そして壊れる日常 1
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また、かなり時間が空いてしまった。待っていた方ごめんなさい。
ピピピピピピピピピ……。いつものように目覚まし時計が鳴り響き、直人は朝を迎える。一夜超えれば、直人は充から聞いたことを忘れられると思っていたが、どうやらそうはいかないらしい。直人の頭の中では、兄が未来人によって殺されたという事実が膨張し、頭の中を埋め尽くしていく。思考することがままならないくらいだ。そんなどうしても動こうとしない脳みそを、無理矢理でも動かすために、直人は朝日を思いっきり浴びることを心に決めた。足元で眠っている充を踏みつけないように、細心の注意を払いながら、ふらつく足を運ぶ。ようやく辿り着いた窓際。直人は朝の気持ちの良い日光を遮っているであろうカーテンに手をかけ、勢いよく開いた。
「……ちっ」
外は舌打ちをしたくなるほど薄暗く、空はどんよりとした曇天に包まれており、それに加えて、わずかに雨音すら聞こえていた。とても心を晴らすことができるような天候ではなかった。
「おはよう、直人」
背後から声が突然聞こえ、思わず直人は身構えてしまう。直人が充の声だと認識するのには少し時間を要した。充は上半身だけ起こし、まだ眠そうに目をこすっている。
「何だよ……。充か」
「驚かせちゃったね、ごめんなさい」
「いや、大丈夫だ」
直人はそう言うと、充の側を通り過ぎ、クローゼットを開き、制服に着替え始めた。今日は平日。個人的に辛い出来事があろうと学校は通常営業しているのである。
「今日はよく眠れた?」
「あまり……」
昨日充から聞いた話があまりにも衝撃的で、直人が寝付くまでに時間がかかった上に、眠りは浅く、寝不足気味である。
「そう……、昨日の僕の話はあまり気にしないでね。僕が言うのも変だけど」
少しやつれて見える直人の表情を気にして充はこう声をかけた。
「……ああ」
「辛いと思うけど、直人にはいつも通りの生活を続けて欲しい。僕は直人を苦しめるために、未来のことについて話したわけじゃないんだ」
「……ああ、わかっている」
わかっている。わかってはいるが、どうしてもまともな思考が追い付いてはくれない。それが今の直人の心情である。
「結果的に直人を未来の戦争に巻き込んでしまったから、全てを知ってもらいたかったんだ。それにまた未来から誰かが来て、直人の命を狙うかも知れないし」
着実に制服に着替えを進めていた手が止まる。直人は制服のボタンに手をかけたまま、充にこう尋ねる。
「……またあいつが来るのか」
「たぶん、炎神が『次に会う時は』て言ってたから」
「たぶんじゃなくて、来ることは確定だろう……」
直人がその話を聞く限り、そう考えることしかできなかった。
「おそらくね、だからしっかりと対策は練らなければいけない、今日の夜も時間をもらってもいいかな?」
「……ああ」
どうしても避けようの無い戦闘に直人は苛立ちを感じながら、素早く支度を済ませ、玄関へと向かった。いってきますと家族に一言告げ、外に出た。家の前には、雨傘をさしている一人の少女。それは、紛れも無く未奈であった。そう、どんなに辛いことが起きようと学校だけではなく、世界はいつも通り回り続ける。残酷だと言えるかもしれない。しかし、人間として生まれた以上、世界の回転からは逃れることはできず、学校に行く、誰かと話すなどと言った『いつも通り』を続けなければいけない。これが時間と世界に囚われている人間の運命なのである。そう認めながら、直人は『いつも通り』を無理にでも取り繕いながら生きていくのであった。
それから二週間程、『いつも通り』を繰り返した頃。時間が経ったにも関わらず、直人の頭の中は兄の事でいっぱいのままであった。
兄が殺されていたことに対する怒り。
兄が自分のせいで死んでしまったと悩んだ日々の意義。
そんなものが直人の頭の中でくるくると回っている。しかし、こんなことを悩み続ける事自体、無駄だと直人は薄々気づいていた。だが、気にしないことができない。だから、またこうして真剣に悩んでしまうのである。
それに、直人の頭の中で渦巻いているものは前述したものだけでは無い。
未来から来る使者に対する恐怖。
このことに対しては、しっかりと充から対策会議が開かれた。充が言うには、『炎神』と出会ってから二週間は未来から誰も来ることが無いらしい。つまり、あの日から二週間後に当たる今日までは、安全だそうだ。なぜ二週間は安全だと言い切れたのか?そのことを説明するには未来のタイムマシンについて、話しておく必要がある。
まず、未来のタイムマシンは移動したい時間軸を指定できるほど精巧なものではないらしい。200年前に行きたいなら、200年前にしか行けないタイムマシンを作らなければいけない。つまり、同じ時間間隔でしか移動する事ができず、製作が完了したタイムマシンを操作し、行きたい時間軸を操作することは不可能である。あくまで、移動できる時間間隔は製作段階に依存するそうだ。
次に、タイムマシンは永く続いた戦争により、完全に製作方法がわからなくなってしまったことだ。つまり、失われた技術、ロストテクノロジーだそうだ。『炎神』は戦争後にも残ったタイムマシンを使って、この直人達のいる時間軸まで移動しているそうだ。だから、もう未来ではタイムマシンを作ることができない上、タイムマシンを作ることができた時間軸に行く手段がないため、完全なロストテクノロジーになってしまったそうだ。
そして、最後にタイムマシンには、資源とエネルギーの問題がある。タイムマシンを作動させるには莫大な電力を『タイムテクト』というレアメタルに流す必要がある。充が言っていた二週間という期間は、この放電するための電力を貯めるのにかかる時間だそうだ。
しかし、二週間という期限など単なる気休めにしかならない。
「……おと……」
いつかは未来から『炎神』が再び来て、また、直人は死にかける思いをしてしまうのである。
「直人!」
直人は未奈に突然肩を揺さぶられる。直人はハッとし、想像の中から現実に引き戻される。ここはいつもの朝の通学路。気休めにしかならない安心など、こうして直人を悩ませ続けるだけである。
「今、考え事してたでしょ?ずっと上の空だったよ」
「あぁ、すまない……」
「何かあったんだったら言ってね、直幸お兄さんの時みたいに、一人で悩み続けるのだけはやめてね」
未奈は口調を強め、目つきを鋭くしながら、直人にそう言った。
「わかった」
直人はそう答えたが、実際に相談するつもりなど毛頭もなかった。未来の話なんて未奈は……いや、誰も信じてはくれないだろう。それに、信じてもらえたとしても未奈をこんなわけのわからない戦争に巻き込みたくない。直人はそう考え、ただ独りで悩み続けるのであった。
未奈は直人の異変に気付いたのか、学校内でも、直人が浮かない顔をする度に何かあったのかと直人に尋ねた。直人の身に何か起きていることに感づき始めたのかもしれない。しかし、直人は決して本当の事を言わなかった。そうして、そのまま放課となり、『いつも通り』帰宅したのである。
「ただいま」
「おかえり直人」
今日は充が直人の帰りを出迎えてくれた。結局、充の両親を警察が見つけることができるわけなく、充は我が家に居座ることになった。両親としては、家事をよく手伝ってくれるので大助かりらしい。
「あぁ、ただいま充」
互いに言葉を交わすと充が急に真剣な顔になる。
「明日からは気を付けてね、僕が言ったことは覚えてる?」
明日……。それは気休めの二週間が終わる日。これからは本当の危険と隣合わせの日々が続くのだ。そして充が言ったこと、それは未来からの使者に遭遇した時の対処法のことを示している。
「『とにかく全力で逃げて姿をくらます事』だろ?」
対策も何も、直人に言い渡されたのは、とにかく戦場から離れることであった。何の力も持たない直人は、自分が戦いの場に残ったとして、何もできることがないことを十分自覚している。
「そう、それだけを守って欲しい。来た使者は僕が何とかするから」
「わかった」
その晩、直人は食事などを素早く済ませ、早めに就寝した。しかし、そのことが裏目に出たのか。その日、直人は直人の兄、直幸が死んだ日のことを夢で見ることになった。
時は今から三ヶ月前の休日。外は昼間なのに暗く、酷く雨が降っていた。しかし、そんな天候に関わらず、息を切らし、直人は全速力で走り続けている。この日、兄に対して苛立ちを感じ、一方的に兄に怒りをぶつけ、直人は家を飛び出した。原因は兄に対する嫉妬と些細な事であった。とにかく無我夢中に、意味も無く、己の体力が尽きるまで直人は走り続けた。目の前の景色が目に映らないほど全力で……。
家から歩いたら15分程かかる河川敷まで走った所で、体力が尽き、その足はようやく止まった。
「はぁはぁ」
膝に手をかけ、肩で息をつく。川は大雨で荒ぶり、今にも氾濫しそうだった。
ここで直人は兄に対して抱いた感情が、いかに直情的であったことに気づき、苛立っていたことが馬鹿みたいに思えてきた。明らかに自分が悪かったのは理解できた。しかし、ここで帰るのは示しが付かないと直人は思い、暫く工事中の橋の下で雨宿りする事にした。この時ほど、自分のプライドをうっとおしく思った日は無かった。素直に家に帰り、兄に誤れば、いいだけである。
橋の下で腰を下ろし、くつろぎ始めてから少々時間が経つと、雨足が段々と弱くなってきた。沸いた頭も冷えてきたので、直人は家に帰ることにした。示しはつかないかもしれないがそれでも良いと直人は思えた。降ろした腰を上げ、歩き出そうとすると、兄の直幸がきょろきょろと誰かを探し回っているのが見えた。直人は自分の事を探していることに、すぐさま気づいた。直幸は直人に気づいたようで、直人のいる橋の下を目指し、駆け出した。直幸は橋の下に入ると同時に、傘に付着した雨粒を払い、傘を閉じた。
「こんな所にいたんだ。ほら、風邪引くぞ」
直幸は目の前まで来ると、手に持っていたもう一本の傘を直人に差し出した。
「いらない」
しかし、直人は直幸の優しさを無碍にした。直人の中で治まりつつあった怒りが、なぜか再び沸々とこみ上がってくる。
「どうしてそんなこと言うんだい、直人?さっきも『お前がいなければ、おれは誰からも比べられないで済んだんだ』とか言って家を飛び出すから、心配したんだぞ」
兄は非常に成績優秀だった。それに対し、直人の成績は良いとも悪いとも言えない。兄弟である以上、兄と弟が比べられることが多々あった。直人は出来過ぎている兄と比べられることに嫌悪していたのだ。それに、この時の直人は、高校受験を眼前に控えた受験生。そんな様々な要因が重なってこんな一言が、直人の口から飛び出したのであった。しかし、今となっては兄と比べられることなんてどうでも良かった。ただ、完全に自分が悪かったと自覚している今となっては、この直幸の優しさを鬱陶しく感じるのであった。
「何でそんなに優しいんだよ、兄さんは……
おれは、『いなくなってしまえ』なんて酷いこと言ったんだぞ、こんな弟放っておけよ!」
「放っておけるはず無いさ」
直幸はニッコリと笑いながらそう言い、話を続ける。
「なぁ、直人。おれは何でお前が怒ったのかよく分からない、でもな、何か悲しいことがあったんだろう?話してみろよ」
直幸は直人に諭すように言った。直人はむきになり、反論する。プライドとは時として本当に邪魔なものである。
「そうやって全て分かりきったような、兄さんの言い回しが嫌いなんだよ。おれの苦労も分からないくせに!」
「わからないさ、直人の事は……。でもな、おれはおれが考えている事なら理解する事ができる。おれはただ、大切な弟が苦しんでいるならば、守ってやりたい。大切だから。そう思っているんだ。人なんて皆そうさ、どんな言葉を交わし合おうと、互いが大切だと思い合っているなら、再び元通りの関係に戻ることができる。たった一言で壊れてしまう絆があるなら、壊れない絆もたくさんあるのさ。だから、おれはこうしてお前とぶつかり合って、お前のことを分かりたいんだ。また仲良くなりたいんだよ。壊したくないんだよ」
直人に対し優しすぎる直幸には、到底敵わないと直人は思った。こんなに馬鹿正直に言われると、怒りなど消え失せてしまった。
「……。やっぱり酷いや、兄さんは。おれから謝って仲直りしたかったのに。本当に何もわかってないんだな」
いらぬプライドを捨てるなら今だと直人は思い、直人も正直に自分の心境を直幸に話した。
「あぁ、ごめんな。じゃあ、これで仲直りだ」
直幸がその場をまとめる。こうして、また元通りの関係に戻るのである。
そして、直幸は直人に手に持っていた傘を一つ差し出し、こう話す。
「さあ、帰ろうか。母さん達も心配してるぞ」
直幸は一人で先に歩き出した。直幸が橋の下から外に出ると同時に、今度は傘を開いた。開いた傘がパラパラと音を立てているので、外はまだ雨が降っているようだ。しかし、直人は直幸の後を追わず、橋の下から直幸を呼び止める。
「兄さん!」
その声に気づいたようで、直幸はクルリと振り返り、直人と向き合った。
「どうした直人?」
「兄さん。ごめんなさい、あんな酷いこと言って。言い訳にしか聞こえないだろうけど、おれは兄さんにいなくなってしまって欲しいなんて思っていない。兄さんと同じようにおれも兄さんのことを大切だと思っているんだ。だから……」
「直人!!」
その瞬間。直幸は突然傘を放り投げ、血相を変えて直人の元に走り出した。
「兄さん?」
直人はそのままわけも分からないまま、恐い顔をした直幸に胸ぐらを掴まれ、橋の下の外へと投げ飛ばされる。直人は雨でぬかるんだ地面にぶつかり、勢い良く転がり、泥まみれになる。動きが止まった所で訳の分からない行動をとった兄に対し、文句を言おうとし、直人はヨロヨロと立ち上がった。
「っ!痛ぇ、何するんだよ」
しかし、目の前の光景は思わず息を呑んでしまう程壮絶なものであった。直人の目にはまるでスローモーション映像を見ているかのように、鮮明にその光景が飛び込んでくる。
今まで直人がいた場所。いや、今は直幸がいる場所に。無数の鉄骨が。崩壊した橋が。そのまま頭上に。
ガラガラガラガラ!!!!
耳に響くような金属音を立てながら、鉄骨は地面に落下した。無論、直幸の姿など見えない。その場所に残っているのは無残に積まれた鉄骨だけ。
「……嘘だろ、兄さん、兄さん!」
直人はすぐさま走り出し、兄を救出するために、鉄骨に手をかけ、持ち上げようとする。しかし、積まれた鉄骨はあまりにも重く、直人の腕力ではどうにもならない。何とかして、兄を助け出そうと試行錯誤を繰り返していると、直人の足元で兄の手が、不自然にぴくぴくと動いているのが見えた。
「兄さん!」
直人は駆け寄り、その手を握った。
「兄さん!すぐに助け出すから!少しの間頑張ってくれ!」
しかし、返事が返って来ることは無かった。それどころか、さっきまでぴくぴくと動いていた手が完全に動きを止める。
「兄……さん?どうしたんだよ?返事してくれよ……兄さん!」
直人の思いとは裏腹に、足元のぬかるみが紅に染まっていく。それが何なのか。直人は瞬時に理解した。
「うわぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」
一人の少年の叫び声が、人気のない河川敷に響き渡った。
そう、これは夢。そして、直人の過去でもあり、直人の心に深く刺さる棘のようなトラウマでもある。この夢は見飽きる程、何回も見てきた。もう慣れたものだった。しかし、今日のこの夢は違った。
突然、直幸が鉄骨を払いのけて立ち上がり、叫び声を上げる。
「兄貴!ふっかぁぁぁぁぁぁぁぁぁつ!!」
「……は?」
復活と言えど、直幸の体にはあちらこちら血が飛び散っている。ましてや、額からは生暖かい血の川が流れを止める事無く、流れ続けていた。
「よぉ、直人。三ヶ月振り」
「お……おう」
血を噴射しながら、ヒョイと軽い感じに右手を上げて挨拶する直幸。未だ戸惑い、現状を理解できない直人。二人の間にぎこちない空気が流れる。
「おい、久しぶりの兄との再会だぞ。素直に喜べよ」
「いや、でもこれ夢だし。自分でも、こんな意味不明な夢を見るなんて思ってもいなかったぞ」
「はは、冷たいな直人は」
直幸は血のりがベッタリついた顔に、笑みを浮かべながら言った。
「額から血を流しながら、笑わないで欲しい。気持ち悪いから」
「本当に直人は冷たいなぁ。そんなことよりさ、最近酷い目に会ったんでしょ?」
夢の中の直幸が、話題を変えた。おそらく、『炎神』とのことだろうと直人は思った。二週間も前のことだが。
「あぁ、危うく燃え屑になる所だったな」
「んで、充君のおかげで助かったんだってね」
直幸がここまで知っているのも、おかしなことでは無い。なぜなら、ここは直人の夢だから。あくまでも、ここでの出来事は直人の意識の中で形成される。それが夢である。しかし、直幸は直人が思ってもいないことをこれから告げ出すのだ。
「直人、充君は未来が変わらないのはお前がおれのいなくなった未来で、おれの未来を補完したからだと充君が言ってたよな?このことについてはどう思う?」
「どう?って。おれには兄さんの代わりはできないと」
「そんなネガティブなことが聞きたいわけじゃない。お前が未来を補完したとしたら、文献などは、全てお前の名前に変わるはずだろう?ところがどうだ、おれの名前が文献には残り続けた。これはおかしくないか?」
確かに、充は未来は変わることなく、文献などが書き換えられることは無かったと言った。
「そんなの未来なんて曖昧なもんだろ、タイムパラドックスなんて実際起こしたことはないわけだし、どんな風に未来が変わるか何て、わからないだろう?」
「そう、言われればそうだな」
直幸は少し困った顔を浮かべる。だが、すぐにいつもと違う真剣な表情を見せる。そして、こう続けた。
「だが、こう仮説を立てることもできないか?おれは生き返り、文献通りに未来の戦争の引き金となった薬品を作りだす」
「死者が生き返るはずないだろう?」
「普通はな、でも魔法ならどうだ?『炎神』だって、何もない場所から炎を作り出した。ならば、命を創り出すことだって可能ではないのか?」
確かに理論的には可能ではあるかもしれない。だが。
「仮にそんな魔法があったとしても、どこにその魔法を持つ精霊がいるんだ?」
充の話では魔法は精霊のようなものが人間に取り憑くことで生まれると言っていた。だから、その能力を持つ精霊の所在が分からない限り、直幸の提示した考えは机上の空論にすぎない。しかし、ここで直人の思いのよらない返答が返って来る。
「お前の中さ」
「そんな都合のいい話があるもんか、それになんでそう言い切れる」
「お前の中にはもうその精霊はいる、後はお前の自覚次第だ」
「おい、答えろよ兄さん!なぜそう言い切れる!」
ピピピピピピピピピ……。聞き覚えのあるいつもの音が鳴り響く。
「ほら、起きる時間だ」
直幸がそう言うと、夢の中の景色がゆがみ始める。
「兄さん!」
直人は飛び起きる。もうここは夢の中ではない。けたたましく目覚まし時計が鳴り響く、いつもの朝の風景だった。
読んで頂いてありがとうございます。
内容に対する質問やご意見。誤字・脱字の報告、ご感想お待ちしております。
ご感想やここの表現とかこうするといいよなどのアドバイスを頂けると僕は歓喜し、テンション上がります。