表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/9

第7話:戦闘開始

「なかなかやるな。幻術が効いていないのか?」


「しばらく騙されちゃたけどね。お兄さんやるね。オンミョウジって言ったっけ?なにそれ?」


「なんだぁ?最近の妖も学力低下か?日本は目茶苦茶だな。」

襲撃者の顔に苛立ちが浮かぶ。妖気が陽炎のように揺らめくのが見えた。


「お兄さんムカつくね。死んじゃえば?」


端正な少年の顔に残酷な笑みが張り付き、するどく尖ったような妖力が放たれる。

しかし、鳴神には当たらない。左足で弧を描き、半身にて攻撃をかわす。右手に握られるのは、いつ取り出したのか、銃が握られていた。


「最近のガキは、ホントにキレやすいな!」


言葉とともに放たれる銃弾は3発。それらは違う事なく少年の姿を持つ妖に突き刺さる。


銃弾に込められた符が効力を発揮、妖の身体の三ヵ所から放射状に消滅が始まった。

少年の顔に苦悶の表情が浮かぶ。が、それはすぐに気に障る嘲笑へと転化した。

それと同時に身体の消滅が止まり、再生が始まった。すぐさま再生は終了し、少年は握っていた手をゆっくりと開く。その手からこぼれ落ちたのは先ほどの銃弾。軽い音を立て、床を転がる銃弾は、不思議な沈黙の中に沈んだ。

その沈黙をやぶったのは、襲撃者だった。


「お兄さん、僕、目茶苦茶ムカついたよ・・・。僕の名前は、苦死流くしる。お兄さんを殺すよ。」


「クシル?また妖とは思えない名だな。」


場を焦がさんほどの殺気を受けてなお、鳴神の口からは軽口がこぼれ出る。


「お兄さん・・・いい加減にしろよ!!行け!」


クシルが手を横に薙げば、先ほどまで幻術で力を無くしていた雑鬼たちが我に帰り、すぐさま鳴神へと向かってきた。

鳴神は素早く人差し指と中指を立てた刀印をつくり、術を放とうとするが、それよりも早く、駿足を誇る妖に踏み込まれていた。あやまたず、その妖の爪が鳴神の喉笛を狙う。

誰もが、首を取られたと、その妖すらそう感じた。

しかし、実際に斬られ消滅したのは、その妖だった。

気付けば鳴神は刀を携え、その妖の斜め後方に佇んでいた。


「術が使えなければ、銃が効かなければ、陰陽師はただの人ってか?実に短絡的だな。」


刀を構える鳴神に雑鬼たちが若干怯む。

が、すぐに我へと返り鳴神を囲い始めた。

それに対し、鳴神は笑みを崩さず。


「来いよ。叩き斬ってやる。」


怒り狂う雑鬼が襲い来る。

爪が、歯が、牙が様々な方向から襲う。鳴神はそれを防ぎ、躱し、受け流し、雑鬼たちを斬り捨てていく。

華麗に。美麗に。まるで舞うかのような立ち回りに、クシルは目を奪われた。

もう少しです。評価・感想お願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ