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22話

『なんだよ、ナックだってあの魔法無傷で受けてたじゃねーか』

ナックが余りにしつこく聞いてくるので逆ギレしてみる。


「あのなぁ、これを見ろ、、、、、」

そう言ってナックは指にはめた指輪の一つを見せる。

丸く赤い石の付いた素朴な指輪だが、その指輪は高価な宝石に膨大な魔力を籠めて魔法を無効にするアイテムらしい。お値段なんと1個15万ポソ、更に使い捨てだと若干切れ気味にナックが訴える、、、、、、。


「通常の攻撃魔法程度なら確かに俺の盾やルーフェンの剣に付いている魔法減少の効果で限りなくダーメージを少なくする事は出来る、だがそれでも定期的に金払って魔力を籠めてるんだ、それこそ中級魔法を無効にするならこの指輪くらいの対価が必要で当たり前なんだよ」


「ナック、、、、もしかして今回赤字?」


「大赤字だ!!!」

まぁ、命あってのものだねなんだろうが、護衛ってのも大変そうだ、、、、、


「はぁ、話がそれたな、、、、、ビーちゃんの性能に関しては後日検証するとしてだ、例え一度きりだとしても中級魔法を無効に出来るなら頼もしい事この上ない。レヴィこの依頼受けてくれねーか?」

おいナック、検証って何させる気だ?


「う~ん。まだ時間はあるんでしょ?イセコドに着く前には返事するから少しビーちゃんと相談していいかな?」


「あぁ、勿論だ。無理強いするつもりは無いからじっくりと考えてくれ。因みに報酬は今回の比じゃないからな」

ニヤリと意味深な笑みを浮かべてからナックは町に戻っていった。


ナックよ、生憎うちのレヴィは金じゃ吊れないんだよ。





「ビーちゃん、どう思う?」

ナックが去った後も俺達はそのまま留まっている。


「俺としてはレヴィの意見を尊重したいから先にレヴィの意見を聞きたいな」


「ん~とねぇ。私としては前にも言ったけどナッサルみたいな高ランクの護衛との繋がりは維持したいから、借りを作っておくのは歓迎かな。それに報酬も良いみたいな事言ってたし」


『え?稼ぎすぎるのも嫌だって言ってなかった?!』

レヴィから報酬の話が出るとは意外すぎた。


「え?ビーちゃんお金好きなんでしょ?!」


『いや、、、、確かに好きだけど、、、その言い方はどうかと思うぞ、、、、、?』

言葉だけ聞くと金の亡者みたいじゃないか、、、、、


「あはは、それでビーちゃんは?」


「う~~~~ん、、、、レヴィがやりたいなら俺も賛成したいんだけど、今回は流石に相手の事情がややこし過ぎるからな、、、、、もう少し考えさせてくれ」

正直護衛云々より、取り巻くゴタゴタが心配だ。巻き込まれでもしたら目も当てられない。


「うん分かった。私も、もう少し考えてみるね。、、、、、それでさ、話は変わるんだけど、、、」


『うん?どうした??』


「始めて出会った頃と比べてビーちゃんうるさくなってない???」


『え、あ、いや、、、、うん、、、。うるさくなった、、、、』

マフラー変えたからな、、、チタンに釣られて、、、、、。


「やっぱり?それって大丈夫なの?壊れてるんじゃないの???」

余程心配してくれてたのだろうか?前のめりでナビを見る。


『いや、、、壊れては無いよ。それにもし壊れても自分で治せるから安心して。ほら、凹んだ時も直ぐに直っただろ?』


「そっか、よかったぁ」

ホッと安心して胸をなでおろす。その仕草がまた俺の心をギュッと掴む、、、。


『ってか、そんなうるさい?』

俺的には魂揺さぶるソウルサウンドなんだけどな、、、、いやまぁ他の人には騒音だって事は分かってるんだけど、、、、


「んー私はもうなれたけど、、、ビーちゃん気付いてる?音が大きくなってから私が何度か聞き直すものだから、ビーちゃんの声最近どんどん大きくなってるんだよ?」


『マジカ!!!』

駄目だ本当に浮かれすぎだ俺、、、、

ノーマルに戻すか、、、、、、戻せるのか、、、、、?


オプションメニューにも一切戻せそうな項目が無くて少しあせったが、単純に俺が念じればパーツの変更が利く事が分かった。

所持パーツの確認はグローブボックスで可能だった、設定的にはグローブボックスに買った品も外した品も入ってるようだ。

これは熱い仕様だ、これなら某国のタクシーも真っ青な車が作れそうだ。

それなら早速、、、、

     「ちゃん、、、、、ビーちゃん?!」


『おっ?!おぅレヴィどうかしたか?』


「それはこっちの言葉だよ、何度も呼んだのに、、、。どうかしたの?」


『あーごめん、考え事してた』

改造プランで頭が一杯だったとはいえない、、、、考え事には違いないし、、、、、。


「ならいいんだけど。そろそろ一度町に戻らない?お腹空いたよ。」


『あぁすまん、って、いつの間にか暗くなってるじゃないか!』

俺達は急いで町に戻り、適当な食堂の前に停まる。


「ちょっと行ってくるね」

そう言って食堂に入るレヴィの背中を見送る。

俺が居ながらレヴィに一人飯させるなんて、、、、、軽トラの身は結構気に入っているのだが、それだけがレヴィに申し訳ない、、、、、。




「お待たせ〜それじゃぁ行こうか」

俺を停めるために会館の馬車置き場を目指す。


『今日はどこに宿取ったんだ?』

もしもの為に場所くらい聞いておきたい。


「えー?どこも取ってないよ?」


『え?また俺の中で寝るのか?』

俺の中で寝るって、エロい響だな、、、自分で言ってちょっと照れた。


「そだよ、折角ビーちゃんが居るのに宿代もったいないじゃない。駄目だった?」

レヴィは通常運転だ、、、、


『駄目なはずがないよ』

クールを気取って答えたが、心の中は狂喜乱舞だ。

マジ嬉しいです、、、、、。


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