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024.皆でご飯を食べよう

 道具を揃えたら、今度は材料です。

 普通の薬師は材料は購入するのかもしれないけど、俺はまだ自称見習い程度なので、自分で採取してくる事にする。

 これも中々難しい問題で、自分で採取してくるんだからただだとするのか、時間給を計算してどちらが効率が良いとするのか。

 まあ、回復薬が商品として売れるならそこは考えた方が良いんだろうけど、現在売り物になる様な物を作れる訳では無いので。


 日向にパウ草、日陰にメル茸。

 乾燥させて使えば良いから、ギルドに納品する時みたいにバケツ(仮)に水なんて張らなくても良いんだけど、まあ大した重さじゃないし、何事も最初から手抜きは宜しく無い。


 ちなみに今日のお供はララとゾーイです。昨日買い物に出掛けるって事でオスカーに付いて来て貰ったので、今日はオスカーとエドワードは偵察組。

 薬草関係ならララが詳しい筈なので、適材適所ですよ。


 と、思っていた時がありました。

 そうだよね。妖精達に人族の付けた名前なんて関係無いですよね。

 薬草の名前を言っても伝わらない。

 とは言え、これこれこういった効能のある奴と言えばちゃんと候補を見つけてくれるから、その中で薬草辞典に載っていたのと似た物を選べば良いだけなんだけど。

 パウ草は何度も納品していたから良いけど、メル茸は採取した事が無かったし。

 キノコは怖いって教わってたから、素人が手を出したら駄目なんですよ!


 色々あれもこれもと採取して帰っても、使い方が分からないからちゃんとした下処理を施す事が出来ないし、無駄にするのも勿体無いから、下級回復薬の材料にだけ絞って集める。

 ララも探すのを手伝ってくれたり、ゾーイも魔物が襲って来ないか見張りをしてくれたりした。


「どれぐらいのペースで使うか分からないけど、バケツが一杯になっちゃったから今日はこんなもんで帰ろうか?」

 丁度お昼位になって、用意して来た弁当を広げる。


 今日はオスカーが居ないから、お湯を沸かすのが大変だし、飲み物はあらかじめ水筒に入れておいた物。

 癖の無いお茶に、疲労回復効果のある白い小さな花を干した物を混ぜたのを使っている。薄荷みたいにすっとするけど、香りはそれ程強くなくて飲みやすい。

 フランスパンみたいに皮が固めのパンを厚目に切って、更に真ん中に切れ込みを入れて作ったサンドイッチは、中身がスクランブルエッグとオムレツの中間みたいな卵焼きのと、葉野菜とポテトサラダのと、サーモンっぽい脂の乗った魚の切り身を粒マスタードとパン粉の衣をつけたフライと玉ねぎのスライスしたの。

 後はフライドポテトと果物。


 偵察組は必要無いと言うから、弁当は自分とララとゾーイの分だけだしで、ちょっと寂しく感じてしまう。




 薬草採取中に出て来た小鬼は、ゾーイが倒してくれていたらしくて、帰り際に五匹分の魔石を回収してから街に戻る。

 腐る物でも無いから、ギルドに報告は他の用事が出来た時にでもしよう。


 門を通って、そのまま家に帰り着いたら、採取してきた物の処理をしなければ。


 パウ草は半分はそのまま使ってみようと思うから、半分だけ乾燥させる事にする。

 五本ずつ縛って、物干し竿にぶら下げて、日陰で乾燥させるらしいのだけど、庭もない家だから、倉庫の棚に竿を渡して干す。

 ララが風を当ててくれると言うので、お願いしておく。


 メル茸は汚れを丁寧に落としたら、五ミリ程度の厚さにスライスして天日干し……と行きたい所なんだけど、やっぱり庭が無いから倉庫の棚に板を渡してそこで干すことにする。

 うーん、これ何とかしないと駄目だなあ。


 今日の所は取り敢えず下処理を終えて、オスカーとエドワードが帰ってくるのを待ちながら、夕食を作る。




 日中メル茸の採取をしたり処理をしたりしていたからなのか、気が付いたら椎茸の肉詰めを作っていた。

 大丈夫メル茸は使っていない。

 それから筍と溶き卵の中華風スープ。自分はとろみを付けない派です。

 それから五目焼きそば。肉と海老が入っているちょっと豪華版。

 ネギを入れる人と玉ねぎを入れる人がいるけど、うちはチンゲン菜を入れているから、色目的に玉ねぎを入れる。

 でもまあ、余ってる野菜を入れれば良いんじゃないかな?


「偵察お疲れ様~の、かんぱーい!」

 と言っても、過ぎる程飲む人も居ないから、気分だけの乾杯である。

 蒸留酒を炭酸で割って氷を入れた物、ララとゾーイにはそれにネーブルっぽい果物を櫛切りにして入れる。

 請われるままに料理を取り分けたり、飲み物のお代わりを用意したりする。

 やっぱり全員でご飯を食べる方が良いなあなんて思いながら、パリパリに焦げ目を付けた焼きそばの麺を口に運ぶ。

 海老もぷりぷりで美味しい。

 焼きそばとか、麺と野菜炒めを混ぜた奴は、結構野菜を沢山食べれるから、色々作る気が起きない時には重宝するメニューだ。


 料理を全部食べ終わったら、空いた皿を流しに下げて、保冷庫から牛乳寒天を出してくる。

 保冷庫は大き目の本棚位のサイズで、断熱材で囲んであって、中には水属性の魔石と魔道具が入っていたり、氷屋から板氷を買ってきて中に入れて冷やしたりする奴だ。

 魔石を使う魔道具の方は結構お高くて、その代わりに温度調整がしやすいらしい。冷凍庫部分と冷蔵庫部分を分けたり出来るとか。

 庶民は大体氷を入れる方ので、うちもこっちを購入した。

 結構大きいので倉庫にしている部屋に入れてある。


 牛乳寒天は角切りにしたメロンとかマンゴーとかを入れて、琺瑯のバットに流し込んで冷やし固めたのを、ナイフで一口大に切ってから皿によそう。

 シロップが有ったらそれに浮かべても良いんだけど、今日は無いからそのままで。


「それで、偵察どうだったの?」

 楽しかった? どんな事してきたの?

 昨日はまだ半分の組が残っていたのと、彼らがごにょごにょと内緒話を楽しそうにしていたから、聞かずにいたことを聞いてみる。


「隠れて薬を作ってるのを見てただけだから、喋れなかったしそんなに楽しくなったよ~」

 もっと楽しいかと思ったけど、何か想像と違ってたと答えるのはエドワード。

 常に楽しそうにしているのに、どうやら今回はそうでは無かったらしい。まあ、大人しくしているのは苦手そうだけど。


「お役に立てるかどうかは、明日薬を作る時に分かりますじゃ。とは言え、工房に精霊の一人も居ない様な所じゃったので、参考になるかどうか……」


「出来上がった回復薬の成分とかはちゃんと覚えて来たから、大丈夫よ~」

 最初は失敗しても仕方ない事だし、気楽に行きましょう~。のんびりした口調でゾーイが言う。


「手順はしっかり覚えてきたので、問題ありません」

 と、生真面目な調子でララ。


「そっか。じゃあ、明日が楽しみだね~。よろしくお願いね」

 きっと、それぞれ言う事が違ってたりするんだろうなと思いながら、それはそれで楽しいだろうと考えると自然と笑みが浮かんで来た。

 食欲が落ちている時は麺類がうちの家では定番です。まあ、デイライト君達には関係無さそうですが。火山で平気に暮らせる子達なので。

 夏バテしてても食べないと体力落ちて余計に食べれなくなるので、バテていても食べられる物があると良いですね。

 てか食べてばっかりですね、うちの子達。書きながら牛乳寒天食べたくなりました。桃の缶詰とかみかんの缶詰とかとシロップに浮かべたら絶対美味しい奴です。


 読んで下さってありがとうございます。ブックマーク、評価などして頂けると、一人で書いた物が伝わってるんだなって思えるのでとても嬉しいです。


 今年はお盆に台風直撃ですね……。被害が少ないと良いのですが。皆さまもお気を付け下さい~。

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