表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

30/54

29話


「レ、レヴィ!!アラシシシ血抜きしなきゃならないだろ?ビーちゃんに積むのも手が要るだろ?!!だから、なっ?なっ?1キロでもいいから。なっ?」

我に返ったルーフェンがレヴィの両肩を掴みなお迫る、、、、、必死だな、、、。


「う〜ん、そうだね〜。仕方ないなぁ〜」

レヴィはここ等を落としどころと考えてたんだろう、言葉とは裏腹にクスクスと笑ってる。


だがしかし!!!

俺はレヴィ程甘く無い。


『レヴィ大丈夫だ。一人で血抜きも積み込みも出来るよ』


「「「「えっ?!」」」」

皆が一斉に振り向いた瞬間、キラキラと荷台の幌が消えその光の中から赤いクレーンが現れた。


『レヴィ、おいで』

レヴィを近くに呼んで、クレーンの使い方を説明する。

アウトリガー付のこのクレーンは俺のバッテリーを利用した電動ウィンチが付いていて、最大800キロまで吊り上げる事ができる。アラシシシの一頭程度レヴィ一人でも軽々と積み込みができるだろう。


「「な゛っ゛!!」」

後ろで話を聞いていたルーフェンとサリューの絶望顔で飯が美味い。

まぁレヴィ同様本当に分け前をやらないつもりではないが、少々弛んだこいつ等に熱めのお灸は必要だろう。


「ビーちゃん駄目だよこれ。ロープか何かないと吊り上げられない」


『あっ、帯か!』

言われてみれば帯は愚かロープすら買ってなかった、トラックにロープはセットと言っても過言は無いのにすっかり忘れていた。

そんな事を反省しながらも、ここらを落とし所にしようかと考えていると


「ハッハー、やっぱり俺らの力が必要だろ。一人2キロで手を打つぜ?」

ルーフェンがここぞとばかりに一キロ上乗せしてくる。


「まてまてルーフェン、こいつの積み込みは大変だからな、3キロ位は欲しい所だぜ」

それに乗っかったサリューが更に1キロ乗せてくる。


「おっそれもそうだな。、、、、、、レヴィ3キロで手を打つぜ!」

二人は身体をほぐしながらレヴィに笑顔を向ける。

勝ち誇ったその顔がとてもウザイ、反省どころか助長している。

ナックはそんな二人を止めるでもなく頭を抱えていた。


『レヴィ、ちょっと来て』

再びレヴィを呼び出しグローブボックスから、追加購入した大量のタイミングベルトを取り出してもらう。

アラシシシの後ろ足にベルトを絡ませフックに繋ぐ。クレーンで吊り上げ血抜きをする。

その間に輪ゴムを繋ぐようにベルトを繋いでいき、長いロープを作り出す。

それをアラシシシの胴に回し適度な長さで括り付けて置く。血抜きの終わったアラシシシを一度降ろし胴に巻いたベルトをクレーンのフックにかける。


『さすがレヴィ、初めてなのに上手くできたな』


「ふっふー、ありがとビーちゃんこれ楽しいね」


『楽しんでくれたら何よりだ、さぁ街に行ってしっかりしたロープでも買おうか』

そう言って俺たちは動き出す


「ちょまっ!まだ乗ってねーよ」

呆然としていた三人は慌てて俺に追いすがる。

三人が荷台に手を掛ける瞬間を見計らって急ブレーキ


キッ!

  ゴンゴンゴンッ 


『なぁナック、護衛中に三人とも寝てたからと言って怒る気は無いんだぜ?俺たちを信用してくれてるからだろうし、俺たちも敵が来たら直ぐに反応してくれるだろうと信用してるからさ。だからと言って打ち合わせも無く寝こけてた事を忘れて更に助長するのはちょっと違わないか?』

  

「なんだよびーちゃん、ちょっとしたジョーダンじゃ、、、、」

                       「黙れサリュー!」

尻餅をついたまま冗談だったと訴えるサリューをナックが叱咤した。


「考えろお前ら、俺たちは護衛中に寝てたんだぞ?組合に報告されたら確実に降格するぞ?」


「んな事いっても、この速度のビーちゃんに追いつける奴なんていねーじゃん」

だから眠たくなっても仕方がないと愚痴るルーフェン。


「だからだろ。そんなビーちゃんが積荷も無いのに俺らを護衛としてのせてくれてる意味を考えろ」

雇い主が討伐した魔物の積み込み位で報酬を要求できる立場に無いだろうとナックが話してようやく二人も頭を下げた。




それ以降は余程こたえたのか、ルーフェンもサリューも目を皿のようにして辺りを警戒し続けている。視界が悪いと幌まで撤去してしまうほどだ。


「お前ら、幾らなんでもそこまで気を張ってたらもたねーぞ、、、、」

見かねたナックが言うが二人は頑なに譲らない。


『せめて交代で見張ったらどうだ?』


「馬鹿、そんな事してアラシシシを見逃したらどーすんだ!」


「馬鹿はお前らだ。そんな何匹もアラシシシが見つかってたまるかよ、、、、。」

ルーフェンの言葉にナックが呆れて言った。

アラシシシは専門にしている討伐パーティーでさえ月に一匹見つかるかどうかという獲物で、こんな短期間に3匹も遭遇した段階で奇跡のような物らしい。



物は試しとレヴィに頼んで目的地検索画面にアラシシシと入力して貰う。


[近隣の該当は6件です]

半径20キロを対象にアラシシシの位置が表示される。


『、、、、、、、、、、黙っておこうか、、、、』


「、、、、うん、そうだね、、、、」





ついに完全に追いつかなくなり、更新する頻度が狂ってしまいました。

読んで頂いてる皆様には大変申し訳なく思っております。

最大二週間以内と、更新目標が下がってしまいますが、不定期ながらもそれ以内に更新できるようがんばります。

出来ましたら、生温く見守っていただけますようお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ