたのでは、薬草が思う程数が集まらない事になる。


 取り敢えず一匹だけの時は倒す事にしたらしい。二匹以上に付いては今後様子を見てとの事。


 手を貸さずに様子を見て、無理をしなければ何とかなりそうだと判断する。


「ううう~、でもやっぱり心配なんだよなあ……」

 子供達は薬草を見付けては銅貨二枚と喜び、小鬼を倒しては銅貨五枚だと喜んでいる。(冒険者ギルドに所属していないから、小鬼を倒しても討伐報酬分の銅貨五枚は支払われないため、魔石代の銅貨五枚なのだ)

 それでも、自分の感覚から言えば、小学校を卒業するかしないかぐらいの年の彼等が、小鬼とは言え魔物と戦うという事に抵抗を覚える。


「う~ん。……あのさ、この子達が採取に行く時に、誰かこっそり付いて行って貰うとか出来ないかな?」

 危なくなった時だけで良いから、助けて上げて欲しいんだけど。それ程難しい事では無い筈だから、思い付きで聞いてみる。


「それは出来かねますじゃ。デイライト様」


「僕等はデイライト様の眷属だからね」


「お側を離れては、主様をお守りする事が出来ません」


「一回だけとかでしたらまだしも、ずっとは無理ですわ~」


 全員に首を横に振られて、流れでユーステスの方を見てしまう。


「……私も無理だぞ。……それより、見守るだけなら別に我々じゃなくとも、精霊にでも頼んで置けば良いのでは?」

 そもそも見守りに妖精など、過剰戦力過ぎるだろうと呆れたように返される。


「えっ? 精霊にお願いって出来るの?」

 一部を除いて精霊は妖精と違って喋ったり出来ないから、ちょっとした力を借りたい何かは出来ても、難しい事は頼めないと思っていた。


「出来ますじゃよ。ただ、精霊(あやつ)らは形が定まっておらんので、心も移ろい易くてのう。継続するような事には向かぬのですじゃが」


「と言っても、渡した魔力分ぐらいは働いてくれるよ~」


「属性に寄っては、多少の性質の違いが有ります」



「相性が良かった場合は、長く付く場合も有りますわ」


「家は結界が張ってあるから、精霊達が入れなくなっているが、主殿が呼べば直ぐに集まるぞ」

 精霊は強い属性の力が好きだからな。との事らしい。竜である俺の側は居心地が良いんだとか。


「最初は主殿が少し力を渡す契約で、精霊等を呼び寄せて、ついでに子供達にも魔力を渡させる様にしておけば、何度かする内に相性の良い奴が付くようになるんじゃないか」

 との事らしいので、早速子供達を呼び寄せて希望を聞く事にした。

 ゲームとかでも居るんですが、後続さんについつい手を出してしまう駄目な先輩な感じのデイライト君です。そっと見守ろうよ!


 妖精さん達はデイライト君から特に何か貰っているという訳でも無いので、嫌な事は嫌と断ります。

 精霊と一緒でデイライト君の側は居心地が良い=力を溜めやすい感じです。


 読んで下さってありがとうございます。ブックマークも嬉しいです。

 のんびり話は進みますが、お付き合いよろしくお願いします。

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