濾過
言葉が言葉になる前の
落書きのような混沌
ゆらゆらとゆらめいて
文字に起こすと違うような
消えてしまうような
原液の感情をそのまま
浴びせられたら楽なのに
心臓に突き刺さった
詩の欠片を一つひとつ
自分なりに読み取って
幾度となく濾していく
余分な言葉を絞り落として
確かな結晶だけが残る
伝えたいこと
血液のように溢れる泉は
枯れかけたりしても
詩人であるのなら
全てを言葉にしたいなら
寝て見る夢も
叶える夢も
等しく現実に持ち帰って
空っぽに注ぎ続けよう
世界が遠くなる夜には
限りなく独りに近づくけど
本当の想いを叫び続けて
いつかどこかに届いたら
詩が書けなくなる夜には
限りなく終わりに感じるけど
それでも想いを叫び続けて
一滴でも零せたら
世界が遠くなる夜には
限りなく独りに近づくけど
本当の想いを叫び続けて
誰かに何か届いたら
詩が書きたくなる朝には
始まりを身近に感じるから
想いを叫んで叫び続けて
一滴でも濾過しよう