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17話

敵の別働隊を捉えたが、魔法が怖いので迂闊には突っ込めない。

円を描くように周囲を回りながら少し様子を見る。


『魔法打ち止めになってくれねーかなぁ、、、、、うお!』

突然、パチっときた。痛いというほどじゃなく、静電気みたいなものだ。


「ど、どーしたの?!」


『いや、ごめんなんか、静電、、、』

                ドンッ!

下から激しく突き上げられる、大きな石でも踏んだのか、そのまま俺は空を飛ぶ。

ゆっくり3秒数えられる程の大ジャンプ、着地の衝撃に何とか耐えるが、コントロールを失いスピンする。

3回転ほどして止まった俺の視界に入って来たのは、最初に見た巨大な火の玉だった。


『レヴィ伏せろ!!!!』

すでに巨大な火玉は目の前で、回避行動を取る暇もない。

無いはずの目を閉じてぐっと耐える。


”ズバーン”

激しい爆発音、俺のボディーがビリビリと揺れる


『レヴィ、大丈夫か?』


「う、うん、、、、窓で頭は打ったけど、それ以外はなんとも無い」

バケットはヘッドガード付だな。


「ビーちゃんは平気?動ける??」


『うん、、、どこも壊れてなさそうだ、、、、あ、ボンネット焦げてる』

焦げてるといっても、たぶん指で擦れば消えそうだ。

念のためステータスを確認する。

OPが増えてるだけで、これといった異常は見あたら無い。


「ふぁぁぁ、凄いね。さっきのたぶん中級魔法だよ。ビーちゃんってもしかして魔法無効の効果も付いてるの?」


『いや、そんな事はどこにも書いてないけどね?』

そういえば、さっき突き上げを食らった時のダメージも無い、普通なら足回りが大破してても可笑しくない衝撃だった。


『っと忘れてた、今はあいつ等やっつけないと』

正面から武器を振り上げ走ってくる三人の男の姿をみて思い出した。


再び一気に加速して敵兵を迎え撃つ。

まぁ、迎え撃つって言っても撥ねるだけなんだけどね、、、、、


並んで走る3人の真ん中目掛けて突っ込んでいく。


”ベシャ!”


『、、、、、、、、、、おぅ。。。。』

「、、、、、、、、、、」


さっきまでよりも些か速度が出ていたようで、フロントガラスに赤い液体が広がった。


辛うじて飛び避けた左右の二人は腰を抜かし座り込むが、10秒ほどで我に返り一目散に逃げ出した。


俺もレヴィも少々刺激が強すぎたようで、しばし固まる。


『ご、ごめんなレヴィ、やなもの見せて』


「うん、、、、大丈夫、、、、」

今まで跳ね飛ばしてきた中にも死人が出てるとは思っているが、やっぱり赤い液があると迫力が違った。


『戻ろうか、、、、』


「うん、、、、もどろう。」

ワイパーで血をぬぐい、皆の下に帰る。





「おお!レヴィすまなかったな、大丈夫だったか?」

「ありがとう、レヴィの機転のおかげで助かった」

俺達が街道に戻ると、直ぐにナックとザウスが駆け寄ってきて礼を言ってきた。


街道の方は俺の突入を切っ掛けに僅かに盛り返したらしい。

盛り返したといっても、押され気味から拮抗に持ち直しただけなのだが、そうこうしているうちにナック達が戻り敵を挟撃して殲滅したらしい。


「すげーなレヴィ、一体どんなスピードで当ればこんな事になるのか想像もつかないけどよ!」

何故かルーフェンは俺の真っ赤なフロントフェイスを見て嬉しそうだ。


「それでなレヴィ、ビーちゃんの事なんだがな、、、、、ちゃんと契約出来てるんだよな?」

ルーフェンとは対照的に些か神妙な顔つきで話すナック。


「そだよ?あげないよ??」


「いや!そんなんじゃないんだ、、、」


「ん?」


「あーそうだ、ビーちゃんにこれも積んで貰えるか?」

ナックは足元に置いてあった袋を手に持ち上げて言う。


「別にいいけど、なにそれ?」


「あー、、あれだ敵の遺留品だ。護衛中襲撃を受けたら遺留品を持って帰って客に見せるんだ。お宅の品をこんな奴が襲ってきましたよって具合にな」

商売敵の荷を襲わせる、なんて手法も少くないため、襲撃者の証拠は重要らしい。


「へ〜どんなのが入ってるの?」

袋を覗こうとしたレヴィをナックが食い止める。


「だーーーまてまてまて、レヴィは絶対見るな!」


「え〜〜!ナックのけち!!」


「ケチじゃねーよ!、、、、しょうがねぇな、、、首だよ首!不自然なくらい証拠になりそうな物が無かったからな、リーダーぽい奴の首がいくつか入ってるんだ」

経験上こういう場合は大抵裏があり、証拠が役立てばボーナスも期待出来るらしい、今回の相手は大物貴族と言う事もあって嬉しそうだ。


「ナック良いのか?」


「ん?あぁ、今は仕事を先に片付けてしまおう、ただまぁ意識しといてくれサリュー」


「分かった、それなら仕事の話に戻るが、、、、、商品はどこだ?」


荷台に載せていた岩石かぼちゃが消えていた。



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