表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

マコちゃんの困りごと

作者: lavender

おともだちのパーティに招待されたマコちゃんは困っていました。


 何を着て行ったらいいのか。


お母さんに相談したかったけれどお母さんはパートで働いていてまだ帰ってきていません。


お父さんも忙しく残業続きです。マコちゃんは一人明日のパーティについて悩んでいました。


 とりあえず、洋服を選ぼう。


マコちゃんはクローゼットの前に来ました。大きなクローゼットです。


中にはお父さんの物が入っています。


マコちゃんの余所行きのお洋服もここに入っているのです。


マコちゃんは小さな椅子を持ってきてイスに上がりました。クローゼットのドアを開けました。


マコちゃんのお洋服は一番端にありました。マコちゃんは手を伸ばしましたがとれません。


「とれないよ…。もうどうしたらいいの。」


マコちゃんの目にみるみる内に涙が溢れてきます。


でもちょっと考えました。あの服だいぶ前の服だってこと。


 今は少し大きくなってしまっているので、着れないかもしれない。


そうなると、さらにマコちゃんは困りました。


「 何を着ていけばいいの。いつものお洋服じゃだめなの? 」


 他の子は『 オシャレしていかなきゃ 』とか言っていたけど。


 お母さんもお父さんもまだ帰ってこないし、どうしたらいいの。


 あんまり遅いと洋服屋さんだって閉っちゃうよ。


マコちゃんは小さなイスに座りながら考えました。


マコちゃんが考えているとプルゥーが傍に来ました。


プルゥーというのは猫です。


少しポッチャリとしたオス猫です。


マコちゃんはプルゥーがのんきに自分の前でリラックスしているの見ていまいましく感じました。


「 あたしがこんなに悩んでいるというのにプルゥーときたら 」


プルゥーはマコちゃんにスリスリしています。


プルゥーは名前のとおり


『 プルルゥー… 』


と唸りました。こうやってスリスリしてくる時はとてもリラックスしているらしいんです。


 おまえは本当にのんきでいいわ。


「 ゴハンはお母さんがあげるんだから。マコを困らせないで 」


プルゥーはじっとマコちゃんを見ています。


その目は真ん丸でとても可愛らしくマコちゃんは困ってしまいました。


「 プルゥーなんか私のお願いかなえてくれないんでしょ。だからあげない 」


マコちゃんはプルゥーに少し八つ当たりしてしまいました。


プルゥーは真ん丸な目でマコちゃんを見つめながら鳴きました。


「 マコのお願いは新しいお洋服が欲しいの。明日はパーティなのよ 」


プルゥーはマコちゃんを見つめながら頭の後ろを器用に掻いています。


「パーティなんて初めてなの。だからどうしたいいかわからないの。」


プルゥーはマコちゃんの話していることを聞いているのかどうかわかりません。


「お母さんもお父さんも遅いし。今頃言ってもね。だって話す時間なかったんだもん」


お母さんは家に帰るとご飯の支度、洗濯、に大忙し。疲れているし、マコちゃんが話しかけても眠ってしまいます。


お父さんは遅い時間に帰ってきて疲れたと言いながらオフロに入ってビール飲んでグタグタになってマコちゃんが話しかけても上の空です。


 カイシャってそんなに疲れちゃうのかしら。


マコちゃんはイスから降りました。プルゥーに話したところで何も解決しません。


マコちゃんは思いました。


 一人でお買い物に行こう。そうしよう。


でも困りました。お金がありません。


 お金…。


 お洋服っていくらぐらいするのかしら。


マコちゃんはお部屋の貯金箱を見ました。


マコちゃんは貯金箱を開けてみました。


全部で3348円あります。


でもこれは、お母さんがせっせと貯めていたものです。


マコちゃんは悩みました。


 とりあえず、洋服を見に行こう。


マコちゃんは近所の洋服屋さんに行きました。


子供服はありましたが、5000円しました。


マコちゃんはビックリしました。


店員さんはマコちゃんに

「 お母さんと次は一緒に来てね 」

と言いました。


マコちゃんは胸がギューゥとして少し恥ずかしくなりました。


欲しいもの買うにはお金がいる。


マコちゃんはこの現実を今日ほど感じたことはありませんでした。


お母さんの貯金箱のお金を全部持ってきてもあの洋服を買うのは無理です。


マコちゃんは家の前に来たとき、何とも言えない気持ちになって

泣いてしまいました。


そんなマコちゃんの傍に来たのはプルゥーでした。


マコちゃんはプルゥーを抱きしめました。


プルゥーは苦しそうな顔をしましたが我慢しました。


プルゥーの顔が夕日の光を浴びてとても神々しく見えます。


「 ああもう 夕方なんだ。プルゥーおうちに入ろう 」


プルゥーは動きません。


「 どうしたの? 」


 そうか、おうちに入ってからだとお母さんは休まないで動き回るからここで話そう。


プルゥーはマコちゃんを穏やかに見ています。


 ああ、お母さんが帰ってきた。


お母さんが自転車を漕いでくるのが見えました。


 今日こそ相談しよう。どうしても。


 明日パーティがあるんだけど、何を着ていけばいい?


 お母さんは何ていうかしら。


 プルゥーどう思う?


『 大丈夫だよ 』


エッ?


マコちゃんは周りを見回しました。誰もいません。


「 遅くなってゴメンネ。マコ 」


マコちゃんが考えごとをしている間にお母さんはマコちゃんの目の前に来ていました。


マコちゃんは慌てて話そうとしますがうまくしゃべれません。


「 おかあさん。今ね… 」


「 うん? 」


「ああ、ちがう。あのね…。」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ