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11話

四人が盛り上がってるだろう頃、俺は一人ステータス画面を眺めながら考える。


『一先ず修理しないとな、幸い大金が手に入ったことだし何とかなるだろう』


昨日に続き精も魂も疲れ果てたがこれだけはやっておかないといけない。


オプションから修理を開く


フロントバンパーやヘッドライトにボンネット、後部のあおりやテールランプ、ラジエターやコンデンサにパワステ付近の破損とフロントガラス等々……合わせて総額56900PS。

……意外と安く済んだと思えたが、出会った魔物が売れるものじゃ無かったらと考えたら恐ろしい。


早々各項目を選択していく、一つ選ぶ毎に該当箇所か光に包まれて新品のようになっていく。

人通りが少ない場所で助かった。




(残金520900PSか…)


修理を終えて尚、ステータス画面を見つめながらボーっと考える。

今すぐにでも眠りたいほど疲れているにもかかわらず、欲望が沸々と沸いてくる…


当初金は必要ないと言い張っていた手前、いきなり散財するのもカッコが付かない、とは言え今後の為に装備を万全にする必要はあるだろう。

特に今日のような魔物と対峙した時に玉砕アタックばかりじゃ先が見えすぎる…


『一先ずブルガードは必須だよな、俺が攻撃するとなると体当たりしか無いわけだし。そうするとリアにも頑丈なバンパーがほしいな。おっ、この辺りのデコトラ系のバンパー使えそうだな…後は強度のステもあげたいけど…おっ!特殊に追加されてる。……うわ!10ポイント10万OPかよ。ステータス系はOPでしか購入できないのか………あぁ、ごついバンパーつけたら重くなるな、それなら馬力も…』

死ななきゃ直らないという言葉を良く聞くが、俺の場合死んでも直ってないようだった。

ちょっとのつもりがあれよあれよと買うべきものが増えていく。




共同会館の脇の表通りから少し離れた馬車置き場でひときわ眩しい光が放たれる。



車名:スカル  

型式:T1-AT

駆動方式:4WD

排気量:658cc

最高出力:60ps/6100 rpm

最大トルク:7.5kgm/4,400rpm

燃料(FULL):37L/(37)

燃料回復量:1.3L/h 

燃料消費率:16km/ L

強度:175 

オプション:パワステ・パワーウィンドウ・オートA/C・ナビ・マフラー(チタン)・エアクリーナーエレメント・スーパーチャージャー・ブルガード・リアポールバンパー・エンジンガード・ブレーキパット・キャリパー6P・ロールゲージ・ボディ補強スポット・ショックアブソーバー・ブッシュ類・スタビライザー・リミテッドスリップデフ・ホイール・タイヤ(オフロード)

OP:495

所持金:400900Ps



『ふぅ、まぁ今はこんな物だろう』


前後を補強すべく金属製のパイプで作られたバンパーと剥き出しのエンジンを守るエンジンガード、万が一横転しても車内が守られるように5点式のロールゲージを付け、ついでにスポット増しで剛性を上げておく、それらで増えた重量を補うためにスーパーチャージャーを搭載し、速度と重量が増えたのでブレーキキャリパーの容量を上げ、パットも交換する。

足回りは車高を少し上げ、高扁平なオフロードタイヤで未舗装路に対応する、その分増えるロールは太めのスタビで補い、多少の乗り心地は犠牲にしてリアは固めのバネで固めてしまうのは俺の好みの問題だ、最後にオイル類も高性能な物に入れ替えて、合計12万Psだ。


まぁ基本的で何処にでもあるような面白味のない改造だが、費用を抑える為には仕方がない。

我ながら、湧き上る欲望を押さえ良くここで止めたと褒めてやりたい。

チタンマフラー?それは頑張った俺へのご褒美だ。


ってかなんだ?良く見れば回復量と強度がえらく増えている。

改造以外何もしていない筈なんだが…?


『あ…もしか…』

     「ビーちゃ~ん、たらいまぁ~~、、、、、あ~~なんか形変わってうぅ」


『おーおかえり…って酔っ払ってるのか?』


荷台に寄りかかるレヴィをドアを開けて車内に誘導する。


「ちょ~~っとお酒のんららけで、よってないれすよぉ~」


そんな事を言いながら、早々に三角座りして眠る体勢だ。


『それ、完全に酔っ払いのセリフだぞ…』


「そんなことないよビーちゃん!俺たりは楽しくご飯を食べてちょっとお酒飲んだだけなんだよ!」


足元のおぼつかないルーフェンがいつの間にかドアにへばり付き体を預けながらも胸だけ張って立っている


『おまえらなぁ、子供にこんな酒飲ませてどーすんだよ…ってか何もしてねーだろうな?!』


ってやばい、思わず普通に喋ってしまった。


余りに自然に話に入ってきたので、うっかりしてた。

話す魔道具なんて聞いた事が無いので出来る限り秘密にしようとレヴィに言われていたのだ。


「だから送ってきてんだすよ!!髪の毛一本触らせてくれまてんでしたよ!ビーちゃん喋っしゃるよ?!ドユコトドユトコ?!」


再びいつの間にかあわられたサリューがルーフェンの肩から顔を出す。


「ドユコトドユコト、イエェェイ!!」


二人で肩を組み拳を空に突き出し歩き出す、何がイエイなんだ…


「これにて任務完了!ナッサルはこれより特殊任務に入る!!!各自の判断で相手を見つけよ!散開!!」


ナックは仰向けに寝転びながら星空に敬礼してる。


『まぁ、これなら覚えてないか…』


サリューとルーフェンでナックを引きずりながら、再び夜の街に消えていった。








トントントンと誰かが窓をノックする。


『レヴィ、レヴィ…誰か来たぞ?』


夜明け前、辺りはまだ暗い。


「ん?う~ん…は~いどなたですかぁ?」


窓を開けてレヴィが答える。


「レヴィさんですね?朝早くにすいません。イセコド組合の組合長が至急お会いしたいとの事なのですが、今からよろしいでしょうか?」 



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