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20話

「それじゃぁ改めて今回の任務は完了だ。色々あったが全員無事に達成できて嬉しく思う。縁があればまた共に旅をしよう。」

ナックがリーダーらしく最後を締める。


「改めて世話になった。俺達は次の討伐依頼が入っているから予定通りここで分かれるが、レヴィどこを拠点にしてるか教えてくれないか?」

別れ際にザウスがレヴィに話しかける。


「んー、今は一応イニチョで部屋を借りてるけど今後はどうするかわからないかな?」


「イニチョを出るのか?」


「色々考えたいから、そのあたりは未定だなぁ、、、」


「そうか、俺達の準備が整ったら是非仕事を依頼したい、その時は指名依頼を出すので良ければ受けて欲しい」


「ありがとう、是非受けさせてもらいますね」


「そう言って貰えて安心した、それではまた」

ワイルドミートの4人は揃って軽く頭を下げて去っていく。



「俺も依頼の品を探すためここで分かれる。ワイルドミート同様レヴィに頼みたい案件が幾つかあってな、その時は是非お願いしたい」


「ありがとう、是非宜しくお願いします」

レヴィのその言葉を聞くと軽くうなずき、獣人ナッサルは背を向け片手を振りながら去っていった。



「、、、、、、、、、、、、、、?」


「どうしたレヴィ?」


「ザナッサルは行かないの?」


「まだ続くのか、、、、、まぁいい、、、。聞いてないのかレヴィ?俺達だけは一応帰りの護衛も依頼されてるんだぜ?」


「何それ聞いてないよ?」


「まじか、、、、、とは言え俺達も頼まれた仕事だから嫌と言われても困るんだが、、、、因みに俺達はこの街で少し予定があってな、出発するのは2日後になるんだが、それも聞いてないよな?」


「聞いてないねぇ、、、」


「はぁ、、、しょうがねぇなぁ、、、、、都合悪いか?」


「まぁ、問題はないよ、、、、、ね?」

レヴィの視線が俺に向く


”カッチ”


「よし、それじゃあ予定通り帰りも護衛させて貰う、よろしくな。」


「うん、お願いします。、、、、、、でも、走ってビーちゃんに付いてこれるの?」


「乗せてくれないのかよ!!!!」


「なにいってるの?私の仕事は配達だよ?」


「あーそうだな、すまん。幾らだ?」


「ふふふ、まぁナッサスだから普通の旅行馬車の半額にまけといてあげるよ」


「おー、そりゃ嬉しいが、いいのか?これはレヴィに話を通してなかった組合長の責任何だから請求は奴に回すぜ?」

ニヤリとナック、、悪い顔だ。


「えー!それじゃおまけ無し!!」


「それだけで良いのか?」


「さすがにそれ以上はいえないよ!」

流石はレヴィ、、、、出来た子だ。


「うーん、1日で帰れるんだろ?3倍出しても乗りたい奴は一杯いると思うがなぁ」


「その辺りは追々考えるよ、それじゃぁ2日後どこで合流する?」



そうして一度ナッサルと別れ俺とレヴィはこの街の共同会館に移動した。




「ただいま~」

会館の前に俺を停めて中に入ったレヴィが5分もせずに戻ってきた。


『おかえり、早かったな』


「折角だからイセコド方面の依頼がないか見てみたけど、ちょうどいい依頼が

なかったよ」


「依頼か、、、、なぁレヴィ一度聞いてみたかったんだがレヴィのやってる配達業ってのはどんなことするんだ?』


「ん~どんなも何も荷物を運ぶだけだよ?」


『荷物って言ってもレヴィは今までどうやって運んでたんだ?』


「あ~そういうことね。私が少し特殊なだけで他の配達の人たちは殆どが自分の馬車もってるよ。」

この世界の商人たちは基本的に自前の馬車を持っていない、盗賊や魔物が跋扈するこの世界に保険会社なんてものは存在しないので、

レヴィが今までやってた手紙の配達は馬車を持たずに出来る仕事だが、需要の面からも幾つかの街に一人居れば十分だ。全ての地区で誰かしらが独占しているので誰でも出来る事ではないらしい。

レヴィは親と死に別れ冒険者になるしか道がなくなったそうだが、初めて組合に登録した日、丁度その地区の担当が辞めたため引き継ぐ事ができたらしい。

馬車を持つ者は定期便の契約を持っている者と、フリーで活動し討伐や採取に追従するものに分かれる。

前者は比較的安全な街道を往復するだけなので危険は少ないが、護衛等は自分で雇う必要があるので、実入りが少ない。後者は常に危険が伴うが、その分依頼料が高額で護衛も雇い主が兼ねるので出費が抑えられ儲けが大きい。


『なるほど確かに運ぶだけだな』


「うん、だから世間的には無能の墓場って言う人も居るよ、馬車さえあれば誰でも出来るからね」


『うわ、それは酷い言い草だな、馬車って高いんだろ?無能じゃそんな金貯められないだろ』


「うん、だから馬車持ちの人は何かあったら真っ先に逃げる人が多いんだよ。それで余計にね、、、。」

高価な商売道具が壊れたら食えなくなるし、積荷も守らなくちゃいけない。

だから真っ先に逃げ出すんだろが、護衛からしたら分かっていても印象はよくないんだろう。

無能の墓場と呼ぶ世間には護衛職の者が多いそうだ。


”コンコン”

誰かが会館の脇に止まっていた俺の窓をノックする。


「おぅレヴィ!またあったな、帰りの仕事でも探しに来たのか?」

さっき別れたばかりのナックがいた。


「うん、請けれそうな仕事は無かったけどね」


「そうか、、、、後で話そうと思ってたんだが、良かったら少し話出来ないか?」


『なんだよ?無能になんか用か?』


「はぁ?何だ無能って???、、、、、あーあれか。あんなもん統率もまともに出来ない低ランクが勝手に言ってるだけだろ。、、、、、ってもしかして、レヴィが俺達にキツイのはそのせいか?!!!」


「えー護衛職ってだけで一括りで見たりしないよ、それじゃぁナックの言う低ランクと同じじゃない」


「あ~そうだよな、すまん。、、、ってか、それなら何で俺達だけ扱い悪いんだよ?!」


「ん~扱い悪くしてるつもりは無いけどなぁ、、、、しいて言うならノリ?」


「ノリかよ!!!俺らこれでも組合じゃ一目置かれてるんだぜぇ、、、、、、」

ナックがガクリとうなだれる。

また拗ねたら邪魔くさいからフォローしてやろう。


『ナック、人って第一印象が大事だと思うんだ。』


「ぐっ、、、それを言われたら何も返せねぇじゃねぇか、、、、まぁいいか、それでどうだ、話しする時間あるか?」


「うん。いいけどここじゃビーちゃん話しにくいから街の外行かない?」

よくよく見れば道行く人が皆ジロジロと俺を見ていく、幸いなのは俺が奇妙すぎて近づく者が居ない事か。

俺もレヴィが車内に居る時はナビ視点にしているから外の様子に気が回らない、話す時はもっと外にも気を配らないといけないな、、、、。



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