表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ロスト・セレナ―ヨーフェンの黙示録

作者: EndThroughter

蜜柑。箱庭国際社会インフェルナ異伝用の原稿です。

世界観の説明は省きますので、関係者以外の閲覧はお勧めしません。

荒野を歩く老人がいた。

粗末な服を着て杖を手にし、よろよろと進むその姿は、むしろ哀れと言うべきかもしれない。ただ、何か全てを達観したかのような独特な雰囲気が、周囲の風景から彼を浮き上がらせていたのである。


太陽が自らの天頂に達したとき、突然立ち止まった老人がいた。

人一人として存在しない大地に、彼は静かに手を地についた。数秒後、老人は再び立ち上がる。その手にはいつ取ったのか、蒼く淡く光る壮石が握られていた。


たった一人、目を瞑って立つ老人がいた。

そのまま幾日かが過ぎた。ある晴れた日のことである。太陽が再び天頂にたどり着いたとき、不意に老人を軸に巨大なつむじ風が現れた。その中心で、彼は静かに目を開けた。そして、手中の石を真上に放り上げたのである。

風にあおられて、石が惑いながら落下してくる。次の瞬間、杖が目にも止まらぬ速さで一閃した。

カツーンと小気味よい音を立て、石は西の空へと飛び立った。

老人がつぶやいた。「東じゃな」




ヴァレフォール暦16年、母なる星ヴァレフォールは、有史以来の大災厄に見舞われた。3つある衛星のうちの一つ「セレナ」が軌道を乱され地球上に落下したのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ